-
あらすじ
意地悪な王子の腕は甘美な執愛の檻――。
王の庶子であったために市井で暮らしていた王子・ヴァレリアンを見つけ出した幼き日を誇りに思っていたリディアーヌ。しかし、彼からはそのことを恨んでいると告げられた。ヴァレリアンの腕に囚われ、夜毎与えられる甘やかなのに苛烈な快感に心身共に侵食されていく。何とかヴァレリアンの心に寄り添いたいと、リディアーヌは一大決心をして……。
-
試し読み
「目を開けて、誰がお前に触れて居るか見ていろ」
リディアーヌが恐る恐る目を開くと、ヴァレリアンは爛々と瞳を光らせて此方を見ていた。視線を合わせていられず、つい顔を背けてしまう。
そうすると、容赦なく叱咤の声が飛んだ。
「目を逸らすな。私を見ろ、リディアーヌ」
彼の整った美しい顔に見られていると、恥ずかしくてドキドキして、平静でいられないのだ。
「で、殿下……、恥ずかしいです……」
「ふん、なかなか男心をくすぐるようなことを言う。ちゃんと見ていろ」
ヴァレリアンは胸元をいくつも吸って跡を残していく。たちまちリディアーヌの胸はキスマークだらけになってしまった。
「っ、殿下、痛いです」
「強く吸いすぎたか」
そう言うと、ヴァレリアンは舌を伸ばして胸の先端を下から上へと舐め上げた。
「あっ……!」
予期していなかった刺激に、リディアーヌが思わず声をあげてしまう。
すると彼はニヤリとして言った。
「これなら痛くはないだろう?」
「っ、ですが……っ、あんっ」
話そうとするが、胸の先端を舐められながら、もう片方の先端も指で弄られる。吸い付かれた痛みの後に甘い刺激を受け、リディアーヌの身体はたちまち潤い始めた。
それを肌で感じ取ったのだろう、ヴァレリアンは胸の先端に口付けながら、リディアーヌの身体中を撫で始めた。
脇腹や腹部を撫でられただけでぴくぴくと動きながら喘いでしまう。
リディアーヌは必死に声を抑えようと唇を嚙みしめた。
「此方も舐めてやろう。片方だけでは可哀想だからな」
そんなことを言って、もう片方の先端も口に含んで舐め回す。両胸の先端はたちまち彼の唾液に塗れ、濡れて色付いた。
「はぁっ、あっ、……んっ」
胸を弄られているだけで、下腹部がむずむずしてとろりと零れてしまう。
ヴァレリアンに口付けられたり、触れられたりするようになってから、リディアーヌの身体は以前と少し変わってきていた。
何だか身体が疼いたり、彼のことを思い出すだけで下着が濡れてしまったりするようになったのだ。
何も考えないようにしているが、夜もなかなか眠れず寝返りばかり打つ日もあった。
リディアーヌの身体は、ヴァレリアンに触れられて悦んでいるのだ。
「ここも、口付けの跡を残してやろう」
ヴァレリアンはリディアーヌのお腹に口付け、徐々に下に頭を下げていく。
ちゅ、ちゅと吸われると同時に、彼の髪が身体に擦れる。その感触にも、リディアーヌはどきどきとしてしまうのだ。
やがて、下腹部まで彼の頭が下がると両足を広げられた。
太ももを大きく開き、秘所が彼の顔の前に曝け出される格好だ。
リディアーヌは羞恥で抗った。
「やっ、やめてください、見ないで……っ」
「今まで散々、我慢して見るのもやめていたのだ。リディアーヌ、お前はいつまで私を拒絶するつもりだ」
「拒絶だなんて……。人に見せるような場所ではございませんので、恥ずかしいのです。おやめください……」
リディアーヌが足の間にいるヴァレリアンに弱々しくお願いすると、彼はニヤリとして言った。
「断る」
「っ……」
「それに、お前の身体は悦んでいる」
蜜口から蜜が溢れ、足の間はぐっしょりと濡れていた。
そのことを揶揄されているとわかり、リディアーヌは真っ赤になってしまった。
頰が熱くて、目元が涙で滲む。
「やっ、やめてください……、こんな恰好……」
今まで、リディアーヌが嫌がるので服を全て脱がされたことはなかったし、秘所を見られたこともなかった。
だが、ヴァレリアンはもう我慢したくはないらしい。
内腿に思いきり吸い付かれ、そこにもキスマークを残される。
両方の内腿に何度も口付けられ、リディアーヌの足の力は抜けてしまった。
足が開いたままになっているのを見て、ヴァレリアンは両手を柔らかな襞に触れさせた。
そのまま、襞を割り開く。今まで誰にも見られたことのない一番敏感な突起が露出してしまった。
「あっ、いやぁ……っ」
空気に触れて、彼の目に晒されていると思うだけで感じてしまう。
ひくつく秘所を、ヴァレリアンはためらわずに舐め上げた。
「ふぁっ! あっ、そんな、いけません殿下……っ、あぁっ!」 -
関連作品