書籍紹介
猫かぶり王子の囲い込み大作戦~過剰な溺愛は遠慮します~
猫かぶり王子の囲い込み大作戦~過剰な溺愛は遠慮します~
ISBN:978-4-596-59122-7
ページ:290
発売日:2020年2月17日
定価:本体640円+税

イラストちら見せ!

  • あらすじ

    超ハイスペック幼馴染みの病的(!?)一途なラブモーション♥

    「逃げられるとでも思っているのかな?」26年間、恋人がいなかったあかりはイケメン&ハイスペックな幼馴染みの昴に捕まってしまった! 距離を置こうとしても、すぐに追いかけてきてお仕置き宣言!? 奪われるような口づけにとろけるような甘いエッチ。あかりを中心に世界が回る昴の濃厚な愛はますますエスカレートしていって……!?(ヴァニラ文庫ミエル)

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL222

       

      椎名あかり(しいな あかり)
      明るく前向きな頼れる性格で、幼い頃から昴の面倒を見てきた。

    • hero_VBL222

       

      三宮 昴(さんのみや すばる)
      あかりのイケメンな幼馴染み。子どもの頃からあかりに執着している。

  • 試し読み

    「──っ!」

    胸の先を熱く濡れた粘膜に覆われる感覚に、あかりは息を吞む。肉厚の舌がねっとりと乳首に絡みついて、扱くようにしゃぶられる。ビリビリとした快感が走り、全身に甘い痺れを伝えた。

    「はぁっ、あっ……!」

    自分のものとは思えないほど、甘ったるい鼻声が漏れる。それを恥ずかしいと思う暇もなく乳首を弄られて、あかりの思考が気怠く霞んでいった。酩酊している感覚にも似たその状態に、けれどあかりは抗わず身を委ねる。未知の快楽だけど、それを与えてくれるのが昴だから、怖くはなかった。

    「ぁあっ!」

    舐め転がされて完全に立ち上がっているだろう尖りを強く吸い上げられ、強い快感に大きな嬌声を上げると、乳首から口を離した昴がハアッと悩ましげな吐息を吐く。

    「ヤバイ、なにそのかわいい声。腰に来る……」

    腰に負担がかかるような大声だっただろうか、と焦るあかりに、昴は嚙みつくようなキスをしてきた。

    「んっ、む、ん……」

    箍が外れているのか、キスの仕方が先ほどよりも荒々しい。口腔内を乱暴に舐りつくし、思い切りあかりの舌を吸って唾液を啜ると、満足したのかパッと唇を解放された。

    酸欠になりかけていたあかりは、ぼんやりと昴を見上げる。

    こちらを眺め下ろす昴は、うっすらと額に汗をかき、鋭い眼光でこちらを凝視したまま、両手で髪をかき上げた。腕を曲げたことで肩と上腕の筋肉が盛り上がり、ゴツゴツとした男の身体が強調される。

    その壮絶な男の色気に、あかりは目が釘付けになってしまった。

    「あかり、全部見せて」

    ハ、と荒く短い呼気と共に吐き出して、昴があかりの両膝を摑む。

    えっ、と思う隙もなく、それをパカリと割り開かれて、あかりは悲鳴を上げた。

    「キャアッ! や、やだ、すばちゃん!」

    両脚を開かれれば、当然ながら脚の付け根が丸見えになる。これまで誰にも見せたことのない──それどころか、自分でもあまり見たことのない場所を昴に晒しているかと思うと、脳味噌が沸騰しそうだ。

    脚を閉じようと懸命に力を籠めるが、それを抑え込む昴の手の力には到底適わない。大きな手は微動だにせず、食い入るような視線をそこに浴びることになった。

    「……かわいい……」

    ポツリと漏らされた感想に、余計に羞恥が煽られる。

    「かっ、かわいくなんかあるわけないでしょ!」

    こう言ってはなんだが、女性器はグロテスクな形をしていると思う。無論男性器にしてみてもそうなのだが、生々しいというか、内臓っぽいというか……。自分のそこをまじまじと観察したことはないし、他の人のと比較したこともないから分からないが、自分のものだけ特別なわけがないので、多分自分のものもグロテスクだろう。

    あかりの否定に、昴はどこか現実味のない調子で答える。

    「いや、かわいいよ。ピンク色で、柔らかそうで……」

    (実況中継はやめてー!)

    頭を掻きむしりたい衝動に駆られながら、あかりは堪らず両手で顔を覆う。兄妹同然に育ってきた昴に……と思うと、恥ずかしさで死にたくなる。殺してくれ……!

    イヤ分かっている。恋人同士なのだから当然の行為だし、この程度で恥ずかしがっていてはなにも進まないのだろうと分かっているのだが、それでも自分の中の幼馴染みの部分が、羞恥心に身悶えしてしまうのだ。

    その次の瞬間、とんでもない場所にとんでもない感触がして、飛び上がるくらいビックリして上半身を擡げた。

    ヌトリ、と熱い濡れたものが、その秘めた場所を這ったのだ。

    「ぎゃ……! ちょ、やめて、昴ッ!」

    色気もそっけもない声が出たが、それどころではない。

    もがこうとするが、昴の腕に両膝を抱え込まれていて、身動きが取れなかった。柔道かレスリングの技をかけられている気分になってしまう。

    (なんだこれ、拘束具じゃん!)

    人間拘束具・三宮昴。アメコミヒーローよりも人間味が低下した。

    「昴っ、やだ、汚いからっ!」

    腕を伸ばして昴の頭を押しやろうとするけれど、こちらも微動だにしない。どんな首の鍛え方をしたらこんな岩みたいな首になるのだ。

    「ヒァっ!」

    あかりの抵抗などないもののようにして、昴は好き勝手に舌を動かす。閉じていた花弁の間に尖らせた舌を這わせ、スリットに沿うように舐めあげた。

    昴の唾液で潤いを増した粘膜は、ぎこちないながらも緩くその花びらを開いていく。

    笑ったのか、ため息なのか、昴がフウと吐息し、そこに生暖かい息がかかった。

    未知の感触にあかりの四肢がビクリと緊張すると、蜜口がギュッと閉じる。それを宥めるように、また舌がチロチロと這った。

    気持ちいいのか、悪いのか、それすらも分からない。

    あかりはただひたすらにこの時間が過ぎるのを耐えているつもりだったが、何故か身体の芯がジクジクと疼くのを感じていた。むず痒いような、腫れぼったいその感じのせいで、身の置き所がない。落ち着かない感覚に、自然ともじもじと腰が揺れた。

    昴の舌が、膣の浅い場所ににゅるりと入り込む。

    「んぁっ……」

    柔らかな舌とはいえ、未だなんの侵入も許したことのない隘路に異物が入り込んだのだ。言い表しがたい感触に、あかりの身体が強張った。

    その動きで昴はすぐに舌を引く。

    ホッとしたのも束の間、昴が蜜口の上に乗る陰核へと舌を伸ばしたことで、あかりはまた身体をビクリと震わせることになった。

    「あっ⁉」

    包皮の上から捏ねるように舌先で弄られ、強烈な快感が電気のように四肢に走る。それまでの曖昧な快感とは違い、そこへの刺激はハッキリと愉悦だった。

    「やっ、あ、すば……あぁっ、そこ、ダメッ……ん、ぁ、ああッ……!」

    甲高い嬌声を上げながら身を捩っていると、その反応がお気に召したのか、昴の愛撫が執拗になっていく。上下左右に蹂躙されていたかと思うと、甘く歯を当てられる。硬い歯の感触にゾクゾクッと切羽詰まった欲求が背筋を駆け上った。それは甘い毒のようにあかりの身体を侵していく。昴の与えてくれる快感が欲しかった。

    もっともっと、強く、甘い快楽を──

    昴の頭を退かそうとしていた手は、いつの間にか彼の柔らかな髪をクシャクシャにかき乱し、自分へ引き寄せるように摑んでいた。

    「あ、ァアッ……すばちゃん、……昴……!」

    陰核への刺激に夢中になっていると、ツプリと蜜口に指を入れられる。知らない内にそこはトロトロになって愛蜜を溢れさせている。ヌルついた蜜は、昴の太い指をすんなりと受け入れてしまった。

    「んっ……!」

    異物感に眉を寄せたのは一瞬で、昴がぷっくりと膨らんだ陰核をチュウッと吸い上げたことで、意識がそちらに移る。温かい口の粘膜に包まれて、固い歯を当てられた。充血し切って包皮から顔を出した陰核は、その二つを鋭敏に捉えてあかりに伝える。安堵と恐怖をいっぺんに与えられたかのような感覚に、身体中の皮膚がざわりと粟立った。

    昴が歯の隙間から舌を出して、震える陰核をなおもチロチロと弄る。

    快感が膨れ上がったが、動けば歯が食い込む恐怖に、あかりは息を吞んで耐えた。

    その刹那、昴が陰核に宛てた歯をやんわりと沈ませる。

    「ヒァアンッ!」

    境目のない痛みと快感に、あかりは大声で啼いた。

    あまりに強烈な快楽だった。

    身体の中心にある脊柱をぞうきんのように絞られる──余計なものを絞り出して、残った自分の核を、昴に握られている、そんな感覚だった。

    パチパチと身体に纏わりつく残り火のような愉悦の名残に、くったりと身を投げ出していると、股の間に顔を埋めていた昴が身体を起こした。濡れた口元を手の甲でグイと拭いながら、こちらを観察するように伺ってくる。

    「……イッた?」

    訊ねられても、あかりとしては返事のしようがない。あかりとて人間なので、自慰をしたことがないわけではない。だがこれほどまでの愉悦を自分で引き出すことはできなかったし、自分で弄っている時には、気持ちいいなという程度の淡い感覚でしかなかったから、絶頂がどんなものか知らないのだ。

    故にぼんやりと昴の美しい顔を見返していた。こちとら翻弄されてグッタグタのありさまだというのに、腹の立つことに美形はこんな時も美形である。

    あかりのぼんやりとした様子に、昴は「うーん」と困ったように首を傾げた。

    「……ナカ、きゅうきゅううねって締まってたから、イッたかと思ったけど……なかなか難しいな。ごめんな、あかり。初心者だし許してくれ。技巧や技術は、まぁおいおい身に着けていくから」

    これから頑張るな、と意気込まれ、なんだかうっすらと寒気がしたのは気のせいだろうか。

    身の危険を感じていると、クチュ、と粘着質な水音がして、自分の脚の間で何かが蠢いた。先ほど入れられた昴の指が膣内に入ったままだった。

    「でも、濡れてるからかな、ナカ、柔らかくなって動かしやすくなった」

    独り言なのか、そんなことを呟いて、昴は指をくい、と曲げてみせる。

    「んっ……」

    膣内をかき回すような動きにクッと息を詰めたものの、先ほどのように、異物を受け入れたという違和感だけではないものを、昴の指に感じた。とても曖昧で、表現しようとすればすぐに消えてしまうようなひどく儚い感覚だ。

    その正体を知りたくて、あかりは手を伸ばして昴の腕を摑んだ。

    「あかり……?」

    不思議そうな昴の顔を見上げる。頰が火照っているのが熱さで分かった。生理的な涙が浮かんでいるのか、昴の端整な顔がぼやけて見える。

    自分を見返す昴の頰が、うっすらと色づいたような気がした。

    「……すば……る、もっと……」

    強請った声は、自分の声とは思えないほど、甘ったるい。けれどそれを恥ずかしいと思うには、あかりの思考は快楽に酩酊しすぎていた。

    昴が魅入られたようにあかりの顔を凝視して、ゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込む。太い首に浮いた喉仏が上下するのを、あかりはなんとなく眺めていた。

    「あかり!」

    昴が叫ぶように名を呼んで、ガバリと覆い被さってくる。

    もう何度目か分からないキスをされ、抵抗せずに口を開いて迎え入れた。昴の動きを真似して舌を動かしていると、先ほどまで指が入っていた場所に、ヒタリと何か熱いものを宛がわれるのを感じる。

    それがなんであるか分からないほど、初心ではない。あかりとて現代社会に生きる二十六歳の成人女子である。処女とはいえ、これまでの知識から、今自分に押し当てられていて、しかもナカに押し込まれようとしているモノが、昴の昴くんであることは想像に難くない。

    「んぅっ……!」

    あかねはザアッと蒼褪める。昴くんが出てきてコンニチハ、で、さあ大変だ。

    焦って渾身の力で身動ぎをした。

    (ソレを入れるのは知っている。知っているが、今一度、深呼吸をするところから始めてほしい……!)

    なにしろ、先ほど見た昴の昴くんの長大さは、正直言ってとんでもなかった。いや比較対象がないからなんともだけれど、とりあえずアレが自分のソコにまともに入るとは到底思えない。無理だ。鼻からスイカというやつである。危険。ダメ、絶対。

    そう思ってジタバタと脚を動かしていると、昴の両手が膝裏を抱えてピタリとその動きを封じてしまった。

    (出た! 人間拘束具‼)

    このままではあの巨大な昴くんの侵入を許して、救急車で運ばれることになる。そんな恥ずかしい真似は死んでもごめんである。

    「んう、むううう、ん〜〜〜〜‼」

    昴の舌に絡め取られながらも、なんとか声を出して意思を伝える。

    すると昴は舌を引き抜き、最後にあかりの唇をペロリと舐めた後、コツンと額と額を合わせてきた。昴は目を閉じていて、長いまつ毛が頰に影を落としているのが見える。

    「すばちゃ……」

    「シッ……」

    あかりの言葉を囁き声で制して、昴がゆっくりと瞼を開けた。

    飴色の瞳が、真摯な色を湛えてこちらを見つめている。

    「大切に、大切に、抱く。……だから、あかりを俺にちょうだい」

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