Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

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書籍詳細

  • 9784596745194

S系貴公子のお気に入り

著者:夜織もか
イラスト:池上紗京

ISBN:978-4-596-74519-4
ページ:290
発売日:2016年8月17日
定価:本体390円+税

あらすじ

他の男性に恋する異父妹を庇い彼女の婚約者エリオットを繋ぎ止めるため彼の愛人になることを承知したローレル。次期侯爵である貴公子エリオットは不実な婚約者よりローレルに興味を示し、なぶりながらも溺愛する。「ねえ、どっちの方が気持ちいい?」彼の指先に翻弄され変わっていく身体と心。エリオットの愛を感じながら己を肯定できないローレルは!?

キャラクター紹介

heroine_VBL-069ローレル

ゲンズブール家の存在しない娘。アイリーンには姉と慕われている。

hero_VBL-069エリオット

バートランド家三男。留学中だが侯爵位を継ぐため帰国した。アイリーンの婚約者。

試し読み

ローレル、と囁きが鼓膜を震わせた、それが甘く脳裏に響く。
「ほら、君が僕を誘惑するんだろう?」
寝台の中央まで滑らせるようにローレルの身体を移動させ、彼の手が大腿を掴む。
「ちが……っ」
「違わない」
そのまま脚を開かれて、濡れそぼった秘部が晒された。
ひやりと感じる冷めた空気は、でもすぐに違う感覚にすり替わる。彼の視線が、そこを這うから。
「あ、や、……ぁ」
エリオットが笑う。
一瞬の躊躇もない。指でそこを押し開きながら。
「――……ッ」
「ここに僕が入るんだよ。ふふ、ぬるぬるだ。気持ち良かった?」
触れるか触れないか。
表面を羽が撫でるように指先で撫で退る。
「あ! あ、ぁぁ……」
それだけで。
溢れそうになっていた蜜が滴る。腰の辺りに凝る曖昧な衝動。まずそれに声が漏れて、その後で意識がその刺激を追う。その繰り返し。
滴る蜜を掬うように入り口をくすぐる彼はとうとう、その奥へと指先を伸ばした。
少しずつ深く、また浅く。つぷつぷと繰り返し、その甘い痺れは完全につま先まで伝わった。
脚から力が抜けてしまう。
そうやって抵抗を忘れた身体に、ゆっくりと指が潜り込んでいく。滑りを掻き分けるように隘路を割って、奥の奥、快感に焦れて震えるそこを、探り辿るみたいに。
ぴくん、と身体が跳ねるたびに彼の含み笑いが耳に触れて、その恥ずかしさだけで達してしまいそうだ。
「あ、ぁ、……ぁあ……ッ、ん――!」
息を潜めればただ、指先の動きに合わせるように濡れた音が室内に響く。
襞を撫でるように引き抜かれ、半ば抜けきらない所から押し込まれ。そんな緩慢な動きで濡れそぼる中を犯される。こんな風にするのだと、まるで予告のような抜き差しを繰り返しながら。
快感に負けた四肢は痺れて動かない。ただ気持ちよさに喘ぐ姿をエリオットに見られている。
――彼の指に、犯されている。
その事実に、身体の奥が淫らに震えた。
半分泣きながら、どうしようもなくエリオットを見上げたローレルの視線は彼のそれと交わらない。
エリオットはまじまじとそこを見ていた。指先をその縁にかけるように、二本の指で入り口を押し開いて。
「ッや、やだ、見な……――ッッ!」
ずるり、と音が鳴るくらい。一息に指が突き入れられた。
「痛い?」
「もう、やめ……ぁ、あぁ、ん、……ッんん!」
「ここがいいんだ」
そこに触れられると声が抑えられない。
だから止めて欲しい。そう目で訴えた。聞き届けられないと知っていたけど。
「ッぁ、あ、そこ、や……あぁっ!」
「ここに僕をねじ込んで、揺さぶって。は、……イイ声」
ローレル、とそう呼ばれるから目を上げる。
涙でけぶる視界は薄闇に染まって、綺麗な彼の色ももう青に溶けている。それでも吐息から、指先から、肌から。その視線から熱が伝わってきた。
――ローレル。
彼の声が肌に灼き付く。
「そうして僕は、君が与える快感が忘れられなくて、君を抱きたくて溜まらないから、仕方なく浮気者の婚約者との婚約を継続するんだ」
――もうそうと決まっているんだから。
(まるで、台本みたいに……?)
彼はこの家の主とどんな話をしたのだろう。
彼がそれを不快に思って、腹を立てたのは確かだ。だけどその鬱憤を晴らすにしては、彼の手は優しすぎる。
そのまなざしも。
「もっと気持ち良くしてあげる」
「――え? あ、ああッ! や、だめ……ッ」
ぬるり、とあらぬところに濡れた、舌の感触が這った。
閉じようとした脚も、伸ばした手も遅かった。手のひらに彼の頭が、髪が触れて、弾かれたように手を引く。それが悪かったのだろうか。
離れかけていた舌先が、指を銜え込んでいるそこをくすぐった。
「や、ぁ……ッあ、んんっ、だ、め、ッ」
ちゅぷ、じゅぶ、と。
音を立てて吸い付かれて、はっきりとした快感に脚が反った。
舐められている。恥ずかしい。気持ち良い。身体だけがそれに素直に、とぷりと、ただでさえ濡れていたそこから蜜を溢れさせた。 
「あっ、ひ、ぁ――んんッ!」
指の動きも止まってくれない。
下半身が別の生き物みたいに跳ねる。ずり上がって逃げようにも、腰を抱えられて無理だ。なのにその逃げを咎めるみたいに入り口を掻き回されて、腫れぼったく熱を持った敏感なそこを指と舌で交互に責められる。
何度も何度も、小さな絶頂に繰り返し押し上げらられて、その気持ちよさに頭が働かない。それだけでもう、限界だったのに。
刺激と興奮で膨らむ尖りも彼は見逃してくれなかった。
「あ、ぁ、待っ……ッや、ぁっ!」
軽く吸われただけで、刺激に慣れたそこが弾けるみたいに目の前がちかちかした。直に神経に触れられるみたいに、甘すぎる痺れが身体の芯を駆け上がる。
もう駄目だった。
「――……ッあ、ああッ!」
いやらしい声を上げて、身体が一際大きく揺れた。
揺れる腰が止めたいのに止まらない。もう嫌なのに、彼の指の形がわかるくらい、彼に縋り付いて快感の残滓を啜ろうとしてしまう。
見られているのに。
悲しくないのに目から涙が溢れた。
「ローレル?」
「や、ゃ、今日はしない、って……」
「ああ。だって。君が泣くと可愛いから」
そんな、理由になっていない理屈でも。彼に、自分が、詰るような言葉をぶつけたのもショックだったけれど。
彼の口元が汚れている。
「……だめ」
やはり駄目だ。
彼が汚れてしまう。
彼のことを否定するつもりも、気持ちがないわけでもなくて、ただこの行為を続けられない。続けちゃ駄目だとそう思った。
「エリオ、――……ッ」
「なに?」
浮かせ肩を上から痛いくらいに押さえつけられた。
ローレルの中の拒絶は、それくらい彼の目にも露わだったのだろうか。ぎらぎらと光る瞳にランプの影が過ぎって、もう室内は完全に夕闇に沈んでいるのだと知った。
逃がさない、とその目が告げてくる。
「あ……。違、違います。ただ……だって、私なんか、駄目。汚れちゃ――」
「いいね。僕で汚れてくれる?」
そうじゃない。
汚れるのはエリオットの方だ。
だけど指とは違うなにかが下肢に触れた、その刺激に告げる言葉も途切れた。
「ぁ……」
膝裏を掴まれて、力任せに開かされたそこを滑る、熱いかたまり。
「エリオット、さ……ぁ、待っ」
「ね、こうやって」
――食べられてなよ。
蜜を吹くんだそこを割り開いて、指でいじり回した入り口に擦りつけられる。先端が滑って、上部の尖りを擦り上げた。何度も。
「ぁ、ゃ……」
「何が当たってるか、わかる?」
「や、だめ」
あ、あ、と、塞ぐことを忘れた口から溢れる嬌声と、縋り付く視線。
首を横に振ることすらできないローレルを見下ろして、エリオットは掠れた息を吐き捨てるように笑う。
「――駄目じゃない、だろう?」
「エ、リ――ッ!」
「まだ解したりないかな。でももう、我慢できない」

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