書籍紹介
冷徹と恐れられる宰相は、(実は)侍女をめちゃくちゃ愛でたくてたまらない
冷徹と恐れられる宰相は、(実は)侍女をめちゃくちゃ愛でたくてたまらない
ISBN:978-4-302-12156-4
ページ数:290
発売日:2026年6月3日
定価:790円+税

イラストちら見せ!

  • あらすじ

    可愛い声だ。もっと聞かせてくれ
    冷徹な“極寒宰相”さまに熱~く愛されてます!!

    男爵令嬢エミーリアは“極寒宰相”こと冷徹なヴォルフガングに見込まれ、女王の侍女に任命される。宰相と接していくうち彼に惹かれていくある日、妖しい女に媚薬を盛られてしまう! 体が熱くなり倒れかかるも、気づいたヴォルフガングに抱き起こされ甘いキスによって熱を鎮められる。そして突然、「明日から俺の部屋付きになれ」と言われ!?

  • キャラクター紹介
    • エミーリア
      可愛いドレスが好きな男爵令嬢。ヴォルフガングにスカウトされ女王の侍女に。

    • ヴォルフガング
      侯爵家の令息で宰相。冷ややかな美貌で「極寒宰相」と呼ばれる。

  • 試し読み

    ガシャーンッ……!
    エミーリアの耳に、落下したカップが割れる音が届く。
    それをテーブルに突っ伏し聞いていたが、響きが衝撃となったらしく、びくん、と体は弓なりに跳ねた。きゅう、とドロワーズのなかが引きしまり、熱を持って疼き始める。
    「……あんっ……いやあっ……」
    とめどなく甘い声が洩れ、覚えのある感覚が内側から湧きあがる。快感だ、と気づいて怖くなった。ひと月前に襲われた、当時は未知だった妖しい感覚。とにかく脚のあいだが、薄い茂みで隠された場所が熱くひくついて仕方がない。
    「……はあっ、誰かっ……お願いっ……」
    どうしたらいいか分からず、椅子の背もたれに身を預けた。両膝をこすり合わせると少し治まる気がしたが、やり過ぎるとかえって快感を増幅させてしまう。
    ……もしかして、ここを自分でさわればいいの……?
    ちらり、とあえぎながら下腹部に目をやった。ドレスの裾をめくって、疼く場所を手で刺激して、いったん熱を放出させれば……と仮説をたてる。でも、そんなことをして状態がもっと悪くなったら、と不安に駆られた。
    加えて、本能的に恥ずべき行為のようにも思えていた。
    だって、ここは夫となる男性にしか触れさせてはいけなくて……。お母さまや乳母にもそう教わっていたし、間違いないわ。男性に触れさせないまでも、なにかをするなんてはしたないわっ……!
    だが、脳内での否定もむなしく疼きは増していくだけだった。
    「……じ、自分でなんて、駄目えっ……あうっ……!」
    瞬間。
    「エミーリアっ! どうしたんだっ?」
    バンッ、とドアが開け放たれ、ヴォルフが駆け込んでくる。カップが割れた音に驚いたのだろう、と察したものの、あまりにひどい自分の姿を思いだして愕然とした。
    体の異変を……また快感に溺れているのを見られたくないっ……!
    幸い具合が悪そうに座っているだけだし、気を抜かずにいればごまかせるかもしれない。エミーリアは脚を固く閉じ、彼を仰いだ。
    「す、すみません、宰相さま。気分が悪くなってカップを……」
    「そんなものはどうでもいい、大丈夫なのか? なんなら王宮医を連れてくるが」
    「そんな、侍女ごときにそこまでしていただくわけには……ひゃっ?」
    「エミーリアっ?」
    唐突に、下腹部を衝撃が突きあげた。ずん、ずずっ、と重く鈍い感覚のあとに、雷にも似た刺激が体の内部を駆け巡る。しびれるような強烈な感覚――快感だった。
    「あああっ、嘘、いやあっ……!」
    かぶりを振りながら、あえいだ。驚愕で、顔が上気していくのが分かる。
    おそらくもう、体の異変は傍目にもあきらかだ。恐ろしい予想にたがわず、ヴォルフが察した表情で椅子のそばまでやってきた。息も絶え絶えのエミーリアを見おろし、眼鏡越しに検分の視線を動かす。
    「許せ」
    「えっ? きゃあ、いけませんっ……!」
    確認の必要を感じたのだろう、彼は指で頬や首筋に触れてきた。汗ばんだ肌を撫でられただけで、秘められた場所が疼く。エミーリアは顎をのけぞらせ、かぼそく哀願した。
    「……さ、さわらないでくださ……お願いっ……」
    「吐息にあの女と似た香りが混ざっている。なにか飲まされたのか?」
    「こ、これは……わたし自身の、ミスでっ……やあっ……!」
    「……まずは手当てを、だな」
    えっ?
    つぶやいたヴォルフが、ドレスの襟元に指をすべらせる。そのまま片手だけでボタンをはずし、コルセットのカップに指を這わせた。ぷるん、と服から出された片方の乳房が、薄紅色の頂きを表にさらす。
    「宰相さま、なにをっ……」
    「言っただろう、手当てだ。きみはいま、おそらく媚薬を盛られている。体の熱を鎮めるために、しばらく俺に身をまかせているんだ」
    「ああっ? きゃう、やっ……!」
    くるり、と指先が乳暈をなぞり、キュッと乳首をつまみあげる。痛みはすぐ快感に変わり、エミーリアの理性を鈍らせた。勤務時間外とはいえ職場で、しかも異性の主人に肌を見せている、という現実が遠のいていく。
    「あん、ああっ……! 宰相、さまっ……!」
    「片胸だけでこれほどとは……。ではこうするとどうだ?」
    「えっ、やっ……? そんな、あうっ……!」
    もう片方の乳房も表に出すと、ヴォルフは同様に指を這わせた。
    ふたつならんだ乳首をつまみ、キュッキュッ、と指の腹でこねたあと、ピンッと爪で軽くはじく。眼裏に閃光が走り、エミーリアは椅子の背もたれに体重をかけた。
    「んんっ、はあっ! あっ、あっ、あっ……!」
    ごく小さな刺激だというのに、もたらされる快感は強烈だった。
    媚薬を盛られている、とさきほど彼に言われたが、つまりは薬の効果にも後押しされているのだろうか。身動きでむき出しの乳房がぷるぷると揺れ、半びらきの口からは嬌声が洩れる。触れられた乳首に変化が起き、固く尖っていくのが分かった。
    「だいぶ色づいたな。そろそろいいだろう」
    しばらくして、頭上でヴォルフがつぶやいた。
    「……は、……っ……」
    そろそろって? なんの話……?
    乱れた呼吸を整えるだけで精一杯だったエミーリアは、意味を問うタイミングを失った。だが代わりに、自分の現状を認識する心の余裕が与えられる。
    そう、冷静になったのを後悔しそうな現状を。
    わ、わたし、いま……? そんなっ……!
    ドレスは胸元以外も乱れ、両脚は大きくひらいている。その場所にヴォルフを迎え入れ、寄り添う彼から愛撫を受けている状態だ。なんと淫らな格好か、と狼狽はしたものの、熱く疼く体に力が入らずどうすることもできない。
    恥ずかしいっ……! これ以上はもうっ……!
    ぶんぶん、とかぶりを振って目をつむった。唐突に、背徳感に押しつぶされそうになったせいだ。自分はたんなる侍女で、彼の婚約者でも妻でもないのに、こんなふうに心身をとろけさせていいはずがない。
    「……どうした。いやか……?」
    ヴォルフの声に戸惑いがにじむ。
    はっとして、エミーリアは目を開けた。どことなく傷ついたようにも思える表情で、見おろしている彼と視線がぶつかる。眼鏡越しの、金色の双眸。
    「ち、違います! あの、わたし、宰相さまに申し訳ないだけでっ……!」
    「俺に? なにが申し訳ないんだ?」
    「だって、その……こんな、高貴な方のお手を汚させるようなことをっ……!」
    「!」
    眼鏡の奥で、金色の目が見ひらかれる。返事が意外だったのか、ヴォルフは言葉に詰まった様子を見せた。もしかして怒らせてしまったのだろうか、とエミーリアも彼にかける言葉に迷う。
    だが数秒後、ようやく紡ぎ出されたのは柔らかい調子の声だった。
    「きみに触れることが汚れた行為のはずはない。むしろ……」
    えっ……?
    むしろ、なに?
    尋ねたかったが、手の感触によって意識が逸れた。
    ヴォルフは胸に添えていたそれを伝いおろし、服の上から脇腹を撫でた。やがてさらに下へと感触は移動し、腰の辺りまできたところで長い裾がたくしあげられる。
    「きゃっ、いけませっ……」
    叫ぶエミーリアにかまわず、スカートをめくった彼はドロワーズの腰紐に手をかけた。いっきに結び目を解いて引き抜き、なかに指を差し入れていく。感触が薄い茂みに到達したとき、びくっ、と身がすくんでしまった。
    そこは、自分でさわるのすら躊躇したあの場所だ。夫となる男性にしか、侵入を許していけない禁忌の花園。
    けれど、ヴォルフが後戻りする気配はなかった。
    「だいぶ濡れているな。つらかっただろう」
    「いやあ、さわっちゃ駄目えっ……」
    「体の返事は違うようだ。どんどん期待の蜜があふれてくる」
    「そ、そんなっ……、あああっ……!」
    くちゅ、と湿った音が響き、そこだけがほかの生き物のように疼いた。指先は秘裂の前方、月経の血も小水も出ない箇所を執拗になぞり、こね回す。そのたびに下腹部の疼きが大きくなり、痛いほどに切なくなった。
    「あう、あっ、やあっ……あん、ああんっ……」
    声が、洩れる。
    自分のだとは思いたくないほど、鼻にかかっていて甘ったるい声。
    しかも、いつしか声に合わせ腰を揺らしていたのに気づいた。快感に支配され、おかしくなっているのだろう。せめて指から逃れるべく脚を閉じようとしたものの、責めを激しくさせられる結果に終わっただけだった。
    ヴォルフは言った。
    「ここは女の花、刺激している場所は花芽だ。本来なら夫となる男にしか触れさせない場所だろうが……緊急事態だ。目をつむってくれ」
    「目をつむって、って……わたし、いけないことを……?」
    やっぱり、許されない行為なんだわ。そうエミーリアが不安を覚えていると、彼からは優しい否定が返ってくる。
    「違う、きみはなにも悪くない。ただ俺にまかせて気持ちよくなっていればいい」
    「で、でも……やんっ! ああっ、やっ、嘘おっ……!」
    あてがわれる指が増え、新たなそれは花の中央にもぐっていった。
    なにかが内側からあふれ出し、ぬち、くちゅくちゅ、と奇妙な水音も激しくなる。指は隘路のひだをかき分け、浅い部分の一点をこすり始めた。背筋を強烈な感覚が駆け抜けていき、びくんっ、とエミーリアはさらに大きく背を反らせる。
    「あああっ……! きゃ、どう、して、わたしっ……んんっ……」
    「体の反応が不思議か? いま触れているのは蜜口、花のなかでもいちばん弱い場所だ。ここを男の昂ぶりに突かれれば、正気を保っているのは難しい。どうだ、いいか?」
    「あっ、あっ、いいっ……気持ち、いいですうっ……!」
    おうむ返しに叫び、あえぐ。
    治まらない快感によって理性が麻痺し、いやらしい言葉を発するのが困難でなくなっていた。そうだ、さっきは否定してもらったが、いまされている手当ては『いけないこと』で『恥ずべきこと』だ。それなのに、もうやめて、と強い拒絶をしめせない。
    やめてなんか、ほしくない。
    ずっと、いつまでもしていてほしい。
    むしろそう要求したくなり、自分の欲深さに呆れた。はっはっ、と呼吸が小刻みになり、酸素の取り込みが不充分なのか部分的に意識が薄れる。
    様子を眺めていたヴォルフが、落ちついた態度で見立てを述べた。
    「達きそうだな。気が遠くなってきただろう?」
    「……い、達くって……? あう、やんっ……!」
    「無理に答えなくていい、もっと乱れろ。手伝ってやるから」
    戸惑うエミーリアを制し、彼は眼鏡をはずすとテーブルに置いた。そのまま顔を沈めていき、ひらいた脚のあいだへと近づける。内腿を手で押さえ、今度はあろうことか濡れた花に唇を寄せた。
    「お、おやめくださいっ……なにをっ……?」
    「手当ての仕上げだ。すぐらくにしてやるから待っていろ」
    敏感になっていた肌に吐息が掛かり、ぬらり、と花芽に舌を這わされる。さきほど指で丹念に責められていたそこは、新たな刺激にすぐ反応した。
    より熱く柔らかで、逃げ場を与えない舌の感触。執拗にねぶられ、すぼめた唇で吸われると、乳首と同じように尖っていった。尿意に似た、それよりも妖しい感覚にさいなまれ、エミーリアは腰を浮かせる。
    「駄目、駄目えっ……! も、もう体が、お腹が熱っ……!」
    ちゅぷ、ちゅ、ちゅく、と淫らに響く水音のなかで叫んだ。
    蜜口に指を入れられたまま、二箇所を同時に刺激されたせいで快感が信じられないほど増幅していた。
    いや、それよりも、もっとも恥ずかしい場所を他人にいじられている、という背徳感が興奮につながっているのかもしれない。いずれにせよ、熱くなった下腹部がはちきれそうだと思いはしても、びくびくと下肢をふるわせているしかなかった。
    ああ、いけないことなのに……。でもわたし、こうされているのが……。

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