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試し読み
「んっ、んんっ」
腰の辺りで溜まっていたドレスの中からジュリエンヌの身体を引き抜くように、アルは器用にドレスを脱がせてしまう。
「ここじゃ針が刺さってしまうかもしれないから移動しよう。あっちでもっといろんな場所を舐めてあげるよ」
腕に抱え上げられたジュリエンヌは下着姿でベッドまで運ばれ、そこに寝かされた。
「あの……アル……? きゃあっ」
俯けに身体を転がされ、ドレスのために身に着けていたコルセットの紐を解かれる。たった一枚身体を覆っていたシュミーズも、瞬く間に脱がされた。
「やっ、アル……アル? やあっん」
あらわになった胸の膨らみをすぐに掌中に収められ、大きく揉まれながら唇を這わされてジュリエンヌは背中をしならせる。
「どうして? ……やっ、ああん」
「どうして? さあどうしてだろう……きみを見ていたら止まらなくなった。恥ずかしそうなその顔をもっと見たくなった」
「だって……だって……ぁ」
「舞踏会なら大丈夫だよ。まだ時間はある。きみと会ってゆっくり話をして、それから支度をしても間にあうくらいのつもりだったから」
「あ……あぁ……」
形が変わるほどに胸を揉みあげられ、肌を撫でるアルの手が脇腹を下りていく。ドロワーズの端に指がかかり、ジュリエンヌは泣きそうな声を上げた。
「だめ……アル……」
「本当に? でも身体は俺を望んでくれているよ、ほら」
ドロワーズの端から中に手を忍ばせたアルが、すでに熱く潤っているジュリエンヌの秘所に触れる。指に舌を這わされた時からそこが濡れ始めたことを知っていたジュリエンヌは、逃げ出せるものならどこかへ逃げてしまいたい気分だった。
「やっ、やあ……触っちゃ……」
「もっと濡れてしまう? 濡れればいい。全部俺が舐めてやる」
ドロワーズの端に両手をかけたアルが、それをひと息に下ろした。
「ああっ……あっ……」
共に舞踏会に出席しようと誘われたのに、その宮殿の一室でどうしてこういうことになってしまっているのだろう。アルだけを責められない。彼に触れられて淫らな感覚を感じてしまったのはジュリエンヌ自身だ。
(私……私……)
はあはあと荒くなる息をこらえきれず、ジュリエンヌは大きく肩で息をした。震える胸の先端に唇を寄せ、アルが蜜口に指で触れてくる。
「すごく濡れているね。気持ちいい?」
声の振動が直接薄桃色の突起をいたぶり、ジュリエンヌは肌を震わせて息を吐いた。
「はい……ぁ……はい」
「挿入るよ」
宣言と同時に、アルの指が濡れた粘膜をぬちりと開いて蜜壺の中に侵入してくる。奥から溢れてくる蜜をかき出すように何度か抽挿され、すぐに指を抜かれた。
「すごいな、蕩けそうに熱い」
「やっ……やあぁ……」
辱めるような言葉が恥ずかしく、ジュリエンヌが両手で顔を覆うとその手を除けられる。
「隠さないで。きみの感じている顔をもっと見ていたい」
「やあ……あ……」
上から見下ろす格好で、ジュリエンヌとしっかりと目線をあわせたまま、アルはまた蜜壺の中に指を押し込んでくる。
「気持ちいい?」
濡れた柔襞を擦りながら問いかけられ、
「もっと欲しい?」
神経の塊だと教えられたその上の突起をつつきながら尋ねられ、ジュリエンヌはとても冷静でなどいられなかった。
「あんっ、あっ、あ……欲しいです……んっう」
もの欲しげに腰を揺らしながら答えてしまい、自らアルを望んだような格好になってしまう。
「あげるよ、もっと。俺をきみにあげる。だからジュリエンヌの全てを俺にくれ」
膝頭を掴んで大きくジュリエンヌの足を開かせたアルが、その中央に顔を伏せた。しとどに濡れていた秘所を下から上へねっとりと舐め上げられ、ジュリエンヌは腰を揺らして悶える。
「あんっ、ああっ……や、あっ……」
「逃げないで。もっと脚を開いて」
「は……はい……あ、ああっ」
止めどなく溢れてくる愛液を舐めすすられながら命じられ、ジュリエンヌに抗う術はなかった。アルの舌に翻弄され、輝くような金色の髪に手を伸ばし、縋るようにそれに触れながら快感の波に身を委ねる。
「あんっ、あっ……ああっ……」
ぐちょぐちょに濡れている粘膜を舐めまわされる行為はひどく動物的で、王子様然とした普段の姿からは想像もつかないほど、アルは野性的で強引だった。
「あっ、あっ、あ」
しかしそれはジュリエンヌも同じだ。普段は決して上げたりなどしない甘い声を上げ、アルに両手でしっかりと固定された腰をみだりがましく揺らしてしまう。膝立たせた自分の両脚が時折宙を掻いて揺れ、その間にアルが頭を伏せている光景はなんとも卑猥だった。
「やっ……ああっ、あっ」
見ているだけでますます身体が熱くなり、今にも極めてしまいそうになる。そこに敏感な器官を舐めまわされているのだから、ジュリエンヌの理性や羞恥心などひとたまりもない。
「やっ、あっ、いや……アル……アルっ」
彼の名前を呼びながらベッドからかすかに腰を浮かすと、それをアルの手が支え、舌の代わりに何本か揃えられた指が、ジュリエンヌのこれまでより更に最奥を侵した。
「ああああっ」
肌が粟立ち、快感に蜜壺が収縮するのを止められない。頂点を極め、どくどくと脈動する肉壁をこじ開けるように、アルの指が何度も秘所を出たり挿入ったりする。
「あっ、あっあ……」
そのままもう一度極めてしまいそうだった。快感に肌を震わせるジュリエンヌの中から指を抜き、アルが裸の身体を重ねてくる。
「いい?」
頬を大きな両手で包みこむようにして顔をのぞき込まれ、まだ絶頂の余韻に震えている秘所に熱く硬いものを擦りつけられた。
「あっ……あ……」
それがアルのものなのだと意識すると、ますます身体が熱くなる。緊張で眉根を寄せたジュリエンヌに、アルは啄むように何度も口づけた。
「きみが思っているより、俺はずるい男なのかもしれないよ、ジュリエンヌ」
誘うように秘所に楔を擦りつけながら、アルはいったい何を言っているのだろう。ジュリエンヌの思考はまったくまとまらない。
「あ、はぁ……ああっ?」
「きみに背を向けられてしまいそうだから、急いで自分のものにしてしまおうとしているのかもしれない。俺に純潔を散らされてしまったら、きみはもう他の男の花嫁にはなれない」
「んっ……私……っあ」
他の男など考えられない。こうして肌を重ねる相手はアルしかいないとどうやったら伝えられるのだろう。絶え間なく与えられ続ける快感で、ジュリエンヌは気持ちを言葉にすることもできない。
「ずるくてもいい。誰にも譲れない。好きだ、ジュリエンヌ。きみの全てが欲しい」 -
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