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あらすじ
再会した元カレは俺様暴君でした……orz
「責任を取るなら、治るまで俺を介護しろ」数あわせのために渋々参加した合コンで、舞衣は元カレの彰良とばったり再会してしまう。しかも舞衣のドジで彰良は足を骨折し、舞衣が勤める病院に入院することに!『お世話』と称して俺様な彰良にセクハラされる毎日。彰良のペースに巻き込まれ、わけもわからぬまま淫らな罠に落とされ……気がつけば、ロマンチックとはほど遠い処女喪失だなんて!!
(ヴァニラ文庫ミエル)
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試し読み
掴まれた手は熱く、舞衣の鼓動が一気に高まる。掴まれた腕を引っ張られ、バランスを崩した身体がふわりと宙を舞った。
「――ぎゃあ!?」
驚きにぎゅっと目をつぶると同時に、水に濡れた腕の中へと包まれる。次に目を開けた時、舞衣は彰良の膝の上に横抱きにされていた。
「ちょ、御村さん!? なにを……」
「相変わらず色気のない悲鳴だな」
クスクスと笑う彰良が、後ろに流れた舞衣の髪を梳いた。
「すげぇ、耳まで真っ赤」
彰良の細長い指が耳の輪郭を微妙なタッチでなぞり、首のうしろを産毛が逆立つようなゾクゾクとしたものが這い上がった。
「仕事だと意識しないんだっけ。……じゃあ、今は違うんだ?」
意識していなければ変化するはずのない耳朶を、彰良は二本の指でそっと挟む。
「それとも、相手が俺だから、特別意識するとか?」
低い声で囁かれ、ふうっと息を吹きかけられた。くすぐったいような感覚に思わず身体を震わせると、耳元に寄せられていた彰良の唇が、そのまま耳朶を甘噛みし舐めあげた。
「んっ、やだ!」
ぬるりと湿った舌が耳の穴にまで差し込まれる。くぐもった水音が直接耳の奥に響いて、抵抗しようとする舞衣の声が普段よりも掠れて聞こえた。
ぴちゃぴちゃという水音と、ぞくぞくする痺れ、彰良の息づかい――未知なる感触に、次第に頭の中には霞がかかり、少しずつ息が上がっていく。逃れようとしても、彰良の腕がしっかりと身体に巻き付いている。さらにもう一方の手は舞衣の頬を支えているため、顔を背けることもできない。
「やだっ……ん、やめ、て」
耳から広がる感覚は背中を通って徐々に身体の下へと下りていく。追いかけるように、彰良の唇も首筋をたどり、宙に浮いていた舞衣の足がだらりと落ちた。
その隙を逃さず、彰良の手がチュニックの裾から服の中へと入り込む。
「ちょ、ちょっと!?」
脇腹を撫でられ、一段と痺れが強くなった。
「男を教えてやるって約束しただろう?」
――そんな約束した覚えはない!
抗議しようとした唇は、彰良によって簡単に塞がれた。
「ん……ふ、あ……」
食むようにやさしく、濃厚なキスが与えられる。開いた隙間から性急に舌を押し込まれることはなく、舞衣が自然と受け入れるのを待つように唇をノックする。浴室に響く淫らなキスの音が、舞衣の羞恥心を煽った。
徐々に口づけは深いものへと変わっていき、少しずつ舞衣の身体から強ばりが消えていく。同時に、服の中の彰良の指先がブラジャーをなぞり、獲物を確かめるようにゆっくりと這い回る。
「いや……、濡れちゃう」
彰良の指先が濡れているせいで、彼に触れられた場所が脳内にまざまざと映し出されるようだ。シャワーを浴びた彰良に抱きすくめられた時点ですでに舞衣の衣服は湿っているのだが、このままでは帰るのにも困ると今さらながらに思い出した。
僅かに唇が離れた隙に改めて抗議してみたが、その声は弱々しくてか細い。
「濡らそうと思ってやってるんだよ」
くすりと笑った彰良の瞳が小さく揺れる。その瞳に見つめられた途端、舞衣の身体は再び動けなくなってしまった。
濡れた髪の間から除く彰良の瞳は、同じくらいに潤んでいた。彼の髪からこぼれた滴が、精悍な顎のラインを伝って舞衣の頬や胸元を濡らす。ぽたりと落ちるたびに身体が小さく跳ねたが、拭う気持ちにはなれない。
緊張なのか、恐怖なのか……。気持ちが、追いつかないのもある。だが、彰良の瞳に見つめられていると、不思議と悪い気はしなかった。
「そういう顔して、煽るなよ」
ブラジャーの縁からするりと一本の指が入り込み、頂を軽く引っ掻いた。
「きゃっ、あ……っ、や、あっ!」
驚いた舞衣が大きめの声を上げる。ほんの一瞬触れられただけなのに、ジンジンとした痺れがいつまでも消えない。
――自分で触っても、なんともないのに……!
初めての刺激に落ち着きたくとも、彰良の指は侵入を止めずにするするとブラジャーの内側へと入り込み、片方の胸は熱を帯びた手の平にすっぽりと覆われてしまった。
「んんっ」
初めて他人の手が添えられる感触に軽く身震いした。膨らみにぴったりと張り付いた手が、やわやわと胸を揉みしだく。力は感じず、手の平に感じる肌触りを楽しんでいるかのようにゆっくりと円を描かれて、先ほどの強い刺激とはまた違った心地よい痺れが広がっていく。ここまでくると、この痺れの正体が快感であることに、薄々と気がつき始めていた。
「は、あ……」
彰良の動きに合わせて、舞衣の口から吐息が漏れる。せり上がってくる快感を逃そうと身を捩れば、自然と彰良の胸板に頬を寄せることになった。
「舞衣、可愛い」
自分から胸元へすり寄ってきた舞衣に、彰良は甘い声で囁いた。一層やさしい手つきで胸を揉み上げると、舞衣の思考が蕩けていく。
「舞衣の感じている声が、もっと聞きたい」
「ん……、あ、あ……」
強弱をつけてやわやわと揉まれているかと思えば、固くなった乳首を摘ままれて身体がびくりと大きく跳ねた。初めての快感に抗う余裕もなく、舞衣は彰良の望むままに声を上げる。 -
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