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あらすじ
皇帝陛下の膝の上で、トロトロに甘やかされて……。
過保護に育てられた侯爵家令嬢ラヴィーナは、幼馴染みの皇帝テオドールからいつまでも子ども扱いで、猫可愛がりに溺愛されるばかり。「きみがかわいすぎるからいけない」彼にもう子どもではないと訴えた日から、蕩けるような甘い愛撫を与えられ、初めての快楽に戸惑いながらも抗えないラヴィーナ。そんな彼女に、予想外な求婚者が現れて──!?
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試し読み
「愛しているよ……かわいいラヴィーナ」
魔法の呪文だ。その言葉を聞くたびに、ラヴィーナの呼吸は止まりそうになる。
そして──、胸のどこか奥深いところが、きゅん…と切なく締め付けられるのだった。
(ずるいわ……)
泣きたくなるほどの気分で、ラヴィーナは無言で相手の首にしがみついた。
今がいつとか、ここがどことか、すべてが吹き飛ぶ。
──愛されている。
離れているときには不安しか感じない関係だからこそ、それを寄りどころとしがみついてしまう。求める気持ちなら、ラヴィーナのなかにも確かに存在していた。
「ンッ……」
熱い口づけも、
「……んぁっ……!」
裸の胸に感じる切ないうずきも、すべてはテオドールが与えてくれる愛と思えば、ラヴィーナにとってはすべてが喜び。それこそ、愛されまくる仔猫のように、ただ全身を相手に委ねていればいいのこと。
ただ──。
「あッ! あぁっ……」
下肢への愛撫は、まだ刺激が強すぎる。
昨日のように、膝から上へなで上げるように移動し始めている幼なじみの大きな手には、やっぱりまだまだ緊張してしまう。
「やぁ……、そ、そこ……ゃ……」
無意識に拒絶を口にしてしまったけれど、ささやかすぎて相手には届かなかったようだ。テオドールはそのまま、ふとももの感触を確かめるようにゆっくりと手を滑らせ、それから足の間をツンとつついてきた。
びくっと肌を強張らせたラヴィーナは、怖くなって目をつむってしまった。必死に死守する暗闇の中で、感覚だけで、自分の下肢から下着がそっと抜き取られたのを知る。
ひやり、と外気が乙女の素肌を撫でた。
開いた足の間にテオドールがいるから、もはや閉じることさえかなわない。
「……あ、んっ、……!」
またテオドールが丸い乳房に手を置いた。けれど今度のそれは、ラヴィーナの緊張をなだめるように、どこか優しい動きだった。それこそまさに、眠る仔猫に与える慈しみの手のような……。
「ラヴィーナ……、緊張しないで」
そんなことを言われても無理よ、と思う。
この先になにが待つのか、ラヴィーナにはわからないのだから。
「乱暴はしないと、約束しよう」
テオドールの声が少し熱を帯びてくる。
「きみが感じるところもわかってきたよ……大丈夫、気持ちよくしてあげるから、このまま楽にしていなさい」
「ふぇ……」
べつにいじめられているわけではないのに、なぜこうもいちいち泣きそうになってしまうのだろう。
「それにしても、昨日も思ったが、きみはどこもかしこも綺麗だね」
(は、恥ずかしすぎるわ……!)
「この胸」
「ひゃうっ!」
急に強く鷲掴みにされてびっくりする。
「この足」
「ふぁ…っ!」
大きく抱え上げられた足の内側に、ちゅっと短いキスをされた。
「そしてこの……」
「ん、あッ!」
きりっと摘み上げられたのは、秘すべき花園に眠る鋭敏な肉の尖りだった。強烈すぎる刺激にひくっと息を詰めて背中を丸めたら、秘部に指を置いたまま、ふたたびテオドールがキスをしてきた。唇を触れ合わせる寸前に囁かれる。
「黄金の若草に飾られた、きみの一番大切なところなど、まるで天上の花園のようだ」
「や……ぁ…あ、そこ、あんまり……強くしなっ……! あぅ!」
実は昨夜バスタブに身を沈めながらその箇所へ、ラヴィーナもそっと自分でも触れてみたのだった。こりっとしたものがあるのはわかっていたけれど、過去にないほどの刺激を覚えてしまい、びっくりしてすぐに手を離した。もしやテオドールの指を知ってしまったせいだろうか。もう自分で自分の体に触れるのも怖くなってしまった。それくらいそこは、触れられるのも辛い、敏感な場所だった。
「だめっ……、あ…ああう……っ」
なのにテオドールは手加減もなく、くりくりと摘み上げた肉芽を刺激する。
「やっ…、あ、…んっ……、ふっ……!」
一定のリズムを作るように、何度も何度も執拗にこねくり回され、ラヴィーナはだんだんとわけがわからなくなった。やがて、つぷ…と一本の指が埋め込まれる。挿入に違和感はあったが、前庭に与えられる刺激のほうが勝って気にしていられない。むしろ、今少し足りなかったものをやっともらえたような、不思議な充足感さえ覚えた。 -
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