書籍紹介
引きこもり令嬢は冷酷な王太子に甘く溺愛される~仮婚約は破棄させてください!!~
引きこもり令嬢は冷酷な王太子に甘く溺愛される~仮婚約は破棄させてください!!~
ISBN:978-4-596-77500-9
ページ数:322
発売日:2023年6月15日
定価:710円+税
  • あらすじ

    私のものだと刻み付ける。君は、誰にも渡さない
    冷酷な王太子のはずが“魅了の魔法”のせいで独占欲の塊に……!?

    王太子ウィリアムとの突然の仮婚約にレティシアは動揺してしまう。精霊の体質を持つ彼女は、意識しないままウィリアムへ魅了の魔法をかけてしまったのだ。独占欲をむき出しにして情熱的に触れられると、官能で腰が蕩けそう――。好きな人に求められて嬉しいけど、それは魔法で作られた偽りの愛。魔法が解ければ終わってしまうのが切なくて……!?

  • キャラクター紹介
    • レティシア
      伯爵家の令嬢。精霊の体質を持ち、引っ込み思案で自分の魅力を理解していない。

    • ウィリアム
      ロベリオ王国王太子。冷徹で冷酷な仕事中毒。レティシアと出会い恋してしまう。

  • 試し読み

     え、と思った時には、ウィリアムの口がレティシアの唇を覆っていた。
     ――キスを、されている。
     優しく吸われて実感し、目を見開いた。
     それは、優しい感触を残してそっと離れる。彼女は信じられなくて、自分の唇に残る柔らかな感触を指で確認した。
    「良かった、嫌ではなかったようで嬉しいよ」
    「あっ、でん――ンン」
     彼が顎を持ち上げ、再び唇を重ね合わせてきた。
     レティシアは、唇へ吸い付かれる初めての感触に戸惑った。けれど不思議と彼の唇に抵抗感はなく、それを心地よくも感じた。
    「ん……ふぁっ」
     れろりと唇を舐められて、ぞくぞくっと甘美な感覚が背を走り抜ける。
     キスなんてだめだ。レティシアは我に返って、咄嗟に彼の胸板を両手で押し返す。
    「殿下っ、いけません。あなた様は魔法で――」
     突っぱねたが、その手は弱々しかった。ウィリアムが微笑み、彼女を優しく腕の中に収め直した。
    「婚約者同士だ。何もいけないことはないよ」
     近くで目を合わせたら、彼の熱い眼差しに胸が高鳴った。抵抗の力も消えてしまう。
    「で、殿下」
    「それからレティシア、私のことはウィリアム、と」
     彼の唇が近付いてくる。甘い声に抗えず、気付いた時にはお互いの口がしっとりと重なっていた。
    「んぅ……ン……ぁ、ん……」
     ついばむような優しいキスに、身だけでなく心も蕩けていくような感覚がした。
     唇が触れ合った拍子に緊張が抜け、身を抱く彼のなすがままに唇を許す。
    (ああ、淑女がこんなことをしていいはずがない――)
     頭では分かっているのに、タイミングよくウィリアムのキスが深まった。ぬるりと割って入ってきた舌が、レティシアの理性を攫う。
     驚いて舌を引っ込めようとすれば、なだめるようにざらりとした熱で撫でられた。
     口内を隅から隅まで艶めかしくなぞられる。
     くちゅくちゅとした感触に、二人の境界線がなくなっていくような心地がした。
    「んぁっ、んん……っ、あ、ン……」
     レティシアは、抱き締める彼の腕の中でびくんっと何度もはねた。
     肉厚な舌の感覚は独特なのに、触れ合うたびに、下腹部の奥がじんわりと熱くなるような気持ちよさがあった。
     だめだと思うのに、熱を教える彼の唇と舌を、もっと感じたくなってしまう。
    「はぁっ……いいよレティシア、そのまま委ねて」
     不意に、深く強く吸われて、レティシアはぞくんっとのけぞった。
    「んんーっ、はっ、あ……っ」
     甘い痺れが背を走り抜けて口が開く。そこからこぼれ落ちた唾液をウィリアムが舐め取って、舌をくちゅくちゅとこすり合わせた。
    (だめ、だめ、こんなこと……)
     そう思っている間にも、ウィリアムに押されて寝椅子へ横たえられた。
     一緒にどさりと倒れ込んだ拍子に、レティシアの長いハニーブラウンの髪が、寝椅子の下にもかかった。
    「――思っていた通り、舌まで愛らしい。初々しさがたまらない」
     ウィリアムがレティシアを見下ろし、高揚した表情で濡れた唇を舐める。
     男の目をしたその眼差しに、胸がどっくんとはねる。
     ここで拒絶すれば間に合う、そう思うのに――レティシアは一人の男の顔でこちらを見る彼の、この先を見たいと感じて心が震えた。
    「今日まで我慢していた。いきなりキスをしてしまっては、初心な君に避けられてしまうかもしれない、と」
    「あっ」
     彼が言いながら、自身の首元のスカーフを抜き取った。
     もう、きっと引き返せない。初めてなのにそんな予感がした。
    「ウィリアム様、私っ」
    「君がキスを受け入れてくれるようになる時を待っていたよ。さあ、もう一度――」
     言いながら再び唇を塞がれ、手を握られて押さえ付けられる。
     舌を絡めながらのキスはいやらしくて、清い交際関係の男女でさえしていいものとは思えなかった。
     けれど、息が苦しいのに蕩けてしまいそうなくらい気持ちよくて――。
    「んっ、ん……んぅっ……」
     ウィリアムから与えられるキスは、ただひたすらに甘美だった。
     戸惑いはあるのに、嫌だとも思えない。
    「あっ……ん」
     絡めていた二人の舌が、唾液の線を引いて離れる。
     レティシアは息が上がっていた。それは見つめ合うウィリアムも同じで、キスのせいか、彼の熟れた唇はとても色っぽい。
    「私のせいで赤く色付いた唇が、なんとも愛らしい」
     唇を、彼の指の腹で撫でられて、身体がぴくんっとはねた。
    「あ、ウィリアム様……」
     その時、不意に彼の指がレティシアの口の中へと入った。
     彼の指に舌をくすぐられた。それは初めてはっきりと、ぞくぞくとしたいやらしい気持ちを自覚させた。
    「ふぁっ……は、ぁ……っ」
    「これも感じてくれるんだな、可愛いよレティシア。もっと声を聞かせてくれ」
    「んゃ、ぅぃり、あむさ、まぁ」
    「ああ、ずっと見たいと思っていたのだ。髪で見えなかったその正面は、どんなに美しいだろうか、と」
     ウィリアムがうっとりと吐息をもらす。その視線が下がって、盛り上がった双丘を彼が見たことに気付いて、レティシアはぞくんっと身震いした。
     首を横に振り『だめ』と訴えた。だが彼は、片手で胸元のリボンを解きにかかる。
    「大丈夫だよ。私があとできちんと着せてあげよう」
     衣装の上から感じる彼の手の動きに、官能的な興奮が身体を温めるのを感じた。
     そのまま直接触られたら、どんな感じなのだろうかとレティシアは見つめてしまう
    「ん、んぅ――あっ」
     口から指が抜かれたのと、コルセットの上のドレスの締め付けがなくなり、支えを失った豊満な胸がふるんっとこぼれ落ちたのは同時だった。
     白い乳房が、ウィリアムの目に晒されている。
     恥じらいと驚きに固まった直後には、彼の手がレティシアの大きな膨らみを包み込んだ。
    「ゃ、いけません、そこはっ、んぁっ」
     ウィリアムが揉みしだきながら、乳房の先端を口に含んだ。
    「素晴らしい。白くて、先もピンクで……」
     舌でくすぐりながら、片方の胸も手で形を変えていく。
    「ぁっ、あ、ああ……っ」
     声を抑えきれなかった。胸を直接触られるのは、キスとはまた違った快感をレティシアに与えてきた。
     不思議な高揚感、そして下腹部にじりじりとした甘い熱が溜まっていく。
    「いいよ、とてもいい。君も感じているようで良かった。先端が硬くなってきたよ」
    「せ、んたん……?」
    「ほら、こりこりしてあげよう」
     ウィリアムが、歯と舌で乳首を刺激した。
    「あぁっ……ン、あ、あっ……」
     乳房の先でくりくりと円を描かれ、潰され、ぴんっと弾かれてレティシアはたまらずびくびくっと身体を震わせた。
    「感じて気持ちよくなると、ここが硬くなる。こんな風にね」
    「んん、知ら、ないです」
    「男女の営みで知っていくことだ。それでも君も、ここくらいは知っているね?」
     彼の手が乳房から下へと移動した。下腹部を撫でられてハッとする。
    「あ……だ、だめですウィリアム様、それだけは、いけません」
     こんなことをしてはいけないという淑女の教えに、咄嗟に身が固まる。
    「確かめられたくないのかな。感じると、ここがどうなるかは教えてもらっているだろう?」
     下腹部の奥が熱く疼いてから、レティシアも男女の営みに必要なそこが、しっとりしているのは気付いていた。
     恥ずかしくて動けないでいると、ウィリアムがスカートをたくし上げた。
    「あっ」
    「中途半端で苦しさがあるはずだ。ここも良くしよう」
     彼に片足を寝椅子の背に引っかけられて広げられ、あっという間に彼の手がレティシアの中心を探り当てた。
    「あっ」
     手を押し付けられた際、下着にしっとりと沁みが広がるのを感じて恥じらう。
    「ご、ごめんなさいウィリアム様っ」
    「何を謝ることがある? 私のために濡れてくれているなんて、嬉しいよ」
    「んぁっ」
     彼の手が、薄い布地をかき分けて中を探ってくる。
    「あ、あっ、ウィリアム様、お許しください」
     彼の魔法が解けて正気に戻ったとしたら、さぞお怒りになるだろう。
     魔法にかかっているだけの彼に、大切な場所へ触れさせてはいけない。彼を、拒まなければならない――。
     それなのに、レティシアは開いた足を閉じることができなかった。
     探ってくる彼の手を布越しに感じているだけで、そこがひくひくと戦慄く。
     この感覚の正体をもっと知りたいような、ウィリアムがしようとしていることを感じてみたい不埒な気持ちが込み上げていた。
     間もなく、彼の手がレティシアのそこに辿り着いた。
    「あっ……あぁ……」
     甘い快感が、そこからじーんっと腹の奥まで伝わってきた。
    「ここは夫を迎え入れるための場所だ、知っているね?」
    「は、はい……」
     そこに夫を受け入れ、子種を注いでもらうことでいつか妊娠するのだとは教わった。
     彼の指が優しく撫でてくると、中が何かを締め付けようとして疼いた。それは腰が浮くような初めての快感で、もっとこすりつけて欲しくなる。
    「まだ中心には触れていないけれど、どうかな?」
    「は……あ……っ、なんだか、お腹の中が……」
    「その感覚を素直に受け入れて、そこに集中してもっと感じてみてごらん」
     彼の言うことは聞き入れてあげなさいと、兄も言っていた。
     初めてそこに与えられる強い快感にくらくらして、レティシアは恥じらいながらもウィリアムの言葉に従った。
    「あっ、ン……」
     彼によって与えられる官能的な感覚に、腰が蕩けてしまいそうになった。
     ひくひくっと秘裂が震えて、中が収縮するような感覚がする。
     触れる動作を繰り返されていくごとに中の疼きが強まって、じりじりと込み上げている腹部の奥の切なさの正体をレティシアは自覚した。
    「あぁ……あ……気持ち、いい……」
     そこに、こんなにも気持ちいい感覚があったなんて知らなかった。
    「いいみたいだな、それではもう少し先も触ろうか」
    「えっ、ぁ、ひゃあっ」
     ウィリアムは蜜に濡れた秘裂を上下にこすりつけてきた。
     ぬるりとした愛液で滑って、彼の指が花唇の中にまで触れている。指先でかりかりと引っかかれ、快感が強くてレティシアがたまらず袖を掴むと、彼は頭を撫でた。
    「いいよ、いくらでも掴むといい」
    「あっ、あ、そこっ」
    「ここが気に入った? なら、撫でてあげよう」
     彼が余っていた手に唾液を付け、スカートの中へと潜らせる。
     濡れた指が花芯を優しく撫で回し、蜜口をくちゅくちゅと愛撫されて甘美な感覚が強く全身を走り抜けてくる。
    「あぁっ、あぁあ、ゃあっ」
     中が甘く震えて、レティシアは寝椅子の上で何度も身体をはねた。
     彼に触れさせている自分を止められない。後ろめたさがあるのに、欲求の終わりが見えないほどの快感に悶えた。
    「やぁっ、気持ちいいのが終わらない、の……っ」
    「とてもいいよ、レティシア。教えた通りに声を出してくれて嬉しい。ねだるような声がたまらないな」
     彼の手が、秘裂を左右に開くのを感じた。
     指が浅く入り、内側を撫でられる。レティシアのそこがひくひくと花唇を震わせて吸い付いた。

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