書籍紹介
君がため~蜜夜に奏でる恋の調べ~
君がため~蜜夜に奏でる恋の調べ~
ISBN:978-4-596-74492-0
ページ:290
発売日:2015年10月31日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    華やかな宮中で淫らに愛されて

    「我慢せず、何度でも達しなさい」継父から虐げられていた貴族の姫・千紗は、薬草を求め入った山中で、矢傷を負った青年・葉清を助ける。その後、突然の宮中への出仕で彼と再会し、奪われるように激しい求愛を受ける日々。彼の手で口で与えられる甘美な悦び……身も心も彼に囚われていく千紗だったが、華やかな宮中の裏側では、ある陰謀が進行していて……!?

  • キャラクター紹介
    • heroine_vbl42

      千紗

      左京大夫の一の姫。母親思いの心優しい少女。継父と義妹に虐げられている。

    • hero_vbl42

      葉清

      千紗に命を救われた貴族の青年。高貴な家柄の出身だが、その正体は……!?

  • 試し読み

    千紗は奥歯を嚙みしめて、声が漏れるのを堪えた。
    まるで反応をおもしろがっているかのように、葉清は時間をかけて千紗の肌を味わう。
    「んっ……」
    千紗が身をよじると、形のよい胸がふるんと揺れた。
    葉清は胸をすくい上げるように持ち上げ、力を込めてぐにぐにと揉みしだく。
    感じはじめた敏感な頂を指で挟み、扱くように弄られる。
    「んぁ……んっ」
    淫らな愛撫に蜜壺が疼き、堪らずに千紗は小刻みに震えながら喘いだ。
    「やれやれ。静かにしなさいと言っているのに」
    葉清は呆れたように胸から顔を離すと、千紗の口に指を差し入れた。
    「声が我慢できないのなら、これでも舐めていなさい」
    千紗は何も考えられず、与えられるがままにその指を咥え、声を殺した。
    「これが気持ちいいのですか?」
    もう片方の乳房も同じように揉みながら、先端を摘まむ。
    千紗は葉清の指に舌を絡ませて舐めながら、小さく頷いた。
    乳房を堪能した葉清の指は、脇腹をそって下におりていく。
    千紗の内腿をなぞり上げ、蜜口に触れる。
    とろとろに溶けきっているそこは、せがむようにひくついた。
    だが、待ちわびた刺激は与えてもらえない。
    指は入り口をくすぐるように触れるだけで、すぐに腿のほうへと逃げてしまう。
    「っや……」
    きちんと触れてほしくて、指を追いかけるように千紗の腰が横に揺れる。
    「ふっ……。すぐに刺激を与えてもらえるとでも思っているのですか」
    くすりと冷笑すると、葉清は蜜口の上で濡れそぼっている花芽をつるりと撫でた。
    「んっ……ん」
    千紗は必死で声を堪えた。
    皮が剥かれて敏感になったそこを、夜気が申し訳程度に撫でていく。
    足りなさすぎる刺激に、千紗の腰がひとりでに大きく揺れた。
    「これは、気持ちよくないですか」
    聞こえるか聞こえないかぐらいの小声で、葉清が耳元で囁く。
    「気持ち、いい……けど──っ」
    「けど?」
    焦らすように、指は入り口を浅く出入りする。
    「もっと、欲しい……の」
    「何が欲しいのです」
    葉清がとぼけた声で尋ねるが、そんなことは言えない。
    千紗は、ふるふると首を振る。
    「困りましたね。言われないとわかりません」
    葉清は千紗の蜜壺から指を抜くと、思わせぶりにぺろりと舐めた。
    「それとも……」
    いいことを思いついたかのように葉清の瞳が揺れる。
    「言葉にして言えないのなら……欲しいものを、口にしてもいいのですよ」
    「口、に……?」
    意味はわからないが、嫌な予感がする。
    千紗は小さく震えた。
    「そうです。あなたが欲しているのがなんなのか、文字どおり、口に咥えて教えてくだされば、私にもわかるかもしれませんね」
    葉清はにっこりと笑った。
    「……!」
    千紗は目をみはった。
    言葉にするのも、口で咥えるのも。
    どちらも無理な相談だ。
    でも、千紗の蜜口は熟しきっていて、これ以上は堪えられそうにない。
    「っ……」
    おずおずと、千紗は葉清の正面に回り込む。
    だが葉清はそんな千紗を見下ろすだけで、微動だにしない。
    「あ、あの……」
    千紗は顔を真っ赤に染めて、葉清を見上げた。
    「だ、出していただけませんか。でないと……、あの、だから、その……」
    恥ずかしさのあまり、涙が込み上げる。
    葉清は指の腹で千紗の目元をそっと拭った。
    「何を出せばいいのです?」
    だが、優しいしぐさとは裏腹に、言っていることは意地悪だ。
    「……!」
    それが言えるものなら、はじめから言っている。
    千紗は恨めしく思いながら葉清を見上げたが、葉清に動くつもりがないことを悟ると、観念し、石帯に手を伸ばした。
    帯を取り、紐をほどき、濃紫の袍を脱がせる。
    続いて下襲をほどき、単をはだけさせると、強靭な胸板が灯火に照らされた。
    それだけで、千紗は息があがるほど恥ずかしくなる。
    千紗は袴の紐に手を伸ばした。だが、どうしてもそれをほどく勇気が出ない。
    ただ衣を脱がせるだけという行為が、これほど恥ずかしいものだとは思わなかった。
    「葉清様、これ以上は、どうか……」
    千紗は目を潤ませて助けを請うた。だが葉清は愉しそうに口角を上げるだけで、手伝ってくれる気配はない。
    「……っ」
    思い切って、千紗は袴の紐を握る手に力を込めた。
    しゅる……。しゅるる……。
    なまめかしい衣擦れの音と共に、ようやく葉清の中心をくつろがせると、猛々しい雄芯はすでに存在感を示していた。
    千紗は訴えるような目つきで葉清を見上げた。
    葉清は涼しい顔をして千紗の次の行動を待っている。
    途方に暮れた千紗は、おそるおそる葉清の股間に手を伸ばした。
    葉清の雄芯を握る千紗の手が震えているのは、寒さのせいだけではない。
    震える唇を微かに開け、千紗は男根に舌を這わせた。
    「そうです、上手ですよ」
    葉清が千紗の頭をぽんぽんと撫でる。
    千紗は軽く息を吸い込むと、ぱくりと咥え込んだ。口の中が、葉清でいっぱいになる。
    「もっと顎を使うのです」
    葉清が千紗の後頭部に手を添えると、上下に動かすよう促す。
    千紗は顎を広げて葉清を奥まで誘った。
    じょじょに、葉清の欲望が嵩を増し、千紗の口腔を埋め尽くしていく。
    「舌も使って」
    「ん……っん……」
    どう使えばよいのかわからないながらも、千紗は必死で舌を動かす。
    千紗のぎこちない舌づかいは、葉清には物足りないはずであったが、そんなそぶりは見せず、葉清は愛おしそうに千紗の頭を撫でた。
    「もっと絡めて、吸ってごらんなさい」
    言われるがままに舌を絡めると、先端から苦い汁がわずかに溢れた。ちゅぱっと音をたてて吸い取ると、
    「よくできましたね」
    と葉清が笑みを含んだ声で褒め、ご褒美に千紗の蜜口を弄る。
    「んんっ……」
    前触れなく与えられた快楽に背中を波打たせた千紗だが、口いっぱいに葉清を頰張っているので声が出ない。
    「……っ、んんっ……」
    蜜口をかき回す指が増やされた。
    千紗が腰を揺らして愉悦を受け入れていると、
    「千紗。上の口がおろそかになっていますよ」
    と、花芽をぴんと弾かれた。
    「んんぁっ……!」
    つい、雄芯から口を離してしまう。
    「ごめんなさ……」
    あやまり、もう一度葉清の欲望を含もうとすると、
    「ふふ、もう十分ですよ。上手にできましたね。こちらにも、そろそろご褒美をあげましょうか」
    葉清は秘裂を縁取るように指を這わせた。
    「あぁっ……」
    「ここも寂しいのでしょう。こんなに蜜をたらして、すっかりはしたない身体になってしまいましたね」
    「やっ……言わないで……」
    涙目で恥ずかしがる千紗の腰に、葉清は両手を添えた。そのまま力強く上に持ち上げ、向かいあって跨(またが)るように乗せられる。
    「自分で咥えてごらんなさい」
    そう言って、葉清は腰に添えていた手を離した。
    「えっ……」
    千紗の秘裂の入り口に、葉清の先端がぬるりと当たる。
    「どうしたのです? これが欲しかったのでしょう?」
    「そんな、私……」
    自分から入れるなんて──。羞恥に耐えられず、千紗は顔を背(そむ)けてうつむいた。
    「遠慮せず咥えてよいのですよ」
    葉清が千紗の入り口に指を差し込み、押し広げる。
    「あッ……」
    待ち望んでいた悦楽を与えられ、身体が歓喜に沸いた瞬間──指はするりと抜かれてしまう。
    「葉清様、おねが……」

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