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あらすじ
ずっと君を手に入れたかった
初恋の極上機長にいきなり求婚されて!?空港で働く菜乃花は初恋の幼なじみ紫苑と六年ぶりに再会し、窮地を助けられる。彼は夢を叶えパイロットになっていた。父に結婚を強要されている彼は、ワケあって親代わりの叔父を早く安心させたい菜乃花に、自分と結婚しようと提案してくる。戸惑いつつ受け入れると紫苑の溺愛がエスカレート!?「抱きたい」と甘く迫られドキドキが止まらなくて?
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キャラクター紹介
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真島菜乃花(まじま なのか)
小柄で平凡な苦労人。紫苑とは幼なじみ。 -
香坂紫苑(こうさか しおん)
パイロットの中でもエリート。利害の一致から契約結婚をする。
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試し読み
「胸、敏感なんだな」
男の唾液で濡れそぼった先に吐息を吹きかけながら香坂が笑い呟く。
そんなわずかな刺激にすら女体を痺れさせながら、菜乃花は赤子がむずがるように首を小さく横へ振る。
「やだ。……そんなこと、言わないで」
息を切らし、顔といわず全身を羞恥に染めつつねだるのに、香坂はますます笑みを深くして唇をそっと乳首に当てたまま言う。
「どうしてだ? すごく可愛いのに」
「……恥ずかしい」
消え入るような声で伝えれば、それがいいんだと返された。
「すごく可愛くて、色っぽくて綺麗だ。まだ胸だけなのにこんなに乱れて。……だからもっといじめたくなってくる」
すっと目を細め、口端を持ち上げつつ言う香坂の艶めいた表情に鼓動が跳ねた。
意地悪だとさえ思えるほど凄みを帯びた雄の顔なのに、どうしようもなく煽られる。
これからどうなるのか怖いはずなのに、もっともっとされたいと思う気持ちさえ芽吹きだして、菜乃花は自分の身体が処女から女へと変わりだしていることを脳裏で理解する。
だけど嫌ではない。
どころかもっと求めてほしい。もっと変えて、教えてほしいとさえ思う。
――この快感のいきつく先を知りたい。この人とどうにかなる未来を手にしたい。と。
秘めていた気持ちを読んだのか、あるいは返事がないことを承諾と取ったのか、香坂は胸の膨らみに添えていた手で菜乃花の脇を撫で、そのまま腰あたりまで下ろす。
しばらくはたゆたうように手を肌の上を行き来させていたが、くすぐったさに菜乃花が息を呑んだのと同時に手はさらに下へ――薄布一枚で覆われた股間へと移動する。
「っ、あ!」
驚きに声を上げたと同時に「嫌か?」と聞かれ、唾を呑んで首を横に緩く振る。
ここまで来て嫌だといってすべてを台無しにしたくない。ずっと香坂に恋してきて、漠然とではあるが想像していたことなのだから。
だけど想像と現実はあまりにも違いすぎ、刺激の強さが大きすぎる。
そのことに臆する心を蹴り飛ばそうと目をぎゅっと閉じれば、我慢しなくてもいいという風に香坂が額を合わせる。
「我慢は、するなよ。……俺は、菜乃花の嫌がることはなにひとつだってしたくないから」
その言葉で、どれほど大切に思われているかわかり、硬く閉ざしていた太股の力が少しだけ抜けた。
顔に吹きかかる男の吐息は熱く茹だりそうだったが、それさえも嫌じゃない。逆に、急くほどに自分を求めているのだと、なのに気遣ってくれているのだと愛おしさが増す。
「いいよ。好きにして。紫苑くんも、我慢、しないで」
切れ切れの吐息の間に気持ちを伝えれば、彼ははっと鋭く息を吐いて、それからわずかに苦しげな笑みを浮かべた。
「そんなこと言って、後悔しても知らないぞ」
「後悔なんて、しない。ずっと、こうしたかった……から」
いやらしいことを求めていたと知られる恥ずかしさをこらえ、本音を吐露すると、たまらないといいたげに触れる額を擦り合わされ、同時に肌に触れていた男の手がわずかに離れた。
止められる怖さと物寂しさに喘いだ直後、香坂の爪先が太股の付け根をかすめるように辿りだした。
まるで、もっともっと大切にして、もっともっと感じさせると伝えるような触れ方は、うれしいけれどどこか焦れったく、意識しているわけでもないのに自ずと腰が揺れた。
「ん、ん、んん……ッ、はぁっ……」
爪でなぞられた部分がむずむずする。
くすぐったくて、でも気持ちよくもあって、頭の中が混乱しだす。
いつしか足の間が汗ではないものでぬるつきだしていて、下着が滑って少し気持ち悪い。
濡れているのだ。
自覚した途端、自分が思う以上に感じていることがわかり顔がさらに熱く火照る。
ドレスのために用意された下着は、シルクに下着の線がでないようにと透けるほど薄く、尻の部分などリボンでしかないものだったのもあり、誤魔化そうと腰を捩らせるほどにクロッチがぬるつく。
繊細なレースの部分が濡れて肌をくすぐるだけでも堪らないのに、香坂は触れるのを惜しむように足の付け根をなぞるばかりで、どうしたらこのむずむずするものを止められるのかわからない。
動かなければ収まるのかと息を止めて唇を引き結んでみたが、逆にますます自分が濡れていることと、男の指の繊細な動きにばかり意識がいってしまう。
耐えきれず、唇を開き大きく息を吸い込んだ時だった。
香坂は突如動きを翻し、へそをかすめながら下着に隠れている部分へと手をくぐらせた。
「んっ、あっ……ッ、あ、あ……ぁ」
くすぐるように黒い茂みを指で撫で、恥丘に添うように手の平を包みながら、長い指先を身体の真ん中にある切れ目に当てた。
そのままじわじわと力を込めながら痴裂の膨らみを押し開くのに合わせ、ぴちゃりと密かな水音がした。
「濡れてる、な……」
艶めいた声で言われ、菜乃花は恥ずかしくてたまらない。
変だろうか、おかしいだろうか、嫌じゃないだろうかと、そんなことばかり頭の中で考えるけれど、これが初体験なのだし、友人とそういう話をしたこともほぼなくて、自分ではわからない。
だから小さく首を横に振ることで、それ以上辱めないでほしいと願うけれど、相手は逆にそんな菜乃花の仕草に煽られた様子で中指を秘めた部分に当てては離し、わざと濡れた音を響かせる。
「も、……やだ。恥ずかしいから、んんっ、ッ、や……も」
からかうような動きと、誰も触れたことのない部分に触れられる恥ずかしさで声を上げるも、彼はどうしてかと問うように指で濡れた部分をなぞり、嬉々として言う。
「好きにして、いいって言ったのは、菜乃花だろ」
堪らないなと言葉尻に付け加えながら、だけどやだという言葉に従うように指で濡れた部分をくすぐるのを止め、しっかりとした力でその部分を押し開きだした。
「あっ……ッ」
くちゃりと、みだりがましい音をたてて秘裂が左右に開かれる。
裂け目から淫液が漏れはじめていた花弁がゆっくりとほころび、そこから一筋の滴が漏れて会陰を伝う。
その感触を知ったと同時に、甘酸っぱい女の匂いが密やかに漂いドキリとする。
花のようでいてそうでない、動物的なのに妙に心惹かれる香りは男にとっても堪らないものだったのだろう。
たまち下着の端に手を掛けられて、ぐいとショーツが下ろされた。
薄く、滑らかなシルクでできていたそれは、さしたる抵抗も残さないまま菜乃花の太股を滑り、かと思えば知らぬ間に抱えられた両膝からなんなく抜き去られてしまう。
「あ、っ、やだっ……!」
たまらず下ろされた脚を擦り合わせようとするが、一拍遅かった。
まるで肉食獣のような素早い動きで香坂が自身の身体を菜乃花の脚の間へと滑り込ませ、そのまま左足を抱え、悪戯っぽい表情のまま太股へと頬を擦り寄せる。
「ここまできて、ヤダはなし」
雄らしい余裕と色気を纏いつつ口端をあげニヤリと笑われ、いっそう心臓が高鳴る。
恥ずかしさと、でもそれを暴かれることへの好奇心が胸の内でせめぎ合い、菜乃花が唇をわななかせると、香坂は頬を寄せていた菜乃花の太股に軽く唇を当てつつ囁く。
「言っただろう。絶対に嫌な思いはさせないって」
信じてほしいと願うようにきつく吸われ、紅い花弁を肌に散らされた。
たまらず喘ぐと、それが承諾の合図だと言わんばかりに香坂はしつこく肌を吸っては紅くなった場所を舌でちろちろとくすぐり舐める。
そうやって菜乃花をよがらせつつ反対の手は太股から鼠径部へと滑らせ、綻んだばかりの蜜口に指を添わせる。
「ん、ひっ……ッ」
繊細な部分に硬い男の指が充てられ、驚きが喉を上がり変な悲鳴みたいになって響く。
いきなり入れられたら痛いかもと身を硬くしたが、香坂は焦るつもりはないらしく、まるで壊れ物に触れるように濡れだした淫唇を優しいタッチでなぞってきた。
触れられた部分からぞくぞくするものが迫り上がり、すぐに熱となって腹の奥をあぶる。
痺れるような愉悦は肌から肉へと染みていき、やがて子宮のある部分だけでなく胸の中までを切なさで満たす。
耐えきれず身を捩るけれど、どうしてか手足が怠く、わずかに腰が揺れるだけだ。
どころか、身動きするに従って足の間から蜜が漏れだして、甘酸っぱい匂いがますます強く香り立ち頭をぼうっとさせていく。
たまらず手の甲を口に当てたけれど、そんなことで喘ぎ声を止められるはずもなく、菜乃花はただただ甘苦しい愛撫の波をたゆたわされる。
それがどれほど経っただろう。十分か、あるいは数分だったのかもしれない。
時間の感覚さえ曖昧なままぼんやりしていると、濡れた花弁を撫でていた手が、一際強い力で秘路の入口をえぐり、たっぷりと蜜をすくい上げてから合わせ目の上部に隠れていた秘芽を弾いた。
「あひっ……っ、っあ、あ、ああっ、あっ!」
一度ならず二度、三度と、まるで試すように軽く指先でその部分を弾かれるのに合わせ、鋭い快感が下腹部を貫く。
先ほどとはまるで違う強く激しい刺激に腰がシーツの上から浮いて、足の指がぎゅっと丸まる。
たまらず脚を閉じようとするも男の太く逞しい胴を絞めるだけで、逆に、自分以外の者の存在を――否、香坂の存在を強く意識して身体がますます火照ってしまう。
なのに相手は手を緩めず、どころか小さな突起をそっと摘まんで揉んでは淫液まみれにしていく。
ぬるみを帯びながら揉まれるごとに、男の指の力や肌の硬い感触がまざまざと伝わり、頭がどうにかなりそうだ。
羞恥にのぼせ、愉悦にうだり、どんどんと知らないどこかへ快感で追い込まれていく。
このまま自分がどうにかなりそうで、それが少し怖くて菜乃花は唇を大きく開く。
「ん、あっ……そこ、だめ……ッ、強すぎ、るぅ……ッ」
たまらず降参の声を上げた途端、男の指の動きがぴたりと止まり――なぜか強いもの悲しさを感じ、そんな自分に混乱し――とめまぐるしく感情を行き来させていると、香坂がふと小さく息を漏らし笑い、菜乃花の両膝の裏を抱え上げ、自分の肩にかけた。
「ひゃっ!」
今までより大きく開かれ、秘処が丸見えとなったことに慌てふためいたのも束の間、香坂は笑みをますます深くしたまま、獲物を前にした野獣の仕草で唇を舐めた。
紅い舌が引き締まった唇をなぞる、その蠱惑的な光景につい見蕩れていると、彼は思わぬ早さで菜乃花の腰を捕らえ、大きく引き上げ、女の股を自分の口元まで寄せる。
次になにをされるのか察し身をねじったが遅かった。
芳しい花の香りを嗅ぐような仕草で香坂の美貌が陰毛の茂みに沈み、一拍遅れて媚芯が濡れて温かいなにかに包まれる。
香坂の唇だと気付いた途端、羞恥で頭が沸騰しそうになった。
なのにそれだけで終わらせず、彼は唇だけでその部分をはむようにしつつ、より熱く滑る舌で淫らな突起の形をなぞりだす。
得も言えぬ感覚と全身を走る刺激に背中が弓なりとなる。
そのままほとんど肩と頭で身体を支えるようにしながら、菜乃花は身をぶるぶると震わせて鳥のような嬌声で啼く。
「ああーっ、あっ、っ、くぅ、んっ……ぁ、ああ、あ」
指とは違う、より繊細でいやらしい刺激にあちこちがビクビクと跳ねた。
同時に隘路から漏れる淫汁もはっきりとわかるほど増え、溢れだした汁は会陰を伝って尻まで垂れていく。
もうだめ、もうだめ、とうわごとのように繰り返しながら、快感と羞恥の狭間を行き来する。
あまりにも悦すぎて、ここがどこなのか、自分が誰なのかもわからなくなりそうだ。
「ん、すごく濡れてきた……。感じているんだな」
息が切れるほど菜乃花を喘がせていた香坂が、ちゅっと陰核を吸い上げてから嬉しそうに言う。
だけど答えることもできない。もう、与えられる愛撫を受け止めるだけで一杯一杯だ。
「これなら、入るか……」
言いながら菜乃花の脚を抱え直し、くすぐるように淫芯に触れてから隘路へと、長い人差し指ををあてがう。
まるで壊れることを怖れるような繊細さで花弁を割り、ゆっくりと、もどかしいほどの慎重さで男の指が中へと沈んでいく。
「ん……ッ、ん」
自分でも触れたことのない内部に自分以外の者が入ることに怖じけづいた身体が、わずかに硬くなる。
それは指を差し入れようとしている香坂にも伝わったのだろう、大丈夫だと言いたげに脚を優しくなでて微笑まれる。
「辛いか?」
「わかん、ない……ただ、なんかちょっと、変」
切れ切れとした息の合間に伝える。
実際、慣れない異物感に腹の裏側が変に震えていた。
「じゃあ、ゆっくり慣らそうな」
菜乃花の怯えや異物感を癒やすことはしても、行為自体はまったく止める気がない台詞であるが、不思議と嫌だとは思えなかった。どころか、一緒にがんばりたいとすら思う。
多分、これが好きな人とするということなのだと頭のどこかで少しだけ理解する。
自分だけでなく、相手だけでなく、一緒に悦くなろうと気持ちを寄り添わせるのが心地よく、幸せだと感じる。
途端、身体の力が少し抜けて香坂の指がずずぅっと中に沈む。
「んっ、んん……、ぅ」 -
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