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あらすじ
エリート陸上自衛官×恋愛経験ゼロのピアノ講師
まっすぐな熱情に絆されて…♥ピアノ講師の光希は、陸上自衛隊のエリート部隊である第一空挺団に所属する利人から猛烈なアプローチを受け、お付き合いをすることに。「好きにさせてみせるから、君を俺にくれ」甘いキスや溢れるほどの熱情に戸惑いながらも、初めての恋に溺れていく光希。鍛え上げられた逞しい身体に組み敷かれ、淫らな愛撫で蕩けるほど快感を覚えさせられて…?
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キャラクター紹介
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長谷内光希(はせうち みつき)
カルチャースクールのピアノ講師。母と折り合いが悪く実家から勘当されている。 -
上田利人(うえだ りひと)
陸上自衛隊の第一空挺団の陸曹長。光希に一目惚れし、ピアノを通して接近を図る。
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試し読み
バーベキューから利人さんの家に帰宅して、そこからはいつもどおりだった。
晩御飯を作って、……といっても私は疲れ果ててしまったせいでほとんど手伝えずに半分寝ていたのだけれど、一緒に食べて、片づけて、交代でお風呂とピアノの練習をして。
その間、信じられないことに、ずっと、ずうっと、熱がくすぶっていた。もてあます、身体の中を疼かせるもったりとした甘い熱。
『帰ったらいっぱいしてやるから、いま我慢できる?』
……それを、ずっと期待して。
なのに今日に限って、利人さんはさっさと眠ってしまう。私に広い背中を向けて、健康的にすやすやと。
私は常夜灯の灯りの中、その背中を見つめていた。
「利人さん」
私は起き上がり、彼の精悍な顔を覗き込む。ぴったりと閉じられた瞼。
私はころんと横になり、彼の大きな硬い背中に顔を埋めた。肩甲骨の間だ。利人さんの匂いがした。余計に劣情に火がつく。
「利人さ……ん」
情けない声になってしまった。
下腹部が、痛いくらいに切ない。
太ももをもじもじと擦り合わせる。どうしたらいいのか、わからない。
肉芽が掻痒感で切ない。最奥はとっくに潤んでいる。
彼のTシャツをぎゅうっと掴み、利人さんの匂いを大きく吸い込みながら、自分の呼吸が荒くなっていくのを覚える。
「苦しい、よ……」
私は腰を利人さんに押しつけ、Tシャツを握る手に力を込める。
「助けて」
「光希」
はっきりとした声だった。
目を丸くするのと同時に、利人さんはがばりと起き上がって私にのしかかる。
「えっろい声して誘って……孕ませるぞ」
見下ろす瞳は、ぎらぎらと欲情していた。ずっと起きていたのだと、ようやく気がついた。
「あ、意地悪……っ」
「意地悪ってなに?」
素知らぬそぶりで彼は言い、私の乳房を柔らかくぎゅうっと握る。そうして何度か揉みしだいたあと、先端をピンっと指で弾いた。
「あ、ん……っ」
「すげえ硬い。触ってほしくて勃ててた?」
「んあ、そんなん、じゃ……」
「じゃあ」
利人さんはにやりと笑い、私の足の付け根に手を伸ばす。
「助けて、ってなに?」
そう言いながら、パジャマ越しに肉芽をぎゅっと摘まむ。
「あ、ああ……っ」
ずっと欲しかった刺激に、思わず頤を反らせる。背骨を伝う快楽に、頭の中が一瞬真っ白になった。
「これくらいでイった? 可愛いな」
顔面中にキスが落ちてくる。額に、頬に、こめかみに。鼻の頭なんて軽く噛まれたりしたけれど、そんなことに構っていられる状況じゃなかった。
ちょっと摘ままれただけなのに、信じられないくらい深く達してしまった。頭の奥がくらくらする。
それと同時にお腹の奥のもったりとした熱が弾けたように激しくうねるのを覚え、それに耐えるので必死だった。
挿れて。
欲しい。
利人さんのが。
あの、硬くて、大きくて、熱い、の。
ちょうだい。
頭の中が、そんな浅ましく淫らな文言でいっぱいになる。私はふうふうと呼吸を繰り返しながら、この熱の波が過ぎ去るのを必死で待った。
けれど、全然収まってくれなくて。
「腰、揺れてる。かーわいい」
利人さんの愉しげな声が鼓膜を震わせる。
私は限界を迎え、眉を下げて上ずった声で懇願する。
「も、無理……利人さあん……」
利人さんは軽く目を瞠ったあと、表情を優しいものに変えて私の前髪をかき上げる。
「ごめんな。帰ってからずうっと欲情してる光希が可愛すぎて、ちょっと意地悪してしまった」
汗ばんだ額に落ちてくるキス。私はうっとりとその温かさを感じながら、するするとパジャマが下着ごと脱がされていくのを感じる。
「はは、びしょぬれ」
利人さんが私の足の付け根に指を這わせ、とても嬉しそうに笑う。そして指をずぬりと挿し入れた。
「あ」
短い悲鳴みたいに喘いで、太い指を締め付ける。腰が勝手に動いてしまう。
「これ慣らさなくていいくらい濡れてるな。ごめんな、意地悪して」
少し申し訳なさそうに彼は言って、指を増やしてばらばらに動かす。
「あ、イく、……っ」
半泣きでそう訴え、でも指では満たせない熱がさらにお腹の奥に溜まる。
「無理」
なんて情けない、ふしだらな声をしているんだろう。
「やめる?」
微笑む彼の下腹部は、スウェットを高く押し上げている。そこから慌てて目を離しながら「違……」と首を振ると、利人さんはふっと笑った。
「まあこの状態でお預けされたら、キツいのは俺のほうなんだけどな」
そう言ってスウェットを下着ごとずらす。昂ぶった屹立が先端から露を垂らし、太い幹にはくっきりと血管を浮き立たせている。
「これ、欲しい?」
そう問われ、ほとんど間を置かずに「はい」と答える。
「欲しい、ちょうだい……」
「……そんな顔されたら、なんでも言うこと聞いちゃうよな」
彼は困ったように笑い、ヘッドボードの棚からコンドームを取り出す。手早く装着し、入り口に宛がったと思いきや一気に最奥まで貫いてきた。
「あ、ああ……っ」
知らず、足が跳ねる。彼は私の腰を掴み、荒く息を吐き出しながらごつごつといちばん奥を突き上げてくる。
「あ、あん、んんっ、ふ、あ、だめ」
私は何がダメなのかわからないまま、ダメと繰り返す。私の中を、彼の硬く昂った熱がずるずると動いている。ぐちゅぐちゅと水音がまき散らされ、肉襞が細かく痙攣しているのがわかる。粘膜は蕩け、ただ彼に夢中になって吸い付いていた。
そんな私の中を、彼は遠慮なしに動く。気持ちの良いところを擦り上げ、肉張った先端で抉る。私のナカが悦んで涎を垂らしている。
「ダメ、ダメ……っ、おか、しくなっちゃ……っ」
「なっていいよ。可愛いだけだから」
大きな手で髪の毛をごしごしとやや乱暴に撫でられた。頭皮を彼の太い指先が擦っていく。はあはあと荒い呼吸が落ちてきていた。
お腹の中で、溜まりに溜まっていた熱がぱちんと弾けた。
目の前が真っ白になる。口からはみっともない、上ずって甘えきった声が細く高く零れ落ちた。呼吸もままならない。
頭の芯が痺れて、しまって。
「イってる光希、ほんと可愛いな」
そう言いながら、利人さんは腰を止めてくれない。私は混乱してうまく力が入らない身体のまま彼の名前を必死で呼んだ。
「りひ、とさん……っ、今、イった、の……あんっ」
いつもなら、彼は私がイくと少し休ませてくれる。
なのに。
私の訴えは聞こえているはずなのに、利人さんは止まってくれない。ぐりっと最奥をこじ開けようとでもするように彼は腰を動かし、笑った。
「わかってるよ。びくびくして吸い付いて、すごく健気で可愛い」
そう言って私の下腹部を撫で、軽く、本当に軽く押した。
それだけの動きが、達したばかりの私を再び高みに押し上げようとする。
「あ、ぁ……っ?」
疑問でいっぱいの嬌声が勝手に口から零れた。利人さんは相変わらず腰を動かしながら明るく笑う。
「気持ちいい?」
「あ、やだこれ、なにこれ……っ」
勝手にナカの肉がぎゅうっと彼を締め付けて痙攣する。子宮が淫らな本能に従ってわなないて、最奥がうねるのを知覚した。その間にも、彼は屹立で私のナカを擦り上げるのをやめてくれない。
「あ、だめ、利人さん、だめっ」
口ではそう言っているのに、私の腰は勝手に上がる。ぎゅうっとシーツを握りしめた。
利人さんが下腹部を押す力を、ほんの少しだけ強くする。同時に激しく抽送され、私は自分から出ているとは思えない淫らすぎる悲鳴を上げ、またイってしまう。ぼたぼたと涙が零れた。
「ふぁ、ぁ……」
イっている私の腰を掴み、彼はまたしても動きを止めない。むしろ律動が力強くなっていた。腰と腰が当たる音、ベッドが軋む音。ぐちゅぐちゅとぬるついた水音が散った。
やだ、無理、イっちゃう。
そんな言葉は、みっともない喘ぎ声にしかなってくれなくて。
イっているのに、さらにイかされる。
「死んじゃ、あ、う」
「死なないよ、大丈夫」
世界でいちばん優しい声をしている彼は、私を暴力的に高みに連れて行ったまま、下ろしてくれない。
これ以上イくと本当におかしくなってしまうと感じて、必死でイくのを我慢するのに、私のナカを動く硬い熱がそれを許してくれない。頭の中は真っ白で、思考は何もない。もはやただ揺さぶられ、絶頂させられているだけの肉だ。
「愛してる、光希」
そう言って利人さんが私をかき抱く。ごつごつと奥を彼のものが突き上げる。そのたびに達して、口からは嬌声と涎が零れている。
半ば潰されるような体勢で、もう何度目かわからない深すぎる絶頂を与えられ、声さえもう出てくれなかった。利人さんにしがみつき、自分のナカで彼の熱をただ喰いしばった。
それと同時に、彼が私のナカで欲を吐き出した。私の最奥はうねって激しく痙攣を繰り返していた。
孕もうと、している。
自分の本能に驚く私のナカで、利人さんは全てを吐き出そうとゆっくり腰を揺らめかせた。
そのゆるい律動が、信じられないほど気持ちがいい。吐き出して力を抜き始めた彼の屹立をぴくっと締め付けてしまう。
……いや、いま、私はたぶんなにをされてもイくのだろう。
「……光希」
利人さんが私の頬を撫でる。
「顔、とろとろ。気持ち良かった?」
ちゅ、ちゅっ、と何度も触れるだけのキスをされる。彼は私から出て行って、私はぽかんと天井を眺めた。他に何もできない。指先さえ動かすのが億劫だ。
やがてじわりと眠気に包まれ、目を閉じようとした瞬間、鋭い快楽に目を見開く。
「っ、あ」
私の胸の頂を、利人さんは指で摘まんで軽く押し潰す。
「ん、ぁ、あっ」
もう声も出ないと思っていたのに、簡単に蕩けた声が出て泣きそうになる。
女の身体とは、こんなに淫らなものなのか。
「光希、ごめんな。もう少しだけ頑張れるか?」
目線をゆるゆると上げると、眉を下げ本当に申し訳なさそうな顔をした利人さんと目が合う。
あの、なんでも言うことを聞いてしまう、精悍で武骨な利人さんが浮かべる不思議な表情。
気がつけば頷いていて、利人さんは嬉しげに私にキスを落とす。そうして私をくるりとシーツにうつ伏せにして、優しく背中を撫でる。骨のひとつひとつを確認するかのような、そんな動きで……。
「楽にしてていいからな?」
そう言いながら、硬く太い熱を私の足の間にねじ込んでくる。濡れてとろとろのそこは、簡単に彼を受け入れて──どころか、悦んでぎゅっと吸い付いてしまう。
「ん、ぁ」
「可愛。イった?」
よしよし、と背中を大きな温かい手が撫でる。穏やかな低い声、優しい手のひら。
なのに、私の悦楽を苛む熱だけは、どこまでも暴力的で。
「ぁ、んんっ、は、ぁっ」
「すぐ終わるからな?」
彼はそう言いながら私にのしかかる。重くないよう、気を遣ってくれているのがわかる、けど──ぎゅっと手を握られた。そうして指を彼は舐める。口に含まれ、舌で扱かれ、甘噛みされる。
「はぁっ、ぁあっ、利人、さ」
大好き。
目の前が真っ白になる。
蕩けた思考で、ただひたすら、私は彼に全部食べられてしまいたいと、そう思った。 -
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