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あらすじ
記憶喪失の伯爵様と恋に落ちて……すれ違いラブ
愛した人が伯爵様だなんて――エミリアは記憶喪失の男ジャックの面倒をみるうちに惹れあい、純潔を捧げた。初めての甘い痛みを感じ結ばれた翌朝、ジャックが記憶を取り戻す。彼の正体はルーカスという貴族で淑女教育をするためにエミリアを迎えにきたという。なぜ、私が? 豪華な屋敷に連れて行かれルーカスの気持ちもわからず戸惑うエミリアは……。
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試し読み
「エミリア……」
彼に呼びかけられて、顔を上げる。彼に微笑みかけられて、頭がクラクラしてきた。
「君も僕と同じ気持ちだよね?」
ドキンと鼓動が跳ね上がる。
彼もわたしのことが好きなの?
そうよね。好きじゃなければ、こんなことはしないわ。
ううん。これは好きというより、もっと深い感情……。彼にすべてを捧げたいと思うのは、ただ気持ちいいからではないのだ。
彼を愛してる……。
エミリアがこくんと頷くと、彼はキスをしてきた。今までとは違う激しいキスで、エミリアは息がつけないほどだった。
彼の気持ちはこんなに激しいのね……。
エミリアはうっとりと彼のするままに任せていた。ベッドに寝かされて、シュミーズを脱がされ、半ば脱げていたドロワーズも完全に引き下ろされる。
今や一糸まとわぬ姿をジャックの前に晒していた。
「ああ……綺麗だよ、エミリア」
彼は掠れた声で囁き、エミリアの身体を掌で優しく撫でていく。乱暴なところは欠片もない。エミリアは彼に裸身を見られて、羞恥を感じながらも、彼に見られることに快感を覚えていた。
他の誰でもないジャックだから。
わたしが愛する人だから。
これでいいの……。
彼に肌に触れられるだけで、身体が震えてくる。彼は掌を滑らせ、そしてその後を追うように唇を滑らせてきた。
「あぁ……ん……」
甘い吐息がエミリアの唇から洩れる。
うっとりするような愛撫だった。彼は肌を撫で、キスをする。柔らかい乳房にも同じように愛撫を施された。
乳首を唇に含まれ、舌で優しく舐められると、体温がぐんと上がった気がする。両方の胸がそれぞれ同じように愛撫されて、エミリアは身体を小刻みに揺らした。震えは身体全体に広がっていく。
お腹や腰、太腿にもキスをされると、エミリアはもう何がなんだか判らなくなってきた。彼の愛撫には魔法でもかかっているのかもしれない。彼が触れるところ、キスするところはみんな気持ちよくなっていくのだ。
「さあ……もっと大事なところにキスしようか」
「えっ……あの……」
彼はエミリアが理解する前に、キスしていた両方の太腿を押し広げていた。
「ああっ……やぁ……んっ」
まさか両脚を広げられると思わなかった。しかも、体重をかけるように押し広げられてしまい、閉じようにも閉じられない。エミリアは一番恥ずかしい部分を見られて、動揺してしまった。
彼がそこに顔を近づけていく。
「や……やめ…て……っ」
「大丈夫だよ」
彼は優しく秘部に舌を這わせた。
「あ……」
また、とろりと蜜が溢れてくる。彼に押さえられている両脚が痙攣するように震えた。
気持ちいい……。
初めて感じる感覚だった。
その部分が熱く痺れてくる。その熱がぐんぐんと身体中に広がっていき、やがてエミリアの頭をボンヤリさせてきた。
だって……もう気持ちいいことしか考えられない。
そして、もっとしてほしいと思っている。
いつしかエミリアは脚を押さえられていなくても、閉じようとはしなくなっていた。彼は秘部に舌を這わせながら、指を内部にそっと侵入させていく。
エミリアはギュッと目を閉じた。
彼の指が奥まで入っている。それがとても大事なことのように思えた。
だって……彼の一部がわたしの中にあるんだもの。
彼はその指を少しずつ動かしていった。そして、徐々に大きく動かしていく。それによって、エミリアの中の炎は次第に勢いを増していき、全身に広がっていった。
「ああ……もう……っ」
自分でも何を口走っているのかよく判らない。ただ、大きなうねりに呑み込まれそうになり、必死でシーツを掴む。
急に何かが限界に達したように、全身に衝撃が走った。
「あぁぁ……!」
その瞬間、エミリアは目を見開いた。
今まで感じたことのない強烈な快感が突き抜けていく。
あまりの衝撃に身体の震えがいつまでも止まらない。エミリアが恍惚の状態でいる間に、ジャックは服を脱ぎ捨てていた。
エミリアは彼の裸を見て、頬を染めた。男性の裸を初めて見たのだ。彼の均整の取れた身体はしなやかな筋肉に覆われていて、とても美しく見えた。広い肩幅に硬い胸板。そして、股間にあるものに、エミリアは目を大きく開いたが、すぐさま視線を逸らす。
「別に見てもいいんだよ」
「だ、だって……」
彼はエミリアの上に覆いかぶさり、顔を近づける。互いの肌が触れ合い、その滑らかで温かい感触にうっとりした。彼は優しく見つめると、エミリアの唇を塞いだ。たちまち、彼の裸を見て、急に羞恥に襲われたことも忘れてしまう。
エミリアにとって、彼のキスは特別なものだった。キスひとつで、エミリアは心を乱す。そして、再び身体が熱くなってきた。
エミリアははっと目を開けた。彼の股間のものがエミリアの秘部に当たっている。けれども、決して不快ではなかった。ただ、なんだか胸の鼓動が高鳴って、落ち着かなくなってきた。
硬くなったものが秘裂に沿って、ほんの少し擦るように動いている。エミリアの鼓動は速くなり、痺れるような快感を覚えた。
「君が……欲しいんだ」
彼の声は甘く掠れている。
「わ、わたしも……」
欲しいという意味はよく判らない。ただ、自分のすべてを彼に捧げたいという気持ちが強くなってくるのだ。
これは……そういう意味なの?
「ごめん。もう……止まらない」
彼のものが秘部に押し当てられた。 -
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