書籍紹介
氷の王太子の灼熱の愛で妖艶に花開きました
氷の王太子の灼熱の愛で妖艶に花開きました
ISBN:978-4-596-57388-9
ページ数:306
発売日:2025年7月3日
定価:750円+税
  • あらすじ

    あなたを手放す気などない
    クールな殿下の甘やかしも独占愛も止まらない!

    侯爵令嬢ジゼルは、妖艶な外見のせいであらぬ噂を流され、婚約者であるクールな王太子イヴァンとはぎこちない距離感ができていた。ある日、噂の真相を問われて口論になった際、実はイヴァンが今まで激しくジゼルを想っていた事を告げられる。「どれだけ堪えていたと思う?」隠されていた彼の独占欲に甘く激しく抱かれ、とろける夜を越えた二人は――!?

  • キャラクター紹介
    • ジゼル
      侯爵令嬢。妖艶な見た目の自分と王太子とのすれ違いに悩んでいる。

    • イヴァン
      寡黙で無愛想だが、カリスマ性のある王太子。

  • 試し読み

    「……イヴァンは……そんなに私がほしいの?」
    「ほしい」
    すかさず返ってきた言葉に、これまで以上に一気に顔に熱が集まる。
    「……この数年、あまり目を合わせてくださらなかったのは……本当に私がこんな身体に育ったからではなく?」
    「違う。先ほど噂の真偽を尋ねたのも、君を責めるつもりじゃなかった。ただ、困ったことになっていないかと聞きたかったんだ……いつも、言葉が足りずすまない」
    彼がジゼルに欲を抱いていたという告白にも驚いたが、この謝罪にも素直に驚いた。
    彼は立場上、滅多に謝罪を口にしない。
    それなのに詫びるということは、彼なりに自分の言葉の足りなさを気にしていたともいえる。
    それに彼が自身の欲望で葛藤する姿も、想像したことがなかった。
    これほどの美丈夫で身分も高いとなれば火遊びの一つ二つしていてもおかしくはないし、浮名を流していたとしても不思議はないのに、そんなこととも無縁で、彼と関わりのある女性として真っ先に名を上げられるのはジゼルだけ。
    だからジゼルは勝手に彼にストイックなイメージを抱いていたのだ。
    だけど、彼だってまだ二十代前半の若い青年だ。
    欲を抱きもするだろうし、女の肌が恋しくなることもあるだろう。それに、彼はジゼルを愛していると言ってくれた。
    それだけで少し前まで抱いていた負の感情が綺麗に消えてしまうのだから、ジゼルも自分の単純さに苦笑してしまう。
    「……嬉しいわ」
    誰彼構わず異性の欲望を刺激する淫らな自分の身体や容姿が本当に嫌いだった。
    衣服の上から肌を透かし見るような、ねっとりとした纏わり付く異性の視線は嫌悪しか感じなかったし、隙あらばと伸ばされる手も、媚びるように甘く、それでいて女は従えといわんばかりの声も恐怖の対象でしかない。
    でも、イヴァンに触れられるのは怖くはない。
    あるのは喜びだけだ。
    「……俺を許してくれるか?」
    呟くようなイヴァンの声に小さく頷きながら、同時に笑ってしまった。
    確かにこれまでのぎこちない関係には悩みもしたし、先ほどもつい感情的になってしまった。
    イヴァンの言葉は足りなすぎて、彼の事情を推し量ることができずに困惑したし、傷つきもしたけれど、言葉が足りなかったのは自分も同じ。
    「私も、感情的になってしまってごめんなさい。ずっと不安で……堪えていたつもりなのに爆発してしまったみたい……」
    何度目かの涙がこぼれ落ちる。
    今度は安堵の涙だ。
    「ジゼル」
    「今はもう大丈夫です……ホッとして……気が抜けてしまいました」
    言葉を言い終えるか終えないかの内に、深くその腕に抱きしめられた。
    「……温かい」
    その温もりが与える多幸感にジゼルは自らも両手を伸ばすと彼の肩を抱き、今度は直接頬と頬を摺り合わせた。
    再び口付けで唇を塞がれたのはそれから間もなくだ。
    殆ど強引に押し入った熱い舌に喉近くまで暴かれて、舌と舌を強く擦り合わせられる。
    自然と溢れる唾液を啜り上げられるけれど、それでも呑み込みきれなかったものが口の端からこぼれ出て、ジゼルの頬を汚す。
    「あむ、んんっ、っむ……っ」
    そうしながらイヴァンの両手は丹念に豊かな乳房を揉み拉き、かと思えば下着の上からでは足りなくなったのか、襟に指が掛かり思えばそこから一気に引き下ろされて素肌が顕わになる。
    それこそ弾むように表にこぼれ出た乳房に、直に彼の手指が触れた。
    柔らかな肉の弾力に夢中になりながら、その中央で淡く色づき既にふっくらと立ち上がり始めた先端に彼の興味が移るのに時間はかからない。
    「あっ……ん……」
    乳房を両脇から持ち上げられ、その頂きへと触れる彼の指をジゼルは止めなかった。
    芯を持ち始めたそこを摘まむように指の腹で扱かれると、それだけでビリビリと肩が跳ねるほどの刺激を与えてきて、自然と甘みを帯びた声が小さく漏れてしまう。
    色を増し、より硬く尖る小さな胸の果実をこね回し、通常より速い鼓動を刻む胸の膨らみに口付けながらイヴァンは短く告げた。
    「抱くぞ」
    「……はい……」
    「責任は取る」
    お世辞にも気の利いた言葉とは言えないが、その声がこれまでよりも随分と柔らかく聞こえて、彷徨わせていた視線をおずおずと彼に戻したジゼルは見た。
    いつも引き結ばれているはずの彼の口元が、このときは柔らかく綻んで弧を描いている。
    声を上げて笑ったわけでも、そうとはっきり判るほど深い笑みを見せてくれたわけでもないけれど、はにかむような彼の笑みを何年ぶりに見ただろう。
    またしても、じわっと目頭が熱くなった。
    今日はどうも涙腺の具合がおかしいのか、泣いてばかりだ。涙を零しながら再び両手を伸ばして彼に縋り付く。
    「う~っ……っ! ん」
    唸るように漏らす声が途切れたのは、何度目かも判らないキスで口を塞がれたから。
    今度はジゼルの方からも積極的に彼を掻き抱きながら舌を伸ばし、その唇に吸い付く。
    胸元ではその弾力を楽しむようにイヴァンの手が柔らかな胸を揉む仕草を再開して、ときに尖った乳首を摘まみ、引っ張り、押しつぶし……やがて口付けが唇から顎、首筋、鎖骨と移動しながら胸に下りてくる。
    ことさら大きく開いたその口が、真っ赤に充血したそこに吸い付き、舐めしゃぶり始めたとき、ジゼルの背が大きくしなり、これまで以上に甘い声が吐息と共にこぼれ落ちた。
    「あっ、ぁあっ……!」
    ぬるっと舌が乳首を舐め転がし、もう片方の乳房をぐにゃぐにゃと弄られると、そのまま背骨が溶けてしまうような奇妙な感覚に身もだえる。
    吸われているのは胸なのに、なぜか腹の奥が熱くなって、何かが内側から溢れてくるような感覚に知らず腰も揺れる。
    片方の胸の先から離れたイヴァンの口付けはもう片方の胸へと移る。
    それと同時に艶めかしく身もだえするジゼルの胴体に中途半端に残るドレスを剥いて肌を顕わにしながら、脇腹から腹へ向かって手の平で撫で下ろされた。
    その刺激さえ産毛が逆立つほど気持ち良い。
    これまで知らなかった経験のないその快感は、ジゼルを容易く陶酔させた。
    腰の下まで下ろされたドレスが、下着ごと足元から抜かれる。
    何一つ隠す物のなくなった己の身体に心許ない気分を味わいながら、全身を観察するように見つめるイヴァンに尋ねた。
    「わ、私の身体……本当に気持ち悪くないですか……?」
    「……何?」
    イヴァンの眉間に皺が寄った。何度もしつこいと思われただろうかと不安になりながら言葉を紡ぐ。
    「……いつも、お母様にみっともないって言われるから……」
    イヴァンの顔が近づいた。
    そのまま頬に軽く口付けられ、続いて唇にも触れるだけのキスをして、彼は再び両手をジゼルの胸に添えると、そのまま下から上へ持ち上げるように触れてくる。
    「んっ」
    鼻から抜けるような甘い声が漏れた。首筋へと移った彼の唇が再びそこに吸い付いて、鬱血の痕を残す。
    そうしながらイヴァンは答えた。
    「侯爵夫人がどう言おうが、俺は美しいと思う」
    初心なくせに色気のある顔立ちも、泣きぼくろも。多くの女たちが羨むほど豊かで形の良い乳房も、淡いピンク色のその先端も。
    華奢な腰は折れそうなほど細いのに、肉付きの良い臀部は美しく張り、太腿から足首へ続く曲線も理想的な脚線美を描いている。
    「言っただろう、劣情を抱いていると。理性を奪われそうになるくらい魅力的な身体だ。あなたはもっと自分に自信を持って良い」
    イヴァンなりに褒めてくれることが嬉しくて、また泣いてしまいそうだ。
    これまで抱いていたコンプレックスが全て綺麗に消えていく感覚にジゼルは泣き笑いで肯くと、彼の手に従って自らその膝を割った。
    遠慮がちに晒された両足のその合間に、彼の指が滑り下りてきたのはその直後のこと。
    下腹を撫で、恥丘を下ってあわいを探るように触れた男の指先が、先ほどから潤いを増している女の花園へと触れる。
    「ん……」
    羞恥でとても見ていられなくて、ジゼルは掴み寄せたクッションに顔を埋めるけれど、イヴァンの方はぬるりと表面をなぞりながらも、熱く柔らかく蕩けているその場所の感触にすぐに夢中になったようだ。
    指が、動く。
    濡れ襞を掻き分け、その形を確かめるように幾度も。
    「ん、んぅ、ふ……」
    そのたびにジゼルの下腹がビクビクと波打つように悶え、太腿の内側がかすかに震える。
    これまで以上にうっすらと薔薇色に肌を染めゆく彼女の反応に気を良くしたのか、イヴァンの動きは徐々に大胆に、そして興味深く女の身体を探り、暴いていった。
    「あっ、あぁ…………っ」
    珠のような汗が滲んでジゼルの肌からシーツへと滑り落ちていく。
    身体が熱いのはイヴァンも同じらしく、無造作にクラヴァットを引き抜き襟元を緩めると、その肩から重たい上着を脱ぎ落として寝台の外へ放り投げる。
    その下のシャツが、しっとりと湿っている。彼の首筋を幾つもの汗の雫が滑り落ち、シャツに染みこんだ。
    もどかしげにそのシャツも、ボタンを引きちぎるように脱ぎ捨てて自らの肌を表したイヴァンは、体勢を変えると突然ジゼルの腰を大きく広げるように抱え上げ、その股ぐらに顔を近づけてくる。
    「えっ」
    さすがに驚いてジゼルが身を起こそうとするのと、おもむろに伸ばされた舌が敏感な場所を舐め上げてくるのは殆ど同時だ。
    「ひっ、あっ、ああっ!?」
    指で撫でられるだけでも経験したことがないくらい心地よかったのに、熱い舌で舐められ吸い付かれると、許容を超えた強烈な刺激に目の前で火花が散るような感覚に腰が跳ね上がる。
    けれどイヴァンに押さえ込まれた腰は僅かに身もだえするのが精一杯で、その代わりに背が折れそうなほど仰け反った。
    「ま、待って、つよ……強い……っ、ひ、あぁっ!」
    訴えているのにイヴァンはまるでこの夜の美酒や美食でも与えられたかのように目の前の女の花園に吸い付き、舌を這わせ、味わうのを止めようとしない。
    そのまま秘裂の上部にぷくりと顔を出し始めた小さな尖りを優しく、丹念に舐められると、火を押しつけられたような刺激とともにジゼルを高みへと押し上げた。
    「あ、あう、は、はー……っ……ぅ……」
    はくはくと入り口が大きく蠢いているのが判る。奥から止めどない愛液がどっと溢れ出てそこにあるものを濡らす。
    イヴァンが指を添え少し強く押すと、柔らかくなった入り口は容易く彼の指を呑み込み、そして奥深くへと招くように蠕動して吸い付きながら締め上げるのが判った。
    彼が指を抜き差しするたび、ぐちゃぐちゃと聞くに堪えない音がする。
    それと同時に内側を指の腹で探りながら擦られると、内臓に直接触れられる奇妙な感覚とともに、中が開かれるような僅かな痛みを覚える。
    だがそれもすぐに外側の陰核に再び舌を這わされると小さな痛みも気が狂うような快感に変わって、全身を湧き上がらせるような熱の波と共に再びジゼルを乱れさせた。
    「あっ、あ、あっ、あああっ!」
    とうとう堪らず、イヴァンの押さえつける手の中から逃れるように華奢な腰が跳ね上がった。
    愛液は源泉から湧き出るかのように次々と溢れ出て、シーツを、イヴァンの手や口を、そしてジゼルの肌を淫らに濡らす。
    息が、苦しい。腹の中で何かが渦を巻いているようだ。
    「はっ……は、はぁ……」
    慣れない刺激の連続で、ジゼルの身体はすでに疲労困憊だ……それなのに、何かが足りないと思うのはどうしてなのか。
    荒く息を整えながら、緩慢に閉じていた目を開くのと、ごそごそと衣擦れが聞こえた後に身体の中心に熱い何かが押し当てられるのとは殆ど同時だった。
    一瞬、それが何か判らなかった。
    きつく閉じていた目は鮮明な視力を取り戻すのに少し時間が掛かる。
    ぱちぱちと目を瞬かせて、ようやくジゼルがそれを目にしたのは、先端が浅く食い込んできたころだ。
    「あっ……」
    大きく広げられた自分の両足の間に、イヴァンの腰が収まっている。
    寛げられた彼の下肢から突き出たものが何であるのかを理解したのは一瞬遅れてから。
    小さく声を漏らしたジゼルの目が丸く見開かれている様にイヴァンは気付いたようだったが、何も言わなかった。
    ただ、その瞳を目にしたとたん、ゾクッと背筋から腰へ駆け抜けた痺れのような感覚はなんだろう。
    まるで自分の身体がその先を切望しているようだ。
    まだ抱かれたこともない無垢な身のはずなのに、女の身体はその先がどうなるかをすでに本能で理解しているように。
    「……身体の力を抜け。そうでないと、きっとあなたの身体が辛い」
    「は、はい……」
    言われたとおり浅い呼吸を繰り返し、できるだけ身体から力を抜くように努める。
    「うっ……く……」
    すると身体の中心を開くように膝がこれまで以上に割られ、ぐぐっと体重が乗ってきた。
    圧倒的な質量を誇るものがずぶずぶと身体の中心を貫くように押し入ってくる。

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