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あらすじ
ドS王子のしかけた甘い罠にからめ捕られてしまい……
アリシアが出会った商家の息子は、実は第二王子のユリエルだった! ユリエルにプロポーズされ、そのまま王城で一緒に暮らすことに。情熱的に口づけられ、奪うような甘い愛撫に翻弄され、快楽の高みへと昇らされてしまう。気持ちはどんどん彼に傾いていくけれど、アリシアはユリエルに振り回されてばかり……。本当にこのまま結婚していい――!?
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試し読み
「私はね、アリシア。今すぐに知りたいんだ」
反論は許さないとでもいうかのようにきっぱりと告げて、ユリエルは彼女の頬を撫でた。
「あっ……」
そして、彼はゆっくりと顔を近づけてくる。
「君の唇がどんな味なのか……」
「んっ……」
ちゅっと唇を合わせるだけの、軽いキス。それはアリシアにとって、初めて口と口でするキスだった。
「君の肌がどんな風に赤く染まっていくのか……」
囁いて、ユリエルはナイトドレスの上から彼女の身体を撫でる。自分で触れるのとはまったく違う感触に、アリシアはびくっと身を震わせた。
「君の胸がどれだけ柔らかく、私の手でどう形を変えてくれるのか……」
「ひぁっ……」
肌蹴た胸元から、ユリエルの手が滑り込んでくる。
それは豊かな曲線を描く双丘を一撫でして出ていき、今度は服の上からアリシアのお腹に触れた。
「君の中が、どれほど熱く私を受け入れてくれるのか」
「……っ」
ユリエルの手がへその辺りをつうっと撫で、徐々に下降していく。焦らすような動きがくすぐったくて、怖くて、アリシアは思わずきゅっと目を瞑った。
そんな彼女の反応に「ふふっ」と笑い声を上げて、ユリエルはその指先をアリシアの唇に向けた。
そして薄桃色の唇にふにふにと触れ、言う。
「君の唇は甘いんだね。お菓子をよく食べているからかな?」
「そっ」
そんなわけないじゃないと、アリシアは反論する。
しかしユリエルがにっこりと笑って「甘いよ?」と言うので、もしや本当にそうなのか? と思ったアリシアは、自分の舌でぺろっと唇を舐めてみた。
「…………」
味は……しない。やっぱり甘くなんてないじゃないか。
「あははっ、そこで実際に確かめるとか、アリシアは本当におもしろいなあ」
「なっ、だっ、だって。あなたがあんまり甘い甘い言うから!」
「物のたとえってやつだよ。私にとって君の唇はそれだけ甘美だってこと」
言って、ユリエルが再び唇を合わせてくる。
「んっ」
しかし二回目のキスはただ触れ合うだけでは終わらず、わずかに開いた隙間から、彼の舌が入り込んできた。
「んぅっ、んんーっ」
口の中を舌で弄られるなんて初めてで、アリシアは驚きのあまり目を見開いてしまう。
(な、何これ……っ)
抵抗したいのに、身体をがっちりと押さえつけられていて叶わない。しかも歯列や柔らかい粘膜を舐められるごとに、身体から力が抜けていってしまう。
それだけでなく、くすぐったさを極めたような感覚が込み上げてくる。いったいどんな魔法を使われたのか、初心なアリシアにはわからなかった。
「……はぁ……っ」
口付けの合間、零れる彼女の吐息は荒く艶めかしい。
それに煽られたかのように、ユリエルは口付けをさらに深めていった。
「んっ、あっ……」
アリシアはわけもわからず、淫らなキスに翻弄される。
「んぁあっ、んっ」
そして舌の裏側、口内でも一番敏感なところを彼の舌で舐め上げられた彼女は、びくびくっと身体を震わせてしまった。
「……ふふっ、可愛い……」
「…………っ」
ようやく顔を離したユリエルが、目に涙を浮かべ、困惑した表情を浮かべるアリシアを満足げに見下ろす。初めての感覚に――初めての快感に戸惑う彼女はとても愛らしいとでも言いたげな顔で。
「あっ……んんっ」
もう一度、今度は啄むような口付けを与えながら、ユリエルは肌蹴たアリシアの胸元をさらに広げ、双丘を露わにさせる。
(ひゃぁっ)
ドレス姿の時に胸の上部を出すことはあっても、その全体を……ましてぷっくりと桃色に色づく頂まで人目に晒すことはなく、アリシアは恥ずかしさに身悶える。とっさに両手で隠そうとしたが、それは両手を拘束されていて果たせない。
「くっ……」
「前から思っていたけど、アリシアの肌って雪みたいに真っ白くて綺麗だよね。あんまり日焼けしない性質なのかな?」
「…………」
「ここも綺麗なピンク色だね。可愛い」
「ひぁっ!」
くすくすと笑って、ユリエルの指が淡く染まる頂をきゅっと摘まみ上げる。
そして彼は、真っ白い双丘をやわやわと揉み始めた。
「ふふっ、柔らかくて気持ち良い。マシュマロみたいだ」
「や、やだぁ……っ」
アリシアは嫌々と首を振るけれど、胸を揉みしだかれ、頂をつんつんと突かれる度、その華奢な身体がびくっ、びくっと快感に震えることを、ユリエルは見逃さなかった。
「あっ……あぁっ」
やがてユリエルは彼女の胸元に顔を埋め、唇と舌でも愛撫を施していく。そしてしっとりと汗ばんだ肌に口付け、舐め、ちゅうっと吸いついて赤い痕を刻んでいった。
(ど、どうして……っ)
最初は肌をきつく吸われる度、ちりっとした痛みを感じて嫌だった。
なのにアリシアの身体は、だんだんとその痛みを気持ち良いと感じてしまう。もっとしてほしいとさえ、思ってしまうのだ。
こんなこと、嫌だったのに。胸を揉まれることも、肌を舐められることも、恥ずかしくてたまらないのに、どうして……?
どうして自分は、彼にもっと触れてほしいと思ってしまうのだろう。
「ううっ……」
「可愛いね、アリシア」
彼女の身体を味わいながら、ユリエルは何度もアリシアに「可愛い」と囁いた。
その言葉にどれだけの心が伴っているのか、アリシアにはわからない。本心から言っているようにも思えるし、それは見せかけだけで、ただ情事を盛り上げるために言っているだけなのかもしれないとも思う。
けれどその言葉は、その甘い囁きは、疑いを捨て切れないアリシアの心に深く入り込んできて、彼女から抵抗する気持ちを奪っていくのだった。
「ああっ……」
ユリエルは初心なアリシアの身体を丁寧に丁寧に愛撫していった。
彼女はガウンを羽織ったままの状態で両手を拘束されているので、今のところ露出させられている部分は胸元からお腹にかけてのみ。直に触れられる場所は限られていたけれど、そこには赤い痕がいくつも散っていた。
せめてもの救いは、ドレスで隠せる部分にしか痕が残されていないことだろうか。
とはいえ、もし正気に返ったアリシアが今の自分の身体を見たなら、きっと仰天するに違いない。そのくらい、ユリエルの愛撫は執拗だった。
「あっ、ああっ……」
そうと知らず、彼女は与えられる快楽に喘ぎ、不自由な身をよじらせる。
触れられているのは上半身ばかりだというのに、いつからか下腹の奥が疼くような感覚があった。
するとそれを察したかのように、ユリエルがナイトドレスの裾を捲し上げ、ドロワーズの上からアリシアの秘所を撫でる。
「ひゃあっ……」
下着の上から触れられただけで、彼女の身体に甘い痺れが走った。
「アリシアは感度が良いんだね。嬉しい発見だ」
ユリエルはそう評して、ドロワーズのリボンを解いた。
「い、いや……っ」
またも恥ずかしい部分が彼の目に晒されてしまう。
アリシアは思わず足をばたつかせて抵抗しかけたが、ユリエルに「縛られたいのかな?」と脅されて、大人しくなった。
リボンが解かれ、緩まった下着に手をかけられ、足から引き抜かれる。
「…………っ」
そうして露わになった女の部分。秘められた花園を守るのは、彼女の紅茶色の髪と同じ色の薄い茂みだった。
「いやっ、見ないでぇ……っ」
(恥ずかしくて、死んでしまいそう……っ)
羞恥に頬を染め、滲む涙を堪えて、アリシアは顔を背ける。
しかしそこで言う通りにしてくれるような男だったら、彼女はそもそもこんな事態に陥ってはいないだろう。
「…………っ」
露わになった肌に、ユリエルの眼差しが突き刺さる。まるで視線で犯されているようだと、アリシアは唇を噛んでこの羞恥に耐えようとした。
するとそれまでひとしきり彼女の身体を眺めていたユリエルが、ゆっくりと身を寄せてくる。
そして彼はアリシアのお腹、へその下辺りにちゅっと触れるだけのキスを落とした。
「んっ、やっ……」
お腹に当たる彼の髪がくすぐったくて、アリシアはたまらず唇を噛むのを止め、声を上げる。
「や、やめて……」
「だーめ。やめない」
アリシアの言葉を一蹴し、ユリエルはその標的を下へと移していった。抵抗を禁じられた彼女の足――太ももを開かせ、露わになった秘裂に顔を近づけて、その舌先を伸ばす。
「まっ、待って。だめっ……ひゃあっ……」
ユリエルが今更彼女の制止に応えるはずもなく、彼はアリシアの秘密の花園を唇と舌で蹂躙し始めた。
「だめっ、だめよ……っ、そんな、汚いところ……っ」
湯浴みしたばかりとはいえ、不浄の部分を誰かに舐めさせるなんてありえない。
「汚くなんてないよ」
秘所に顔を埋めたまま、ユリエルが笑った。敏感な部分に彼の吐息が当たって、ぞくぞくっとする。
「それにほら、もうこんなに蜜を零して……。よっぽど気持ち良かったのかな?」
「なっ……!」
自分の痴態をはっきりと口にされ、アリシアはカッと頬を染めた。
「そっ、そんなわけ……」
「そうかな?」
ユリエルはいったん顔を離し、今度は指で彼女の秘裂に触れる。
「んっ、あっ、いやっ、やめて……っ」
彼が指を動かす度、くちゅっ、ぐちゅっと淫らな水音が響いた。ユリエルの言う通り、アリシアの蜜壺からとろとろと蜜が溢れ出ているのだ。
「君は感じやすくて、濡れやすい。これでまた一つ、アリシアを知ることができたね」
からかうように言って、ユリエルは「そんなことっ……」と反論しようとしたアリシアの口を己の唇で塞ぐ。
「んんっ……」
舌を搦め捕られて、アリシアは初めて自分の蜜の味を知った。
そうして彼女の口を貪りながら、ユリエルは秘所を弄る指を二本、三本と徐々に増やしていく。
「あっ……むっ……ん、あっ……」
キスの合間に零れるのは、乱れた息と淫らな嬌声。
惑い、行為を拒否する心とは裏腹に、アリシアの身体はユリエルの手管に翻弄され、素直な反応を見せてしまう。
「んっ、んんーっ」
秘所を直接弄られるのは、上半身を愛撫されるより何倍も気持ち良かった。もしこの両手が自由だったなら、アリシアは自ら彼の身体に縋りついていたかもしれない。
そして、ユリエルが一番敏感な花芯をきゅっと摘まんだ瞬間――
「ああああっ」 -
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