書籍紹介
狼大公は偽物花嫁を逃がさない
狼大公は偽物花嫁を逃がさない
ISBN:978-4-596-01626-3
ページ:290
発売日:2021年10月15日
定価:本体640円+税
  • あらすじ

    愛しくて、欲しくて、爆発しそうだ
    期間限定の身代わり花嫁なのに、皇子に溺愛されて!?

    失踪した王女の身代わりとして、皇子ジェラルドと結婚させられた下女のルイーゼ。彼が初恋の相手だったのは嬉しいけど、王女のふりをしたまま彼に抱かれるなんて…。「恥ずかしがり屋なのに体はこんなに淫らだ」蕩けるほど愛されて、駄目だとわかっていても幸せを感じてしまう。なぜならこの結婚は王女が見つかるまでのかりそめのものでーー!?

  • キャラクター紹介
    • ルイーゼ
      出自不明の下女。下女のわりに気品がある、というだけで王女に仕立てられ!?

    • ジェラルド
      マゼラン帝国の皇子。初恋の女の子・ルイーゼを今も想っている。

  • 試し読み

    「もうヌルヌルじゃないか。敏感な体をしているんだな」
     耳もとでジェラルドに囁かれ、ルイーゼはさらに顔を熱くした。さっき感じたぬるりとした感触は、自分から染み出た淫らな液だったのだと気づく。
    (嫌、言わないで)
     恥ずかしくてたまらず顔を俯かせると、耳にキスをされながら言われた。
    「顔を上げろ。今宵くらいは俯かないでくれ」
     ルイーゼはハッとした。今まで正体がバレることを危惧して顔を俯かせ続けてきた。仕方のないことだったがそれが彼によくない心証を抱かせていたのは確かだ。
     今夜はもう瞳の色まで見られてしまった。こうなったらすべて包み隠さず見てもらいたいという気持ちが湧いてくる。
    (このあと私の運命がどうなるかわからない。でも今だけは……今だけはありのままの私でいることをお許しください、神様)
     身代わり花嫁が成功した暁には一生分のパンを褒美にもらおうと考えていた。けれどもうパンはいらない。その代わり一夜だけでもありのままジェラルドに抱かれることが、最大の報酬だ。
     顔を上げるとルイーゼは彼の方を振り向いて自分から唇を重ねた。ジェラルドは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに官能的な表情を浮かべると貪るようにルイーゼの口腔をねぶった。
    「ん、ん……っ、ん」
     キスをしながらジェラルドの指が秘裂をまさぐる。粘液の溢れる媚肉の間を擦っていた指は、上部に硬い感触を見つけそこを指の腹で転がす。
    「……っ!」
     ルイーゼの体に電流が走った。今までの刺激の比ではない。全身に鳥肌が立ったみたいで、乳頭までがキュッと勃ち上がった。
    「ここか。こうするとどうだ」
     ルイーゼの表情を見て察したのか、ジェラルドは秘裂に隠れた突起を集中的に弄る。
     小さく円を描くように指の腹で撫でられるとビリビリとした痺れと甘い疼きが同時に湧き上がり、小刻みに突っつかれると小水を漏らしそうな刺激に襲われた。
    (体がどんどん熱くなって疼いておかしくなりそう。これが快感っていうものなの?)
     ルイーゼが下女をしていたとき、他の下働きたちが猥談をしていたのを何度も小耳に挟んだ。昨夜寝た男がうまかっただの、気持ちよくて天国に行っただの、その頃のルイーゼにはまったく理解できない話を彼女たちは得意げに喋っていた。
     けれど今ならば理解できる気がする。秘所の突起を弄られ、さらに乳頭を摘ままれながら口腔をねぶられると、頭がぼーっとして体が溶けそうになって天国へ行ってしまいそうだ。
    (ああ、ジェリー。私、あなたに天国に行かされそう。はしたないのに、恥ずかしいのに、それがとっても気持ちいいの)
     自分を快感に昇り詰めさせようとしているのがジェラルドの指と舌だと思うと、ますます体が昂ってくる。
    「いい表情だ。俺も興奮する」
     そう言ってジェラルドは淫芽と乳頭を同時に強く摘まんだ。その瞬間ルイーゼの中で快感が割れたシャボン玉のように派手に弾ける。
    「――っ!!」
     全身がビクンと跳ねて、湯が大きく揺れた。一瞬、体中の神経が剝き出しになったのかと思うほど体の隅々まで甘く痺れ、ルイーゼは呼吸をすることさえ忘れた。
     ジェラルドは指を離してくれたが、いつまでも太腿がビクビクと痙攣している。ようやく呼吸できたときには息が乱れ、全力で走ったあとのように体が疲れていた。
    「ハァ……ハァ……」
     脱力してジェラルドの胸に凭れかかる。彼の胸板は広く、筋肉の厚みが心地いい。
     そのとき、凭れかかって密着した体に違和感を覚えた。腰のあたりに異物を感じる。
     何か物でも落としただろうかと思ったルイーゼは、何気なく手を背後に回してそれをまさぐった。
    「うっ……! ま、待て」
    (え?)
     ジェラルドが素っ頓狂な声をあげたのと、ルイーゼが弾力のある異物を握ったのは同時だった。
     振り返り、彼の顔が引きつっているのを見てルイーゼは理解する。そして次の瞬間「きゃあっ!」と声なき悲鳴を上げると水しぶきを上げてバスタブから逃げ出そうとした。
    「ちょっと待て!」
     立ち上がってバスタブを跨ごうとしたルイーゼを、ジェラルドが手を摑んで慌てて止める。
    「何故逃げる。逃げなくてもいいだろう、今はそういう時間だ」
     確かに今はふたりとも裸で触れ合っているのだからおかしくはないが、ルイーゼにしてみれば彼のそれを握ってしまったのは完全な想定外だ。握ったときの感触と先ほど見てしまった彼の局部が頭の中を駆け巡り、羞恥で気を失いそうになる。
    (ごめんなさい、ごめんなさい。わざとじゃないの。本当よ、信じて)
     夢中で口を動かした謝罪は、ジェラルドにも幾らか伝わったようだ。
    「気にするな。故意だろうとそうじゃなかろうとどちらでもいい。それより今ここで逃げられる方が由々しき問題だ」
     そう言うとジェラルドは立ち上がり、バスタブの縁に座った。ルイーゼはまたしても彼のそれを見てしまう。しかも今は先ほどと違って隆起していた。竿が太く膨張し、重力に逆らって上を向いている。
     男性器が興奮したときに大きくなることは知っていたが、見たのは当然初めてだ。驚きと恥ずかしさだけでも頭がいっぱいいっぱいなのに、彼のすべてを知れたような嬉しさも胸の奥にあってルイーゼはますます混乱する。
     咄嗟に顔を背けたが、摑んでいた手を引かれて向かい合わせにさせられてしまった。
    「見ての通り俺も昂っている。このままあなたを抱きたいが……いいか?」
     尋ねられてルイーゼは一瞬戸惑ったが、拒否する選択肢はなかった。今夜は初夜なのだ、ここまできて抱かれるのを拒むわけにもいかない。
     それに何より、ルイーゼは抱かれたかった。最初は色々あったが、今夜のジェラルドは優しい。今までで一番心が通じ合っている気がする。このまま彼の熱に包まれ、もっと心を近づけたいと望んでしまう。
     ルイーゼがコクリと頷くと、ジェラルドはどこか喜びを湛えたように微笑んだ。大人になってから初めて見た彼のその表情は少年の頃の笑顔とよく似ていて、ルイーゼの胸を甘くときめかせた。
    「おいで」
     優しい声で言って、ジェラルドが両腕を伸ばす。誘われるようにルイーゼも腕を伸ばし彼に近づくと、大切そうに抱きしめられた。互いの素肌が触れ合う感覚は温かく、心が感激で痺れそうになる。
     ジェラルドはルイーゼの体を導き、バスタブの縁に座っている自分の下肢を跨がらせた。彼の腿に体重が乗る姿勢になって重くはないかとルイーゼは心配したが、何も問題はないようだ。
     腿を跨いだ姿勢では当然ジェラルドの雄芯が秘所にあたる。割れ目に陰茎の先を押しあてられた感触にルイーゼはなんともいえない疼きと羞恥を覚える。
    「このまま、ゆっくり腰を下ろすんだ」
     そう言ってジェラルドの手がルイーゼのお尻を促すように撫でた。ドキドキしながら言われた通りに腰を下ろしていくと、ぬめる感触と共に彼の先端が媚肉を割ってゆっくり進入してきた。
    「ぅ……」
     入口に少し挿っただけで大きな違和感と圧迫感を覚える。恐怖を感じルイーゼが竦んでしまうと、ジェラルドがグッと背を抱き寄せ唇を重ねてきた。
    「大丈夫だ、怖くない」
     囁きながら、彼の舌が甘くルイーゼの舌をねぶる。それは夜だけの魔法のように心に響いて、恐怖心を和らげてくれた。
    (あ……、あっ、大きい……。体の中が広げられてるみたい)
     うぶな蜜口がいきり立った雄芯を吞み込んでいく。圧迫感はやがて痛みに変わりルイーゼが再び躊躇すると、背と腰をしっかり抱きしめたジェラルドが腰を突き上げてきた。
    「――っ!!」
     自分の中で何かが破れたような気がする。ズキズキとした疼痛に涙が浮かび歯を食いしばって耐えていると、ジェラルドがチュッと軽いキスをして頭を撫でてくれた。
    「よく耐えたな。いい子だ」
     これが破瓜なのかと納得すると共に、ルイーゼは感動で胸が震える。
     初恋で最愛のジェラルドに純潔を捧げられた喜び。今この世で一番彼の近くにいるのは自分なのだという幸福が、あとからあとから胸に溢れてくる。
     涙を零して微笑んだルイーゼを見て、ジェラルドは頰を染めると貪るようなキスをしてきた。背を硬く抱きしめながら、もう片方の手で何度もルイーゼの頭を撫でる。
    (ああ、ジェリー)
     ジェラルドの心はわからない。この結婚も初夜も彼にとってはただの義務でしかないのかもしれない。けれど今この瞬間だけは、彼も喜びを感じていると思った。
     強く自分を求めてくれていることを感じて、ルイーゼはますますの嬉しさと共に恋の切なさも抱く。
    (好き。好きよ、ジェリー)
     ルイーゼも彼の背に腕を回し、夢中で口づけを交わし合った。こうしていると破瓜の痛みが和らいでいく気がする。
     やがてジェラルドがゆっくりと腰を揺り動かしだした。傷口を擦られるような痛みに一瞬顔をしかめたルイーゼだったが、彼の手が胸の頂を捏ねると痛みは中和された。
     愛液か出血かはわからないが、蜜道はぬめっていてつっかかりは感じられない。口づけをし胸を手で愛撫されているうちに、ルイーゼの膣内は疼きと悦楽を覚えるようになってきた。
    「……っ、……っ」
     ジェラルドの動きに合わせて呼吸が乱れる。痛みが霞めば霞むほど、彼の雄が自分の中にあるのだという実感が湧いて疼きが強くなった。彼の背を強く抱きしめると同時に、蜜口もギュッと締めつけてしまう。
    「狭くて熱いんだな、あなたの中は。すまないが少し激しくさせてもらう」
     その言葉を合図に、ジェラルドは抽挿を激しくした。肉壁を擦られる刺激はルイーゼに新たな快感を植えつける。
    (あっ、あっ……! 何……? さっきとは違う感じが、体の奥からせり上がってくるみたい……)
     全身が燃えるように熱い。体中がどこも敏感になってしまったみたいで、尻肉を摑むジェラルドの手にも快感を覚えてしまった。
    (ああ、ああっ、ジェリー!)
     快感の海に溺れそうになり、ルイーゼは必死に彼にしがみつく。そのとき、耳もとで彼が確かに囁いた気がした。「ルー……」と。

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