Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

  • LINEで送る
HOME

書籍詳細

  • kojirase-cov4

初恋(こじらせ)王子に捕まりました~恋人はスーパーヒーロー!?~

著者:山内 詠
イラスト:七里 慧

ISBN:978-4-596-58375-8
ページ:250
発売日:2018年6月1日
定価:本体580円+税

あらすじ

「俺は、忘れられなかった。ずっと好きだった」瑠璃子にとっていつの間にか手の届かない存在になっていた幼馴染みの浩平と、衝撃の再会から恋人同士に! 離れていた期間を埋めるべく浩平からの接触はフルスロットル!! 何度も可愛いと囁かれ、とにかく甘やかすエッチで身も心もトロトロにされていく。けれど、瑠璃子には拭えない不安があって……?(ヴァニラ文庫ミエル)

キャラクター紹介

kojirase-cov西川瑠璃子(にしかわるりこ)
公務員として働くしっかり者。負い目があり、浩平とは距離を置こうとしていたが……。

kojirase-cov五十嵐浩平(いがらしこうへい)
プロ野球選手。23歳。幼い頃から瑠璃子を思い続けている。

試し読み

「るー姉、可愛い」
 浩平がふっと微笑んで、呟く。
 可愛い? どこが?
 問い返そうとしても、上手く言葉が出ない。酸素不足過ぎて、大きく肩で息をしている程だから仕方がないんだけど。
 やがて浩平の唇は私のそれを離れ、別の場所を味わおうと探索を開始する。
「や……あぁっ」
 耳たぶを舐められ、その水音がまるで脳に直接響いた気がした。
「るー姉は、どこが好きなの?」
「どこ……って……」
 耳元で囁かれては、まともに考えることなどできやしない。
 ぼんやりと見返すと、何故か浩平は驚いたように目を見開くと、ぶるり、と震えたようだった。
「寒い、の?」
 むしろこの部屋、暑いくらいなのに。
「……ああっ、もう!」
「んあぁぁっ!」
 すると浩平は苛立ったように呻くと、私の喉元へ嚙みつくようにキスをした。
 そのまま唇が首筋をなぞり、鎖骨へと到達すると、軽く歯を立てられる。
「ひぅっ……!」
 かり、と骨を通じて伝う音と僅かな痛みから、どうしたことか身体が揺れる。それはキスで味わったものとは異なる、また新たな感覚のように思えた。
「あっ、やぁっ!」
 スカートから引き抜かれたカットソーが下着ごとたくし上げられる。そのまま強引に頭から抜かれて、あっという間に上半身を裸にされてしまう。
 浩平の性急過ぎる行為に、呆けた頭へ羞恥心が戻ってくる。
 数年前に永久脱毛したからムダ毛はないとはいえ、仕事が終わってそのままの状態なのだ。せめて、シャワーだけでも浴びたい! とってもとっても今更だけど!
「ちょっと、待っ……ああっ!」
 けれど浩平はそんな私の葛藤など考慮するつもりはないらしい。カットソーを放り投げると私の露になったささやかな胸に嚙り付いた。
「やあぁぁっ!」
 先端をぎゅっと強く吸われ、乳房そのものを大きく揉みしだかれ、びくりびくりと身体が大きく跳ねた。
 鋭い衝撃が、身体を駆け抜ける。その強すぎる感覚に、思わず悲鳴のような声が溢れ出た。キスをした時のようにじわじわと湧き出るようなものとは全く違う、身体の神経に直接働きかけてくるような――快感!
 ぶわっと全身の毛穴が開いて、身体中から汗が噴き出してくるような気がした。
 熱い、熱いよ!
 反射的に逃れようと身体を捩っても、浩平の逞しい腕が許してくれるはずもなく。
「ああぅっ、んんっ!」
 それどころか浩平は胸への刺激を休めることなく、また私の唇を塞いだ。呼吸と共に奪われた声は、浩平に全て吸い取られてしまう。
 今日初めて味わったばかりの二つの刺激を同時に与えられて、私は荒波の中投げ出された遭難者のように、ただ喘ぐことしか出来ない。
 ようやく唇が離れた時には、既に私は息も絶え絶えの状況だった。それだけじゃない、いつの間にかスカートまで脱がされ、すでに裸同然の姿だ。
 だけど己の状態を把握しても、それをどうにかする気力がなかった。身体中が熱く火照り、まともに考えられない。
「くそっ……!」
 身を離しシャツを脱ぎ始めた浩平が舌打ちをする。
 どうやら焦って上手く脱げないらしい。まるで子供みたい、なんてぼんやり思う。
「あ……」
 シャツの下から現れたのはぞっとするほど美しく鍛え上げられた肉体だった。見せるためのものではない、必要だからこそ身に着いた筋肉が、綺麗に張った肌を盛り上げている。
 しなやかに動く腕が脱いだ服を放り投げる。
 単純なその動作すら艶めかしく感じてしまうのは、どうしてだろう。
 胸の上で揺れるシルバーのドッグタグにベッドサイドの照明が反射し、煌めく。そこから目が離せない。
 そのまま私は茫然と身に着けているものを剝いでいく浩平に見惚れていた。
 私の前にいるのは、なんと魅力的な男性なのだろう。
 こんな相手に求められるなんて、夢じゃなかろうか。
「るー姉……」
 浩平が呼んだのは、紛れもなく私の名前。
「本当に、私なんかでいいの?」
 身体で、態度ではっきりと浩平から気持ちを伝えられているというのに、私は確認せずにはいられなかった。
 目の奥がつんと痛み、眦に涙が滲む。
 自らの驕りで失ったはずの恋。
 諦めたつもりだった恋。
 それが六年も経って蘇るだけでなく、成就するだなんて、そう簡単に信じられるわけがない。
「『私なんか』なんて、言わないでくれ。るー姉が、いいんだ。るー姉じゃなきゃ、駄目なんだ」

PAGETOP