書籍紹介
不埒な再会愛~強引侯爵は初恋を手放さない~
不埒な再会愛~強引侯爵は初恋を手放さない~
ISBN:978-4-596-58380-2
ページ:290
発売日:2018年6月16日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    秘密を抱えた侯爵との恋が燃え上がり!?

    主人夫妻の遺児を育てるため故郷に帰ってきたジーナは、五年前に別れたジャイルズと再会した。かつては互いに隠し事をしたまますれ違ってしまったが、ジャイルズは再会を運命とばかりにジーナを誘惑してくる。「俺を好きなら触れさせてくれ」ジャイルズの甘美な愛撫に抗えず、燻っていた恋情が煽られていく。しかし、彼の真意が見えなくて……!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL160

      ジーナ
      仕えていた伯爵夫妻に娘を託され、名目上伯爵夫人となる。聡明で我慢強い。

    • hero_VBL160

      ジャイルズ
      侯爵。過去イーグル国でジーナと恋人同士だった。諜報部員の裏の顔を持つ。

  • 試し読み

    「あの頃は若かったな」
    「若い?」
    「いきなり求婚したんだ。若いだろ?」
    ジャイルズがくすっと笑い、目を細めた。
    もうその瞳は潤んではおらず、過去を思い出したせいかジーナを少し熱っぽい瞳で見つめるだけだ。
    ジーナも、浜辺のことを言われて身体がじわじわと熱を帯びてしまう。
    「わ……たしは……、本気だったわ」
    「俺だって本気だったよ。あの頃は」
    「あの頃って……」
    (今は違うの?)
    ジーナは想わず身を少し乗り出してじっと見つめてしまう。
    ジャイルズは少し困った顔を見せつつ、ジーナの頬をそっと撫でる。
    「今は、本気になったら駄目だろ。……駄目なんだ」
    甘い低音は、そんな風には聞こえてこない。
    何かを堪えるように、辛そうに眉根を寄せて苦悶の表情を浮かべつつジーナの唇をつーっと撫でる。
    それはまるでキスがしたくて仕方がないという主張でもあるかのようだ。
    ジーナは静かに目を閉じた。 
    自分が何をしているのか、理性的に考えていられない。
    すっとジャイルズが近寄ると爽やかな香りが近づき、口づけられる。
    「……んっ……」
    少し触れるだけのキスだと思っていたが、ジャイルズはすぐにジーナを抱き寄せると舌先を割り入れる。
    そして口内をゆっくりと舐られると、ジーナは息を弾ませてしまう。 
    「ここは回廊だ。この先に客間がある」
    「あ……ジャイルズ……」
    下肢からはとろりと蜜が垂れているのを感じて、拒むことが出来そうにない。
    でも、こんな関係でいいのだろうかと疑問も湧いてしまう。
    (好きって言って)
    ジーナの心の声とは裏腹に、ジャイルズに抱きかかえられるとすぐ近くの客間に連れていかれた。
    まるで全てを把握するようで、ジーナは一瞬訝しく思うがトーマスから訊いたのだろうと思った。
    来客用のソファに下ろされると、ジーナはとくんと胸を鳴らせた。
    ジャイルズの瞳がジーナの胸元を見て、今にもキスを始めそうなのだ。
    「待って……」
    「そうしたいが……」
    ちゅっと音を立ててデコルテにキスをされると、そのままつーっと首筋に舌先が這う。
    「あっ……やっ……」
    「ジーナ……」
    甘えるような低音は、耳朶にこびりつくように何度も囁かれ蕩けそうになる。
    まだキスをされて肌に触れられただけなのに、ジャイルズから求められると体中が鋭敏に反応して、過敏になっていく。
    舌先は耳を丁寧に舐め始めると、くすぐったい思いと恥ずかしさで身を竦めてジャイルズを押し返す。
    けれどジャイルズは外も中も丁寧に舐り尽くす。
    「まっ……待って……」
    「待てない」
    「あっ……」
    ジーナが恥ずかしさでいっぱいでいると、ソファの上に覆いかぶさるようにジャイルズが強引に乗っかる。そして見下ろされるとジーナは胸元を押えた。
    その手をジャイルズがゆっくりとよけると、ドレスを引き下ろす。
    「だ……め……」
    そう拒んだものの、甘ったるい鼻にかかった声に自分でも驚いた。
    ジャイルズは露わになった膨らみをゆっくりと手におさめると、そのまま揉み始める。
    「あっ……やぁ……」
    「……」
    無言のジャイルズに、ジーナは自分だけが快楽を教えられるのではと怖くなってしまう。
    何か言って欲しくて、潤んだ瞳を向けるが先端を指先で捏ね回すことに夢中に見える。
    (ジャイルズ……)
    「声を我慢しているか?」
    「え……」
    「ジーナ……俺だけに聞かせてくれ、その甘い声を」
    「私の……声……を? あっ……あっ……そこ……」
    「尖ってきている。綺麗だ」
    (そんなこと……言わないで。勘違いしそうだわ)
    露わにされた乳房に空気が触れるたびにジーナはぴくんと震え、ジャイルズに思わずしがみつく。自分でも次第に理性が剥がされていくのが分かり、先端を擦られながらキスをされ始めると、堪らず息を漏らす。
    絡み合う舌先は、もはや受動的ではなかった。
    「ジーナ……どうした? 嫌じゃないのか」
    「嫌なわけ……ないわ」
    思わず本音を吐露してしまうと、キスはより一層深くなり、口腔を丁寧に舐られる。
    その最中も、膨らみをやわやわと刺激されてジーナは蕩けそうで息をはあはあと弾ませるしか出来なくなった。
    「んっ……んっ……はぁ……ひどい……そこ……ばかり」
    「ジーナの胸が綺麗だからだ。薄明かりくらいだと、余計に肌が陶器のように透き通るように見える」
    「う……そ……はぁ! ……あぁ!」
    腰を引いて快楽から逃げようとすると、ジャイルズが抱き寄せるように腰に腕を回し、胸に顔を埋めて先端を舌で転がし始める。ちゅぷちゅぷという水音をわざと立てられて、ジーナの羞恥心は煽られて頬を真っ赤に染め上げる。
    たまらず身を捩るが、ジャイルズは逃すまいと腰を押えつけてくる。
    舌先がぺろぺろと突起を舐める度、ジーナな嬌声をあげる。
    「可愛い声だ」
    「や……聞こえ……たら」
    「我慢出来るか?」
    「出来……な……やぁ!」
    与えられる快楽は初めてのものばかりだ。
    それなのに、果樹園の熱や浜辺のキスを一気に呼び覚まされて、それ以上を望み始めている。自分の考えが愚かだと思うが、突如現れたジャイルズを前に掻きたてられる熱を冷ますことは不可能に近かった。
    ジャイルズになら処女を捧げても良いと思う。
    でも、彼は自分を好きなのだろうか。
    そんな不安が胸に去来するが、快楽が頭の中を支配しそうになっている。
    その想いがもたげ始めると、ジャイルズが腕を強引に上に引き上げて固定した。
    「な……に?」
    「初めてだったな」
    小さく頷くジーナだが、戸惑ううちにスカートが捲りあげられてドロワースが脱がされる。
    そして濡れた丘に指先がゆっくりと這うとジーナは感じたことのない快楽に身をくねらせた。
    逃げるように腰を引いても、ジャイルズは何度も亀裂を指先で丁寧に往復し、ジーナの様子を窺っている。時折に蜜を捏ねるように掻き混ぜたり蜜芽を摘まむので、ジーナはたまらずに腰を跳ねさせるしかない。
    「身体が……変。恥ずか……しい」

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