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あらすじ
CEOはもう、紳士ではいられない!?
「おまえしか愛せない。もう一度付き合ってくれ」再会した元カレから熱烈なプロポーズ!? CEOになった祐輔が一緒に住む部屋まで用意して、ずっとわたしを捜してくれていたなんて。抱えてきた恋心が疼いてキスだけで体が熱くなる…このまま奥まで拓かれてしまいそう。祐輔は執着をあらわにしてくるけど、以前のように二人を阻むものが…!?(ヴァニラ文庫ミエル)
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試し読み
「おまえが好きで堪らない。——三年分、抱いてもいいか」
切実な声と表情で求められ、鼓動が騒ぐ。今、ふたりの間に必要なのは互いのぬくもりだ。感覚的に理解した香桜里は小さく頷く。
祐輔は承諾を確認すると、香桜里の手を取ってベッドルームへ誘った。灯りを点けてドアを閉めたのを合図に、唇を重ねられる。
「んっ……」
いきなり深く舌が挿し込まれ、ぞくりと身体の奥が疼く。祐輔には余裕がない。自分がそうさせているのかと思うと、喜びが胸に湧き上がる。
くちゅくちゅと唾液を撹拌する舌の動きに翻弄されていると、祐輔はその間にスーツの上着を脱ぎ捨てた。香桜里のブラウスのボタンを外し、ベッドの上に押し倒す。
「悪い、やっとおまえと恋人に戻れたと思うと余裕がない」
「あっ……」
デニムからシャツを引き抜き、すべてのボタンを外されると、飾り気のないブラが彼の眼前にさらされた。恥ずかしくなった香桜里は顔を逸らし、小さな声で訴える。
「シャワーを……浴びさせてください」
「嫌だ。その時間がもったいない。終わったらいくらでも浴びさせてやるから……今は触れさせてくれ。これ以上はもう一秒だって待ちたくない」
懇願するように言われ、どきりと鼓動が跳ねる。祐輔は香桜里が抵抗しないことを察したのか、ふたたび服を脱がせ始めた。デニムパンツを足から引き抜かれて膝を閉じようとすると、彼が身体を滑り込ませてくる。
「この三年、何度もおまえを夢に見た」
自身のベストを脱ぎ捨ててネクタイを外した祐輔が、膝立ちで見下ろしてくる。三年前よりも精悍で大人の色気を漂わせる男に見つめられ、期待感で胎内がぎゅっと締まった。
身体が、彼に抱かれた時を覚えている。音を上げるほどに濃厚な愛撫も、何度も囁かれた愛の言葉も。かつての香桜里は、全身で好きだと語る彼のセックスに溺れていた。
「先に言っておく。今夜は紳士でいられない」
「……いいです。それに、祐輔さんがこういうときに紳士だった記憶、ないです」
若さもあったのか、幾度となく果てても彼は放してくれず、気絶するまで抱かれたことは一度や二度ではない。ひどい抱き方をするわけではなく、とにかくねちっこいのだ。
しかし、香桜里はそれも嫌ではなかった。ただ、翌日に腰が立たなくなっていたから困っただけだ。
「わかった。おまえの了承を得たからもう遠慮しない」
口角を上げた祐輔は、ブラのホックを指で弾いた。フロントホックのため容易く外されてしまい、縛めのなくなった双丘が零れ落ちる。すると、彼が胸の頂きに吸い付いた。
「や、ぁっ……」
乳頭を唇に含み、もう一方を指先で扱かれる。久しぶりに愛撫されたふくらみは、素直な反応を示す。熱い舌先で転がされ、ジンジンと疼き出す。
恥ずかしい、けれど嬉しい。想いを伝えたくて彼の頭を掻き抱くと、応えるように強く吸引された。
「んっ、ぁあっ」
乳首を吸い出すような動きに、香桜里は艶声を上げた。勃起した胸の尖りを舌先で刺激され、もう片方は指の腹でくるくると撫でまわされる。左右に違う快感を得たことで、身体の奥から淫らな滴が溢れ出した。
(わたし、ずっとこの人のぬくもりが欲しかったんだ)
祐輔に触れられたことで、見て見ぬふりをしていた本心を自覚する。
付き合っていたとき、彼の家柄や取り巻く環境を知り、身分が違うと悩んでいた。それでも離れられなかったのは、祐輔を好きだったから。彼と過ごす時間は心地よく、こうして抱き合えば幸福を感じられるからだ。
一度触れてしまえば最後、あとは坂道を転げ落ちるように祐輔に溺れていく。それは、別れる前も今も変わらないと身をもって理解する。
凝った乳嘴を指と舌でいいように弄ばれると、臍の周辺のむず痒さが広がっていく。久しぶりに愛撫を受けて、しだいに呼気が乱れてくる。ずくずくとした疼きに急き立てられるように彼の肩をぎゅっと掴むと、顔を上げた祐輔が自分の唇を舐めた。
「気持ちいいか?」
「そんなこと……聞かないで、ください……」
言わなくてもわかるだろうと目で訴えるも、祐輔は承知のうえで香桜里の言葉を待っていた。
「おまえから、俺を求める言葉が聞きたい」
唾液に濡れた乳首に彼の呼気が吹きかかり、びくりと身体を震わせる。感じていると口に出すのは勇気がいる。だが、祐輔に応えたい気持ちが勝った。
「気持ち……いい、です。もっと、して欲し……」
「おまえのその言葉が聞きたかった」
満足そうに笑った祐輔は、ふたたび乳房に舌を這わせた。慎ましく勃つふたつの尖りを交互に舐めまわし、舌を巻きつかせる。唾液に塗れた乳嘴は空気の揺れにも敏感で、彼が動くたびに快感を拾ってしまう。
「あんっ……や、ぁっ……」
痛みを感じさせない絶妙な加減で歯を立てられ、そうかと思えば指先で捻られる。
祐輔に拓かれた身体は彼に従順だった。胸への刺激だけで愉悦を得た肌は火照りを増し、はしたないほどにショーツを濡らす。
「ゆ、すけ……さん、脱がせ、て……ぇっ」
下着の替えは用意していないのに、このままだと使いものにならないくらい汚してしまう。理性が働き思わず叫ぶと、「まだ余裕なんだな」と祐輔が顔を上げる。
「そんなことを気にする余裕を失くしてやる。脱がせてやるから腰を上げろ」
「んっ……」
彼に従いわずかに腰を上げる。すると、すぐにショーツを足から抜き取られた。その手でブラも肩から外され、全裸にされた香桜里が身体を隠そうとする。しかし祐輔はそれを許さずに、足首を持ったかと思うと大きく左右に開脚させた。
「濡れているな。ビショビショだ」
「や、やだ……っ」
それは真実だったが、感じていると認められるほど性に明け透けではない。なんとかして足を閉じたくて力を入れるが、彼に阻まれて叶わない。
祐輔はじっくりと秘所に視線を据えて、いやらしくひくつく蜜孔を眺めている。それも、ひどく卑猥な眼差しで。
(見られているだけなのに、どうしてわたし……)
蜜口は物欲しげに微動し、快楽を呼び込もうとしている。浅ましい反応に恥じ入り、咄嗟に両手で顔を隠す。けれど、祐輔は見ているだけでは満足しないとばかりに、両足の膝裏を押さえつけた。
次の瞬間、唇が秘裂に押し付けられ、花弁に舌を這わせられた。
「ンッ、いや……ぁああっ」
愛蜜を纏ったそこを舐められて、思わず顔から手を外す。艶めかしい舌の感触に身震いし、腰を逃そうと試みる。彼には何度か舐陰を施されたことはあったが、香桜里はこの行為が苦手だった。感じ過ぎてしまうのだ。
「祐輔、さん……っ、やめて……汚い、から……ぁっ」
甘えた声で叫ぶも、祐輔は留まるどころかさらに攻め立ててくる。蜜孔に舌をねじ込むと、浅い場所をぐいぐいと刺激してきた。やわらかな舌に肉襞が触れる感覚に、シーツを握って身悶える。
「ア、ンッ……だめ、ぇっ」
シャワーを浴びていないのに、彼はまったく気にする素振りを見せなかった。舌で秘孔を攻め立てながらも肉筋の奥に潜む花芽に指を這わせ、ぐりぐりと押し擦ってくる。弱点をしたたかに攻められたことで、内壁はきゅっと窄まり、胎の奥の切なさが募っていく。
恥ずかしい。けれどそれを上回る快楽に、香桜里はどんどん溺れていく。
「あぁっ……ゆう……ンッ、ぁああっ」
彼と別れてから、自分で秘所をいじったことはない。性的な欲求がそれほどないからだ。
しかし、祐輔にひとたび触れられると、意識していなかった欲望を引きずり出される。好きな男に抱かれる悦びを、心も身体も覚えていた。敏感な花蕾を撫でられ、激しい快感が全身を貫く。噴き出た汗で肌は湿り、激しい鼓動を打った胸が激しく上下する。
(あ……もう、わたし……)
ぐんぐんと快感の頂きへと駆け上がっていく。自分の意思ではどうにもできず、香桜里は久々の絶頂感に総毛立った。
「祐、輔ッ……もう、いっちゃう……っ」
香桜里の叫びを合図に、祐輔は蜜孔から舌を抜いた。すぐさま花蕾を口に含み、じゅっ、と音を立てて吸い込む。刹那、香桜里の視界が白く濁った。
「ひ、ぁっ、ん、ぁああ……!」
びくびくと胎内が蠕動する。栓を失った淫口からは大量の愛液が噴出し、シーツにいやらしい染みを作った。
「は、ぁっ……」
だらりと四肢を弛緩させた香桜里は、呼吸が整わないままぼんやりと宙を見る。久々の快感はつらくなるほど強かった。まだ絶頂の波が収まらず、どこもかしこも燃えるように熱い。茫然自失の状態でいると、顔を上げた祐輔が口角を上げた。
「久しぶりの香桜里の味だ。美味いな」
「な、に言って……」
賛同しがたい発言をされて思わず反論しかけたが、彼の色気に息を呑む。
目の前にいるのは、飢えた獣のような男。ただ香桜里に焦がれ、欲しくて堪らないというように欲望を滾らせている。
とろとろと零れた淫汁を指で掬った祐輔は、それを口に含んだ。美味そうに舐め取る様を見て、また蜜液を滴らせてしまう。
「おまえのいやらしい汁ならいくらでも味わえる。本当に堪らない」
言いながら、彼は身に纏う衣服をすべて脱ぎ去った。臍まで反り返る昂ぶりを目の当たりにして顔を逸らすと、祐輔はサイドチェストに手を伸ばし、取り出した避妊具を素早く装着する。
「香桜里——もう絶対におまえを離さない」
甘やかな声に顔を動かすと、彼が膝裏に腕を潜らせてくる。陰裂にひたりと添えられた昂ぶりは、薄い膜越しでもわかるほど質量があった。
無意識に腰を引きかけた香桜里だが、それは叶わなかった。彼は、ぬかるみに思いきり自身を突き入れてくる。
「ひっ、ぁああ……ッ」
祐輔の屹立が侵入し、香桜里は艶声を上げて軽く達した。絶頂して間もない胎内はうねうねと蠢き、侵入してきた雄塊に歓喜してまとわりついている。
「っ、く……キツ……」
久しぶりに男を受け入れた隘路は、きゅうきゅうと雄を絞り上げた。締め付けの強さに祐輔が呻き、眉根を寄せて香桜里を見つめる。
彼は苦しそうなのに、ひどく嬉しそうだ。そんな顔を見せられると愛しくて、なおさら彼を食い締めた。
「やっとおまえを抱けた……何度も何度も、何度も夢に見た。気持ちよ過ぎて頭がおかしくなりそうだ」
艶のある声で呟いたと同時に、祐輔は硬度のある雄茎で最奥を貫いた。
息をする間もないくらい激しい抽挿に視界が歪む。粘膜の摩擦が生む喜悦は胎内を蕩けさせ、肌が燃えるように熱くなる。
しばらくぶりの感覚に、香桜里は四肢を震わせた。肉襞の細かなところまで擦られると、内部に溜まった愛蜜がじゅぷじゅぷと音を立てる。間断のないその音は、聴覚までも侵して愉悦に変換していく。
「ゆう……っ、もっと、ゆっくり……ッ、んん!」
「悪い、無理だ。……止まらない」
祐輔は肉傘を子宮口に捩じ込むようにぐいぐいと腰を押し付けた。圧迫感に息をすることすら苦しくなり、必死で快楽に耐える。媚肉が抉られるのが気持ちいい。自分の中に彼がいるのが嬉しい。快感に喘ぎながら思うのは、祐輔が好きだということだけ。
「んっ、は……祐輔……好き、ぃ……っ、好き、なの……っ」
「おまえ……今それを言うのは反則だろ……ッ」
内部を満たす雄槍の質量がさらに増した。祐輔は香桜里の乳房を鷲掴みにし、腰の動きを速めてくる。肉のぶつかり合う音が、粘膜が接触する淫音が、荒く吐き出す呼気が混然となり、室内を淫靡な空気に変えていく。
「香桜里……愛してる。おまえだけしか要らない」
譫言のように囁きながら、祐輔が胎内を行き来する。膨張しきった欲塊で肉襞をごりごりと擦られると、耐えがたい快感に苛まれる。一度達しているというのに香桜里の身体は貪欲で、久しぶりに感じた彼のぬくもりを貪っていた。
(こんな……気持ちよ過ぎる……っ) -
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