Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

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書籍詳細

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皇太子殿下のこじらせ独占愛

著者:東 万里央
イラスト:旭炬

ISBN:978-4-596-41410-6
ページ:290
発売日:2020年12月17日
定価:本体640円+税

あらすじ

生まれ持った甘い声のせいで特殊な性癖の男性に好かれやすい公女クリス。自国のため泣く泣くその内の一人の豪商に嫁ごうとしていたところ、突然ヴォルムス帝国皇太子レオンハルトに求婚された!「お前は縛られるのが好きなのだろう?」以前からひそかに慕っていた彼との結婚を喜んでいたのに、誤解をしているレオンハルトに閨で拘束されて――!?

キャラクター紹介

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クリス
ゲルリッツ公国公女。特徴的な声のせいで苦労が絶えず少々男性不信。

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レオンハルト
ヴォルムス帝国の皇太子。軍人で普段は冷静だが恋愛については情熱的で激情家。

試し読み

いよいよ夜をともに過ごすことになるのだろうか。優しくしろとまでは頼まないから、以前教会でされたように、手荒く扱われるのは遠慮したかった。
恐る恐るベッドの縁に腰を下ろし、緊張から小刻みに身を震わせるクリスに、レオンが目を合わせぬまま「俺が怖いか」と問い掛ける。
「えっ……」
「お前は前もそうして震えていたな。小動物を虐げている気分になる……」
「もっ、申し訳ございません……。つ、つい……」
レオンは足下に目を落とし、何やらブツブツ呟いている。
「……そうか。やはり怖いか。……いや、当然だな。なら、やはりこうするしかない」
「れ、レオン様?」
やはり酔いが覚めていないのだろうか。
クリスがレオンの顔を覗き込み、具合を確かめようとしたその時のことだった。レオンがどこからか紐状の何かを取り出したのだ。一体どこに隠していたのだろうか。ガウンにはポケットがないはずなのだが——
改めてレオンの手の中のそれをまじまじと見つめる。
——ロープだった。
何度目を擦っても紛れもなく細いロープである。ゲルリッツ公国の教会で目撃した代物と同じだ。まさか、もう一度見ることになるとは思わなかった。
聞いてはいけない気がしつつも聞かずにはいられない。
「レオン様、あのう、失礼します。それはなんでしょう?」
「ロープだ」
「……」
やはり紛れもなくロープだった。それはともかくとして、なぜ初夜にロープが必要なのだろう。
「クリス、これから俺はお前を抱く」
「は、はい……」
初夜なのだから当然だろう。だが、手にしたロープはなんなのか。クリスは燭台の蝋燭の炎に照らし出され、色気を増したレオンの美貌よりも、ロープが気になって仕方がなかった。
クリスの至極もっともな疑問は、間もなく解消されることになった。レオンが低く冷ややかな声でこう宣言してくれたからだ。
「その前にお前を縛る」
「えっ、はいっ?」
今縛るという言葉が聞こえた気がしたが、耳がおかしくなったのかと首を傾げる。初夜なので緊張しすぎたのだろうか。
「レオン様、申し訳ございません。もう一度おっしゃっていただけますか?」
「俺は、お前を縛って、お前を抱く」
「……」
「安心するといい。手首が傷付かないように、表面は滑らかにしてある」
「いやいやいや!?」
ようやく我に返り首を大きく横に振った。
「どっ……どうして初夜にロープが必要なんですか!?」
レオンはうんうんと頷きつつ、ロープをもう一度ピンと張って見せる。
「お前は縛られ、激しくされるのが好きなのだろう? 恥ずかしがることはない。私の縛りには定評がある」
「て、定評!?」
突っ込む間もなくベッドに押し倒され、両手首を素早く頭上で纏めて縛り上げられてしまった。
「あ、あれは違うんです!」
「恥ずかしがらなくてもいい。少々特殊な性癖だからな。言い辛いのはよくわかる」
「だ、だからですね! きゃっ!」
呆気なく寝間着を剥がれ。体を覆い隠したいのに、縛られているのでできない。
ヴォルムス帝国の女性用の下着は、ゲルリッツ公国のシュミーズとは異なり、胸のみを覆う頼りない布切れと、腰回りと女の部分を辛うじて隠した布切れだ。
この通りどちらも布切れにしか見えず、肌を覆う面積が極端に狭いので、下着として役に立つとは思えない。脱がすのには最適なのだろうが。
ささやかながらも柔らかそうな胸は、最も大切な頂こそ守られているが、それ以外は惜しげなく曝け出されており、全部見せるよりも嫌らしく思えた。下半身の布切れも似たようなものである。
羞恥心に目の端に涙が滲む。それでもなんとか我慢していたのだが、ついに「ふぇっ」と泣き声を漏らしてしまった。
レオンが嗚咽を聞きふと動きを止める。
「ああ、クリスティーナ。やはりお前の声は可愛らしい。小夜啼鳥もこうはいくまい」
「えっ?」
「俺の腕の中での声は、きっともっと高く甘くなるだろう……」
漆黒の双眸がアルコールではない何かに酔い、低く冷やややかな声に熱が籠もる。レオンの本気を感じ取り、クリスは怯えて身を震わせた。
胸を覆っていた布切れが、力任せに取り払われる。ぷつりと肩紐の切れる音がして、下着はひらひらとどこかへ飛んでいった。
「〜〜っ」
白い膨らみのすべてを曝け出され、顔を赤らめ身を捩らせる。手首に再びロープが食い込んで顔をしかめた。
レオンがクリスの胸の間を指で辿る。クリスはその感触にびくりと身を震わせた。
「お前は日差しの強い土地で生まれ育ったはずなのに、相変わらず雪のように白い肌だな。一体どういうわけなのか」
続いて手の平に肉を集めるかのように、片側の乳房をぎゅっと握り込む。肌にレオンの指先が食い込んだ。
「あっ……」
白い肌は生まれ付きだからとしか言いようがない。父の大公はそうでもないのだが、母は日に焼けずに赤くなるだけだった。
レオンはクリスの胸を強く、弱く掬い上げるように揉み込んでいたが、やがてわずかに開いた桃色の唇を奪った。
「ん……う」
手の自由を奪われ、薄闇で辺りがはっきり見えないからか、感覚がより敏感になっている。絡め取られた舌でレオンのそれの熱やざらつき、喉の奥から吐き出される吐息まで感じ取れた。
「んっ……ん……ふ……」
熱が唇から徐々に広がって行く。やがて全身へと行き渡った頃、不意にレオンが唇を離した。唾液が糸を引き二人を繋いでいる。
レオンはクリスをじっと見下ろしていたが、やがて「クソッ」と唸り顔を背けた。
一体何に苛立っているのだろうか。
「れ、おんさま……?」
「そんな顔をするな。そんな声を出すんじゃない」
「えっ……」
と言われても、ならどうすればいいのだろう。
目を瞬かせるクリスに劣情を煽られたのか、レオンは再びクリスにのし掛かると、吸血鬼のごとく首筋に吸い付きつつ、二つの膨らみを大きな手の平で包み込んだ。
「あっ……」
左胸をやわやわと擦りながら、唇で首筋から胸元、胸元から乳房を辿り、ほのかに色付いた右の頂を口に含む。
「やんっ……」
ぬるりとした感触に華奢な肩がびくりと震えた。レオンに食べられるのではないかと怯えた。
レオンはクリスをじっくりと味わっている。ざらりとした舌が敏感なそこを玩び、続いて歯先で軽く囓られ吸われると、淫らな喘ぎ声が繰り返し漏れ出た。
「あっ……だめ……そんなこと……」
教本にも男性は乳房を弄るのが好きだとあったが、これほど嫌らしい真似をされるとは書かれていなかった。
レオンは左胸を弄りながら、音を立てて柔らかな右胸を吸い続ける。まだ子を産んだこともないのに、いつの間にか体の中で凝った熱が、レオンに吸い取られるような気がした。
「レオン、様……。あっ……。いけません。もっと、優しく……」
「お前の体はそう言っていないようだが?」
くちゅくちゅと乳房をしゃぶる湿った音がクリスの耳に届く。塞いでしまいたいのに手を縛られているので塞げない。羞恥心を煽る卑猥な拷問に耐えきれず、クリスは涙を流しながら再び身を捩らせた。
「んっ……あっ……んんっ……」
乳房を弄っていたレオンの左手が、腹から腿へ、腿からその間へと滑り込む。
「あっ」
クリスは大きな目を更に大きく見開き、反射的に背を仰け反らせた。下着越しに女の部分に触れられ、いやいやと首を横に振ってしまう。
「お、お許しを……。お許しを……」
しかしアルコールと劣情に酔ったレオンが、哀願で手を止めるはずもない。指先で器用に下着を外し、無防備なクリスのそこを指で責め始めた。
「あんっ……」
ストロベリーブロンドの淡い茂みを掻き分け、二本の長い指が花芽に触れる。
「やんっ……」
ところが、動きは先ほどとは打って変わって優しかった。指先でトントンとリズムを付けて、軽く小突かれ撫でられる。
周囲をなぞられるごとに、下腹部に熱が溜まっていく。円を描くように愛撫されると、凝った熱が蜜となって、じわじわと体の奥から滲み出てきた。
「んっ……」
首を小さく横に振って快感を逃そうとする。優しい動きは怖くはなかったが、焦れったさを感じて、いっそ早く事を進めてほしくなった。
「もう濡れているな」
不意にレオンが指を引き抜き、ぬらぬら光る二本の指をクリスに見せ付ける。
「嫌だ、嫌だという割には随分感じているようだが?」
「……っ」
淫らな女である証を突き付けられ、クリスは目をかたく閉じたのだが、レオンには好都合でしかなかったらしい。
「そうだ、クリスティーナ……クリス、お前はそのままおとなしく俺に抱かれていればいい」
蜜口にかたい指先が押し当てられる。華奢な肩が処女地の扉を開けられる恐れに強ばった。
意外なことに、指を入れられても、すでに潤っていたからか、痛みはほとんどなかった。
レオンはクリスの柔らかさ、温かさを確かめているのか、ゆっくり指を進めていく。
「んんっ……」
途中、指を手前に曲げられ、中を掻かれる感触に、あられもない声を上げてしまった。
「ひゃっ……あっ……なっ……」
「……なんだ? 随分きついな」
感触が意外だったのか、レオンは肩をピクリと動かしたが、それでもクリスの中を弄り続ける。
クリスは違う箇所に触れられるたびに、細い体を大きく震わせていたのだが、やがて最も弱い部分を探り当てられ、小さく叫んで全身を大きく引きつらせた。
「そうか、ここか」
「あ、あ、あ、レオン様……」
「止めろと言われても止めないぞ」
「……」
クリスも自分が何を訴えたいのかがわからなかった。止めてほしいのか、続けてほしいのか、もっと責めてほしいのか——
レオンはクリスのそこを指先で突き、掻き、時にはぐっと押してクリスを翻弄した。
「あっ……やっ……んっ……あんっ」
熱を持った腰が切なげに揺れる。手首に食い込むロープも、焦れったくはあるが痛みはもう気にならない。
レオンはクリスの中を苛みつつ、その目尻に浮かんだ涙を舐め取った。
漆黒の双眸にもう怒りはない。代わって劣情と恋情が入り乱れ、端整な美貌から冷ややかさを消し去っていた。
だが、クリスは官能の波に呑み込まれ、レオンの表情を確認することはできなかった。
クリスが息が切らすのと同時に、長い指がずるりと中から引き抜かれる。レオンは絡み付いた蜜を舐め取ると、ガウンを脱ぎ捨てクリスに覆い被さった。
わずかに開いた足を更に広げ、自分の腰をぐいと割り込ませる。
「あっ……」
いよいよ純潔が失われるのだと察し、クリスは束の間正気を取り戻した。
初めて目にするレオンの体は、息を呑むほど均整が取れていた。すらりとしていると思い込んでいたのだが、濃い色の服で着痩せしていただけらしく、肩はしっかりとしており上腕の筋肉も頼もしい。鍛え抜かれた胸板は厚く腹は引き締まっていた。戦場で敵兵にやられた傷跡がいくつかあったが、それすら肉体美を引き立てるものでしかない。
黒い瞳は欲望でギラギラ光っており、クリスは狼に屠られる兎の心境になった。
「れ、レオン様……」
手が自由であれば逞しい背に縋り付くこともできただろう。だが、縛られていてはどうにもならない。ロープを解いてくれないだろうか——そう頼もうとした次の瞬間、レオンの灼熱の分身が蜜口に押し当てられた。
「あっ……」
目を見開いて背を仰け反らせる。
指とは比べものにならない質量と圧迫感に、肺の空気を押し出される気がした。
「あっ……あっ……」
かたい先端に隘路を押し広げられ、痛みに悲鳴を上げかけたのだが、レオンに唇を奪われ何もできなくなる。
「……っ」
前戯では気持ちよくすらあったのに、いよいよ純潔を失うとなると、思い人が相手でもこうも辛いのだろうか。呼吸も奪われて更に苦しくてならない。
すると、クリスの息苦しさを感じ取ったのか、不意にレオンが唇を離した。ほっとした次の瞬間、太くかたい肉の楔が、一気に最奥に突き入れられる。
「……っ。ああっ。あっ……」
内側から引き裂かれるような痛みを、クリスは首を大きく横に振って耐えるしかなかった。
「い、いたっ……。痛いっ……」
一方、レオンは「馬鹿な」と呟き呆然としている。
「お前は清い身のままだったのか……」
だが、すぐに漆黒の双眸に歓喜が宿り、「そうか、そうだったのか」と、低い声に堪えきれない劣情が入り交じった。
「クリス、感じるか。これで、お前は俺のものだ。……俺だけのものだ」
熱に浮かされた低い声が、処女を喪失した事実を改めて伝える。
衝撃に白い頬に涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
「レ、オン様……無理……もう、無理ですぅ……もう入りません……」
「何を言っている。お前の体は俺を求めて、こんなにも貪欲に呑み込んでいるぞ」
レオンは肩で大きく息をしていたが、やがて動きを止めクリスの髪を撫でた。
「クリス、痛いか」
クリスは涙目でこくこくと頷く。
入れられただけで痛く苦しいのに、この上教本通りに動かれると、体が引き裂かれるのではないかと不安だった。
「うえっ……」
透明の滴が再び頬を伝う。手で涙を拭いたいのにそれもできない。
「泣くな」
レオンが頬を寄せて涙を吸い取った。頬だけではなく、目元に、鼻先に、顎に、最後に唇に再び口付ける。
「初めてだから痛いだろうが、先ほど十分に慣らしたから、徐々によくなってくる」

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