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試し読み
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体の中でアデルバートの指がうごめき、何かを探すように内側をいじられる。
「……あっ」
どこかに触れられた瞬間、何ともいえない心地よさが湧き上がって、オルガは思わず声を上げた。
もう一度そこに触れられ、そっともむようにされると、明らかな快感が広がって陶然となった。
恥丘の下部で感じるのとは違う、もっともどかしくて深い快感。
「ああ……ん」
とろけるような声が漏れた。
撫でられ、押さえられ、もみこまれて、たちまち熟したそこは熱く脈打ち、オルガを至福の境地へといざなう。
「ここがいいのか」
「あぁ……はい……気持ちいい……です」
そこを中心にじっくり愛撫され、身も心もとろとろになった。うっとりするほど気持ちいいのに、どこか物足りなくて、知らずしらずのうちに腰を揺らめかせてしまう。指の動きを追って腰を押しつけるようにすると、重だるい心地よさがこみあげて、体の中が波打つような感じがした。
「あふっ!」
突然恥丘に生々しい感触を覚えて、びくりとする。見ると自分の股間に、アデルバートの金色の頭が覆いかぶさっていた。
――ええっ!?
顔を寄せて――舐められているのだ。
――やっ! 嘘……っ!
恥ずかしいと思う間もなく、やわらかくて熱いものにからめとられて、初めて感じる鮮烈な快感にさらわれた。
茂みをかきわけるように舌を這わされ、唇を押しつけて吸われ、広げた舌でなめられる。唇で挟んでもみこまれ、とがらせた舌先で恥丘の下部を探られる。
「はあぅっ!」
そこに触れられた瞬間、オルガは悲鳴を上げて体をのけぞらせた。
鋭い痛みに貫かれたのだ。
いや、痛みではなく、痛いほどの快感だった。
恥丘を愛撫されるときにいちばん感じるところで、今まで一度も直接触れられたことのない場所だった。
「やっ! 嫌っ! あっ……あ!」
強すぎて苦しい。
そこにすべての血液が集まり、腫れて今にもはち切れそうだ。
「あっ……駄目っ! そこ……痛……っ!」
アデルバートの髪をつかんで必死に訴えると、舌がそこから離れ、そのすぐ近くをそっとつつかれた。
「ん……はぁ……ん……」
今度はまろやかな快感がじんわりと広がり、頭がぼうっとしてしまう。
「あ……そこ……」
ついねだるように言ってしまったことに、自分で気づかない。
感じすぎる中心を避けて、その周囲をやさしく舌で愛撫された。とがらせた舌先で、つつかれ、なぞられ、くすぐるように小刻みに刺激されたかと思うと、広げた舌でじわじわと舐められる。
その一方で、中の感じる部分を指でやわらかくこねられ、撫でられ、そっと押されては、ゆるゆるともみこまれる。
「……あ……あ……いい……すごくいい……あぁ……もっと……」
外側のはっきりした快感と、内側の深い愉悦が絡まりあって、この世のものとは思えない気持ちよさだった。
舌と指の動きが次第に速く、大胆になり、それにつれてオルガの反応も変化していく。
「はぁっ……はぁっ……はっ……はうっ……あ、あぅ……っ」
下腹部が熱く燃え、恥丘も股間もどろどろに溶かされた。煮えたぎる快感が体の中で渦を巻き、出口を求めて暴れ回る。
「あぁっ! あぁっ!」
前兆の震えが断続的に噴き出し、頭の芯が引き絞られて、眩暈がした。
舌の感触も、指の動きも、もはや溶けあって境界を失っている。
全身をこねられ、揺さぶられて、めざすのははるかな高み。
「あーッ! ああ――――ッ!!」
ばらばらに弾け飛び、宙を舞った。
余韻に浸る間もなく、両足を抱え上げられてアデルバートの肩にかけられ、達したばかりの中心に熱い塊を押しあてられる。
熟れきったそこは抗うことなくアデルバートを受けとめ、口をひくつかせてみずから呑みこもうと喘いだ。
じわじわと入口を引き伸ばされ、少しずつ、少しずつ、アデルバートの熱が体の中に入ってくる。
「んん……っ、はあっ」
内壁をこすられる、少し不安で、癖になりそうな快感。
アデルバートを受け入れる、その喜び。
耳を打つ荒い息遣いは二人のもので、触れあったところから伝わってくる体の熱が心地よい。
最奥まで押しこまれると、一つになれたという実感が湧き上がって、心が震えた。
オルガの両脇に手をついて、アデルバートがゆっくり腰を動かしはじめる。
「んっ……あっ……んっ……」
突かれるたびに甘い声が漏れ、自分でそれを聞いてますます高ぶった。
アデルバートが覆いかぶさってきて、情熱的に唇をむさぼられる。足が胸につくまで体を折り曲げられて、少し苦しい。それがまた気持ちいい。
オルガは両手を伸ばし、アデルバートの首にしがみついた。
「んっ……んう……っ」
熱いキスをしながら、激しく腰を突き立てられる。
奥を突かれると頭の芯に甘く響き、少し引き抜かれると、先ほど指でいじられていたところが艶めかしく疼いた。
「……はぁっ……はぁっ……オルガ……っ」
「あぁ……アデルバート、様……」
唇を離し、互いの名を呼ぶ。
快感に濡れたアデルバートの瞳は、緑色に黄金が散ったようで、ことさら美しい。
「あうッ!」
強く腰を打ちつけられると、息が詰まって目の前に火花が散った。
その火花が燃え移ったように、快感の炎がたちまち燃え広がり、火の海となって体の中で荒れ狂う。
「ああッ! ああッ! あーッ!」
立て続けに押し寄せる波に翻弄され、オルガはアデルバートに抱きついたまま、首をのけぞらせて声を上げた。
気持ちよすぎて、苦しい。苦しすぎて、気持ちいい。 -
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