Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

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書籍詳細

  • 名称未設定-1

再会した元カレが、ドSから変態ドMになっていたんですが!?【初回限定:SSペーパー付き】

著者:槇原まき
イラスト:花岡 美莉

ISBN:978-4-596-58587-5
ページ:290
発売日:2019年3月1日
定価:本体590円+税

あらすじ

「君の忠実な犬に俺はなる!」別れた恋人・惟吹への想いを引きずっていた香澄。しかし、再会した彼はドMの変態になっていた!! なんだかんだで復縁するも、期待に目を輝かせて首輪を差し出してきたり、ぶってほしいと哀願してきたり……。ドン引きしつつも、猛烈な勢いで香澄を求め、身も心もとろかせてくる惟吹に愛を再確認するけど……!?(ヴァニラ文庫ミエル)

キャラクター紹介

名称未設定-1水瀬香澄(みなせ かすみ)
インテリア内装プランナー兼デザイナー。かつての恋人・惟吹のことを何年も引きずっている。

名称未設定-1八神惟吹(やがみ いぶき)
八神グループの跡取り御曹司で、オクディーオホテル関西の取締役。元ドSだったけれど!?

試し読み

「……これは、なに?」
 思わず低い声が出る。
「今夜は、これでご褒美をいただけたらと──」
 やたらとワクワクした惟吹の声がして、スッと目を細めて睨む。と、惟吹がぶるっと震えて恍惚そのものの顔色に変わった。
「香澄、ぶってくれ!」
「はぁッ!? もぉ、最悪ッ!」
 香澄はおもいっきり吐き捨てると、繫がれていた手を振りほどいて彼に背を向けた。
(惟吹のバカバカバカ! なによこれ~、変態ッ! ドMッ! 駄犬ッ!)
 香澄がシャワーを浴びている間に、ベッドにせっせと猥褻物(わい せつ ぶつ)を陳列(ちん れつ)している惟吹の姿を思うと、ドン引きだ。完璧だったデートが最後の最後でぶち壊し。「ご褒美」に、自分自身を求められる──惟吹の言う、〝ご主人様と忠犬〟なんてセックスのスパイスだと思っていた香澄は、静かに怒り心頭である。こんなの、酒でも飲まなきゃやってられない!
 香澄はテーブルセットに置いてあったワインを開けると、肩を怒らせながらドバドバとグラスに注いで、立ったまま一気に飲み干した。
 喉がカーッと焼けて、鼻に芳醇な香りが抜ける。惟吹が選んだのならきっとお高級ワインなんだろう。でも今はゆったりとした状況で、味わう気分じゃない。そんな気分になれない。またドバドバとワインを注ぐ。
「香澄、ご褒美──」
「ひとりでヤッてろ!」
 キッと睨み付けて椅子に腰掛けて根を張る。ここから動いてなんかやるもんか。香澄の言い草に、惟吹があからさまにたじろいだ。
「え、ひとりで? そ、そんな──」
「ああん?」
 二枚目のワインをキューッと煽(あお)りながら凄(すご)む。すると彼はなにを思ったのか、香澄のいるテーブルセットに向かい合うようにベッドに腰掛け、バスローブの腰紐をほどくと、裾を軽くはだけた。
(なんでもうおっきいの!?)
 既に雄々(お お)しく屹立(きつ りつ)している物が視界に飛び込んできて面喰(めん く)らう。
 今までのやり取りのどこに、惟吹が興奮する要素があったというのか。キスで? それとも香澄が手を払って睨んだとき? 前者ならまだわかるが、後者なら重度のドMじゃないか。こんなの、手の施しようがない。
 惟吹は躊躇(ためら)いがちに、自分自身に手を伸ばした。
「か、香澄がそう言うなら……」
 肉棒を握りしめた惟吹の右手が、ゆっくりと上下する。
 確かに「ひとりでヤッてろ!」なんて言ったけれど、惟吹が真に受けるとは思っていなかったのだ。恋人のセルフダンシングを鑑賞しながらワインを一杯……なんて高尚(こう しょう)な趣味は香澄にはない。
「ちょ、やめ──」
「香澄、ごめん」
 香澄の声を遮(さえぎ)ったのは、唐突な惟吹の謝罪だ。
 猥褻物陳列罪の贖罪かと思いきや、右手は規則的なリズムを刻み続ける。惟吹は眉間に皺を寄せ、熱い息を吐きながら呟(つぶや)くのだ。
「ごめん……香澄。好きで、ごめん……はぁはぁはぁ、香澄……愛してる……」
 気持ちよさそうに息を吐くのに、その惟吹の表情からは、羞恥心(しゅう ち しん)よりも強い罪悪感が滲み出ている。
「香澄……許して……香澄、香澄……はぁぅ……」
 見るつもりはなかったのに、ワインを飲みながらチラチラと視線を向けてしまう。
 だって初めて見るのだ。惟吹が自分自身を慰(なぐさ)めているところなんて、大学時代を含めても見たことがない。惟吹はそんなことしないとさえ思っていた。
 惟吹に身体を許す女はいくらでもいるだろう。でも、彼は別れていた期間、他の女(ひと)とは付き合ってなかったと言った。ではその間、ずっとこうしていたのか? 香澄の名前を呼びながら?
 惟吹の手の中で、漲りがピクピクと脈打っているのを見ると、ドキドキしてくる。アレが自分の中に入ってくるときの熱、くれる快感、そして惟吹自身の体温──それらが唐突に思いだされて、香澄を内側から煽るのだ。もしかすると、大量のワインを短時間で摂取したせいかもしれない。でも確実に、この部屋には淫靡(いん び)な空気が漂いはじめているのだ。
 身体が勝手に濡れてくる。
 漲りの先から出てきた透明な汁を、人差し指が撫で回し、幹に伸ばし付けた。香澄の名前を呟くたびに、屹立の力が明らかに増しているのだ。
「……わたしと別れてから、こんなふうにひとりでしてたの?」
 唐突に投げかけた質問に、上下していた惟吹の手がとまる。ほどなくして、彼は視線を下げて頷いた。そのときの恥ずかしそうな仕草(し ぐさ)といったらない。耳をうっすらと染めて俯く惟吹なんて初めて見た。
(あ、可愛い……)
 トクンと脈打つ鼓動の中に、嗜虐心(し ぎゃく しん)がちょこんと生まれる。
「わたしのこと考えてたの?」
「考えてた」
「わたしのことって……、わたしの身体?」
「っ!」
 惟吹が露骨(ろ こつ)に口籠もる。
 意地悪な質問だと自分でも思う。お酒のせいで気が大きくなっているのかもしれない。でも可愛いこの人を、猛烈に困らせてやりたいのだ。かつて自分が、この人に振り回されていたように、振り回してみたい。
「ねぇ? わたしの身体を思いだしながらしてたの?」
 再度尋ねながら席を立つ。身体ごと向き直ると、惟吹は覚悟を決めたように頷いた。
「思いだしてた。香澄の身体も、香澄の顔も……声も、仕草も、全部……。あと、写真見たり」
「へぇ? わたしのことオカズにしてたんだ?」
「してた……。香澄のこと思いだして……香澄のこと、その……めちゃくちゃに汚す、妄想して……何度も……っていうか、毎回、香澄を……オカズにして、た……」
 認めさせて生まれるのは、快感に似た優越感だ。惟吹が自分を忘れられずに、自身を慰める材料までしていたことにゾクゾクする。
 香澄は一歩ずつ、ゆっくりと惟吹に近付いていった。
「変態ね? なんで謝ってたの?」
「香澄を傷付けたから……。香澄は俺のこと嫌いだって言ったのに、俺は香澄のことが好きで……忘れられない……。俺は、身勝手だ……」
「わたしのこと好きなんだ?」
 惟吹の目の前に立って、彼を見下ろす。惟吹は香澄を仰(あお)いで、切なそうに目を細めた。
「好き……。好きだよ。どうしようもなく好き。愛してる……。俺がこんなになるのは香澄だけなんだ。香澄に嫌われたら生きていけない」
 そう言って、今にも抱き縋(すが)ってきそうな惟吹の肩を、両手で力いっぱい押す。不意を突かれ、バランスを崩してよろけた彼を、トドメとばかりに身体を使ってベッドに押し倒した。
「!?」
 惟吹の腰に跨(また)がり、完全にマウントを取った香澄は、彼の鼻先に顔を近付けて、ピシャリと言い放った。
「誰がやめていいって言ったの?」
 手淫がとまっていることを指摘してやると、惟吹の目が小さく見開く。香澄がそんなことを言うとは、一ミリたりとも思っていなかったのだろう。その彼の反応が、香澄に芽生えはじめた嗜虐心を更にくすぐった。
「駄目な犬ね。ご主人様の言うことが聞けないの? 躾(しつけ)が足りないみたい」
 そう言った香澄は、惟吹の胸に手を突いて、彼の頭のほうに並べてあった猥褻物の中から麻縄を取った。手に持つと意外と重い。そして長い。こんな長い縄をどう使うつもりだったのかわからないが、今は想像するのはやめておこう。
 香澄は惟吹の両手首を頭の上で揃えさせ、その麻縄でぐるぐる巻きにして、とりあえず蝶結びにしてみた。長さはだいぶ余ったが、まぁ、いいだろう。
「か、香澄?」
「ふふふ……」
 彼の意表を突くことができて、実に気分がいい。今度は使い方が確実にわかる首輪を取って、惟吹の首に着(つ)けてやる。彼の白い肌に、赤い縄と首輪がいいアクセントだ。
「似合うじゃないの」
 惟吹の腰に跨がったまま、人差し指で彼の腹筋の割れ目をつーっとなぞる。くすぐったそうに身を捩(よじ)る彼を見下ろしたまま、香澄は自分のバスローブの腰紐をほどいた。肩を剝(む)き出しにして、惟吹に見せつけるように胸を寄せ、できた谷間を鼻先に突き付けてやる。そのとき、惟吹の喉がゴクリと鳴ったのを、香澄は見逃さなかった。
「妄想力豊かな犬はこうして躾てあげる」
 ひょいと取ったアイマスクで、惟吹の視界を覆(おお)う。従僕と化した惟吹の姿に、香澄は静かに興奮した。
(わたしの……惟吹……)
 唐突にそんな支配的な思考がよぎる、そのことに驚きもするのに、平然と受け入れている自分もいる。
 惟吹を自分のものにしたかった。ずっと、自分だけのものにしたかったのだ。だから、彼を支配できる今のこの状況に、少なからず満足している自分がいる。
 惟吹を他の女に取られたくない思いが、香澄を突き動かす。愛する男を独占したいと願う女の──
「…………」
 香澄は惟吹に跨がったまま、無言で惟吹の漲りに手を添えた。起こすと、熱く硬いそれがビクビクと手の中で動く。腰を浮かせて、濡れそぼった自分の蜜口に充てがい、香澄は浅く息を吐いた。
 じゅぶじゅぶじゅぶ──……
 耳を覆いたくなるくらいいやらしい音を立てて、香澄の中に惟吹の物が入ってくる。前戯すらされてないのに根元まで入ってしまい、身震いする。肉襞がざわめいて、一気に惟吹の漲りにむしゃぶりつくのだ。隙間なんてない。
 縛った惟吹に跨がって自分で入れるなんて、こんな破廉恥(は れん ち)なこと、したこともない。そもそも騎乗位自体、香澄は自分からしたことがないのだ。大学時代に惟吹の指示で跨がったことがあるだけ。あとは抱き合ったまま体勢を変えられて、そうなったことがあるくらいだ。
 普段なら絶対にしない。というか、恥ずかしくてできない。でも今は、不思議と恥ずかしいとは思わなかった。そんなものはどこかに吹き飛んでしまっている。
 あるのはなんとも言えない背徳感だ。すべきではないことをしている意識と、自分が主導権を握っている興奮。今だけ、理性とモラルが作用していないような、そんな感覚だ。
 香澄を呼びながら己を慰めていた惟吹に、自分という女を与えたくて仕方ないのだ。
「か、香澄? これ、入ってるよね? ゴム着けてないのに……」
 慌てた惟吹が眉を寄せた。アイマスクをしていて、もさすがにわかるらしい。
 惟吹は香澄の中に入ってくるとき、毎回ちゃんと避妊してくれる。復縁を決めた日は、さすがに我慢が効かなかったのか、最初はそのまま入ってきた。けれども彼は、気を失った香澄をベッドに移し、避妊して、明け方近くまで香澄の身体を貪(むすぼ)っていたのだ。
 目が覚めた香澄は、身体の痛みと、開封された避妊具の量に絶句したのは記憶に新しい。
「なぁに? わたしに躾られるのはいやなの?」
 挑発するように軽く腰を揺すってやる。惟吹は生唾を飲んで首を横に振った。
「いやなわけない。香澄の中……熱い。気持ちいい。ああ……」
 うっとりとした惟吹の声は本当に気持ちよさそうで、興奮しているのがわかる。彼の興奮が伝染したのか、香澄の腰が徐々に徐々に激しくくねった。
「気持ちいいの? でも、中に射精(だ)しちゃ駄目。我慢するのよ。言うこと聞くよね? 惟吹はわたしの犬なんでしょ? 犬なら犬らしく、わたしのことはご主人様って呼びなさい」
「は、はい。ご主人様」
 惟吹の返事に満足して、腰のグラインドを大きくする。漲りを根元から先までを、媚肉が丹念(たん ねん)に舐め上げ、そしてきゅっきゅっと扱(しご)く。男と女の身体の摩擦が、得難い快感を生んで香澄の中をまた濡らした。
 惟吹の腹筋に両手を突いて、自分のリズムで好きに動く。張り出した雁首(かり くび)が、お腹の裏に当たるように腰を前後左右に揺すり、時には中を掻き回す。カチカチになった惟吹の肉棒が、香澄の蜜口を限界まで広げる。
 恥骨を擦り合わせると、蕾に刺激がきてお腹の奥がビクビクした。そして同時に、深々と突き刺さった惟吹の物が、子宮口をぞろぞろと撫(な)でるのだ。でも、自分ひとりが気持ちよくなるのは不本意だ。惟吹を気持ちよくしてあげたい。
 香澄は腰を揺すりながら惟吹の様子を窺(うかが)った。
「どう? 気持ちいい?」
「気持ちいいです。ご主人様の中、ぐちょぐちょで……うねって……締まって。うぁ……こんな、熱い……気持ちいい。ご主人様の中に入れてもらえるなんて幸せです」
「ふぅん? じゃあ、これは?」
 香澄はお尻を上げて腰をくねらせると、淫らに妖艶に、彼の上で踊った。浅く出し挿れしたあとにわざと全部を引き抜いて、根元までずっぽりと挿れ、腰を回して肉棒に媚肉を擦(こす)り付ける。それを何度も繰り返すと、惟吹の眉間に皺が寄って、額に汗が浮いてきた。
 胸を荒く上下させた惟吹が身じろぐ。麻縄で縛られた手をほどこうと藻掻(も が)いているのだ。
「う! ま、待ってください……、それ、気持ちいい、よすぎて……そんなにしたら──」
「『そんなにしたら』なぁに?」
「で、出るから……」
「だーめ。もっとするの。中に射精(だ)しちゃ駄目よ。そんなことしたら、もうえっちしてあげない。我慢して」
「……うっ、ああ……っ! はい! はぁはぁ……っ、く!」
(惟吹、好き。わたしでいっぱい気持ちよくなって。わたしはあなたのものだから……あなたもわたしのものよ?)
 喘ぐ惟吹を見ているだけで、貫かれるのの何倍もの快感が胸を突き抜けていく。好きな男を感じさせているのだ。嬉しくないわけがない。心が高揚して、身体を火照らせる。
「射精(だ)しちゃ駄目よ」と口先だけの命令をしながら、彼の射精を促(うなが)す行為をする。このまま中に射精(だ)されてしまいたい。内側から惟吹に汚されたい。でも、快感に歪(ゆが)む惟吹の顔ももっと見ていたい。「ご主人様」と呼ばれるのも、なんだかゾクゾクする。
 彼の理性を試す支配的な気持ちと、愛する男の全てが欲しい貪欲な気持ちは表裏一体で、どちらも香澄の中にある。
 男と女の性の匂いと、くちゃっ、くちゃっ……という淫猥(いん わい)な音が部屋の中に充満していく。そしてそこに、香澄の甘い吐息がまざった。
「はぁう──……はぁはぁ……はぁはぁはぁはぁ……あんっう……」
(惟吹がわたしの中に入ってる。ああ、すごい硬い……中、いっぱい擦れて……気持ちいい。どうしよ、とまらない)
「だ、だめ。ご主人様、もう無理、無理です、これ以上は! う、出る! ぐっ!」
 汗びっしょりになって頭を左右に強く振り、快感から逃げようとしている惟吹を押さえ付ける。今度は抜かずに、根元まで深く挿れた状態でズンズンとリズミカルに惟吹の漲りを扱く。惟吹に組み敷かれ、奥まで侵されているときを妄想しながら、深く深く彼を咥(くわ)え込む。
 鈴口に子宮を押し上げられるたびに、快感が押し寄せてくる。彼を感じさせたい気持ちが、迫り来る快感の波に負けてしまいそうだ。惟吹の声が遠く感じる。
(あぁ……ここ! ここ気持ちいい! んっ、ああっ! すごい、いくっ! いっちゃう! ああっ!)
 夢中になって腰を振る。愛液を飛び散らせながら、惟吹の肉棒を舐め回す。
 香澄が快感に身を任せた瞬間、身体がベッド上に横倒しにされ、じゅぼっと勢いよく漲りが引き抜かれた。
「ああっ!」
 自分の意思の及ばない力で、媚肉が強く擦られて頭が真っ白になる。
 ビクビクと小さく痙攣しながら絶頂を迎える香澄の腰に、どぴゅっどぴゅっと熱い射液が飛び散った。

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