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試し読み
「ステラの声は、もろにくるな」
乳房をぺろりと舐めたルーファスの欲望に染められた声が聞こえる。
「とても興奮する」
恥ずかしいことを言わないでほしい。
そう、ステラがルーファスに言おうと視線を胸元に注いだ瞬間、彼の鈍色の瞳が煌めく。
「……だ、め」
口元で薄く笑った彼が、この間のようにステラのいやらしく勃起した乳首を咥え込もうと口を開いた。また、あのときの言葉にならない快感に侵される。そう思うと自然に乳首が硬さを増し、彼の咥内へ誘い込まれるのを待った。
「ッ、あぁ――!!」
ルーファスの舌先がステラの色づいた乳首に触れ、そのまま口の中へ誘い込まれると、待ちわびた快感に包まれる。言葉にならない声があがり、それが吐息に変わるころ、彼の舌先は容赦なくステラの乳首を弄んだ。
「やぁ、あ、あん、……っはぁ、……そんな、に、しちゃ……ッ」
舌先で乳首を転がしたかと思うと、すぐにちゅくちゅくと吸い付く。そのたびに甘い痺れが全身に広がって、身体がやたらと跳ねる。咥え込まれたステラの乳首は気持ちがいいとでも言うようにどんどん硬さを増していく。
「っはぁ、あ、……ん、も……ッ」
最後に、ちゅるっと吸い上げたルーファスが、ゆっくりと顔を上げた。乳首と彼の形のいい唇を繋ぐ銀糸がいやらしく光る。唾液に濡れる彼の唇が、今度は妖艶に告げた。
「そう急くな。こっちもちゃんとかわいがるから安心しろ」
「……え?」
「咥えてほしそうに、硬くしてる」
片方の手が、ステラの反対側の乳首を指先で揺らした。ぴんと勃ったそこが、さらに硬さを増す。
「ほら、また硬くなった。……見られても硬くなるなんて、いやらしいな」
「そんなこと……!」
「いやらしいよ。ステラは、とてもいやらしい。……その証拠に、俺が君に溺れてる」
そしてルーファスは、次に反対側の乳首に吸い付いた。
「っやぁああん。……も、あ、……あぁっ」
舌先から与えられる甘い快楽に、身体が蕩けていく。奥から溢れだした快感の証は、ステラの蜜口を綻ばせ、さらに溢れた蜜で腿の内側が濡れる。はしたない己の蜜に気づかれたくなくて足をこすり合わせるのだが、溢れた蜜がドレスに滴ってしまう。
お願いだから気づかないで。
そう思うステラとは逆に、乳首を弄っていたルーファスの手が身体をなぞるように下へ向かった。そして、腰にたまったドレスを器用に脱がせていく。
「や、だめ……!」
「だめじゃない」
抵抗を口にしたステラの乳首を、黙れと言わんばかりにルーファスが勢いよく吸い上げた。目の前がちかちかするような快楽に、甘い嬌声とともに腰が上がる。その隙を狙って、ルーファスは素早くステラの腰からドレスを引き下ろした。膝まで一気に下ろされたドレスは足元でかさばった状態になり、ステラの下腹部は曝け出されてしまった。むき出しの太ももを、彼の大きな手のひらがゆっくりと撫で上げる。
赤面し、羞恥で涙を浮かべるステラを一瞥したルーファスは、さっきまで嬲っていた乳首を放して耳元に唇を寄せた。
「恥ずかしそうな顔をして、どうした?」
「なんでも」
「ない、とは言わせない」
くちゅり。淫猥な音とともに、蜜口に指先が埋まる。
「っやぁ」
「ここを滴らせるほど、気持ちよかったのか?」
耳に吹き込まれる甘い声に、身体がふるりと震えた。
「そ、れは……」
「ここも、もう膨れてる」
嬉しそうに鈍色の目を細めたルーファスが、撫でるように指先で花芽に触れる。溢れた蜜をぬりたくるようにして、そこを指先で転がしてきた。
「や、あ、あ」
身体をびくびくと震わせながら身を捩ったステラは、横で寝そべるルーファスに縋りつくようにして、彼のシャツを握りしめた。その胸元に顔を押し付け、首を横に振って快感をこらえる。
「ステラ、かわいい」
ちゅ、と頭に唇を落とされた刹那、蜜口を指先で弄っていた彼の指が蜜壺のナカへゆっくりと入ってきた。
「――ッ!!」
ずぷずぷずぷ。入ってくる彼の指の感触が擦られる肉壁から伝わってくる。しとどに溢れた蜜で潤った隘路を突き進んでくる指が、不意にくいっと曲げられた。
「っあぁん」
奥に当たる指先が、ナカを撫でるように抽挿を開始する。
「ん、ん、あ。……なに、これぇ……」
「すごいな……。まだ一回しか入れてないっていうのに、随分とほぐれて……、ああ、俺の指に絡みついてくる」
驚きと嬉しさを含んだルーファスのいやらしい言葉に、頬が一気に熱くなった。羞恥で濡れた瞳をルーファスに向けるステラに、彼は口元を綻ばせて言う。
「かわいい」
そのひと言で、心臓が止まりそうになった。
どう反応したらいいのかわからずまばたきを繰り返すステラに、彼は嬉しそうにくちづける。触れる唇はやわらかくてあたたかい。唇に広がる優しい快感にうっとりと目を閉じて身体を委ねていたのだが、それはすぐに終わりを告げる。
「……んんっ!?」
ステラの蜜を掻き出すように、彼は指先を上下に動かした。腰からぞくぞくとするような快感が肌の上を這い、彼のシャツを握りしめる手の力を強くさせる。
「んんぅ、……っはぁ、あぁあ……、あ、あ」
溢れ出てくる蜜によって卑猥な水音が部屋を満たし、ステラの吐息がさらに甘くなっていく。理性は快楽に溺れ、身体は甘美な愛撫に陥落し、くちづけで生まれる互いの吐息に心が甘く蕩ける。
「ん、ぅ」
舌先で唇をくすぐられる食むようなくちづけに思考も蕩けていく。彼の唇に意識を集中しているステラの足元では、ルーファスがステラの身体に引っかかったドレスを足で追いやっていた。そして、くちづけをしたまま、彼はステラの足の間に己の身体を入れ、トラウザーズに片手をかける。
「舐めてごらん?」
穏やかに微笑むルーファスが舌先をそっと差し出す。そこに、ステラはおずおずと舌先で触れた。甘くてやわらかい舌先は、触れるとくちづけで絡めるものとはどこか違うような気がする。ちろちろと舌先を舐め、次に食むように唇で挟んだ。
「ん、あむ、……んん」
ちゅるちゅると彼の唇を舐めるのに一生懸命になっていると、ナカから指が引きぬかれ、ステラの濡れた蜜口に熱い何かが押し当てられる。
「……ん。……あの」
不安を瞳に宿したステラが、ルーファスを見つめた。
「ステラ」
さっきまでくちづけていた唇が名前をなぞり、彼は切なげに眉根を寄せる。
「ひとりじゃできないことをしよう」
彼の言っている意味がわからず、ステラは首をかしげた。
「……ひとり……じゃ……できない、こと……?」
「ああ。俺は、それをステラとしたい」 -
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