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あらすじ
俺を夢中にさせるおまえは罪深い
傲慢王子の強すぎる独占愛!冤罪をかけられ、王太子から婚約破棄され処刑されそうになった悪役令嬢のフレイヤ。助かるためには第二王子アレクシスを味方につけるしかないと、悪女を演じて彼を誘惑することに。でも「俺に愛される覚悟はできているか?」と逆に挑発され、気づけば翻弄されていて!? 想定外に甘く情熱的に触れられ、ダメと思いつつも体も心も溺れてしまい……?
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キャラクター紹介
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フレイヤ
婚約破棄された悪役令嬢。冤罪をかけられ、処刑を免れようと奮闘する。 -
アレクシス
第二王子。戦地で敵兵を一網打尽にすることから「死神王子」の異名を持つ。
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試し読み
「ん……んん……ふ……」
鼻にかかった甘い声が、キスに呑まれていく。
怯える舌根を掬い上げられ、濃密に搦め捕られる。
チュクチュクと淫猥な音色を響かせながら、濡れた粘膜を擦り合わせた。
そうされると、体の芯が疼いてたまらなくなる。
虚勢を張り強張っていた体が、アレクシスの濃密なくちづけで蕩かされ、熱く昂っていく。
交わる唾液を飲み込みきれず、口端から零れる。
くちづけを解いたアレクシスは、それを舐め取った。
ぼんやりしたフレイヤが潤んだ瞳を向けると、唇を舐める捕食者の顔を目の当たりにする。
「たまらないな。俺を夢中にさせるおまえはやはり、罪深い」
掠れた低い声が鼓膜を撫でる。
それすらも甘美なものに変わり、どきんと心臓が跳ねた。
私は……アレクシスにときめいているの……?
彼を好きでもなんでもないはずなのに、どうしてこんなに胸が弾むのだろう。しかも、ちっとも嫌ではない。誘惑する必要性があるからこうして体を重ねることになっただけのはずが、彼とのセックスに期待している自分がいる。
そんな心境に戸惑ったフレイヤは、彼のシャツに縋りついていた手を離した。
所在なさげにシーツを掴み、うろうろと視線をさまよわせる。
黄金色の双眸と目を合わせられない。
すると、体を起こしたアレクシスが、潔くシャツを脱ぎ捨てる。
露わになった肉体は鍛え上げられていて、まるで神が造形したかのような美しさだった。
「服を着たままなのは淑女に対して無礼だったな。俺もすべて脱ごう」
「そ、そうね」
無礼なのかどうかはよくわからないけれど、自分だけが裸なのは恥ずかしい。
しなやかな猛獣のような彼の体は勇猛さと瑞々しさを兼ね備えていた。
思わず見惚れていると、ズボンと下穿きも彼は脱いだ。
すると猛々しい雄芯が露わになり、天を衝く。
あまりにも極太なので目を瞠る。
裸体の彫像で見たことのある男性器とは、まったく大きさが異なっていた。
だけどじっくり眺めるなんて、はしたないことに気づき、フレイヤはそっと目を逸らす。
ゆっくりと覆い被さってきたアレクシスが、耳元に低い声音で囁く。
「おまえを抱きたくて、もうこんなになっている」
かぁっと、顔が熱くなる。
美声で鼓膜を舐った彼はそのまま、耳朶を甘噛みする。
ねっとりと舌でなぞられ、ぞくぞくと背筋が粟立った。
唇は首筋を伝い下り、チュ、チュッと淡い徴を刻みつけていく。
仄かな刺激が心地よく、痛みはなかった。
鎖骨から胸の膨らみへと滑り下りた唇が、柔らかいところにいくつものキスをする。
たくさんのくちづけに、初心な体は少しだけ力が抜けた。
ほう……と吐息をつくと、大きなてのひらに両の乳房が包まれる。
やんわりと揉み込まれ、淡い快感が湧き上がってきた。
アレクシスは円を描くように膨らみを揉みながら、紅い尖りにチュッとくちづける。
「あっ」
その刹那、びりっとした強い刺激が体内を走る。
胸の突端がこんなに感じるなんて、知らなかった。しかも一瞬キスされただけなのに。
思わず声を上げてしまったフレイヤは口を閉じるが、雄々しい唇は何度もキスを繰り返す。
チュッ、チュッ、チュウゥ……と、執拗に吸いつかれる。唇で舐られた乳首は、すっかり紅く色づき、勃ち上がった。
「ん、んっ……んぅ……」
「声を我慢しなくていい。啼いてくれたら俺が喜ぶ」
傲慢な発言に反発心が湧いたフレイヤは、ぷいと顔を背ける。
唇をきつく引き結んだ彼女に、アレクシスは嬉しそうに口端を引き上げた。まるで落としがいのある獲物を見つけたかのように。
「どこまで我慢できるか、見物だな」
「大きな声を上げるなんて、はしたないわ。私は娼婦じゃないのよ」
「そんなことは関係ない。感じているとわかったら、男は嬉しいものだ」
「感じたら、ってことよね」
「そうだな。感じないなら、声も出ないな」
自信たっぷりに笑みを刻んだアレクシスは、自分の愛撫でフレイヤが感じるものと思っているようだ。
こうなったら易々と声を上げるわけにはいかない。
そんなに感じたりしないわよね……。
大きな声を出すなんて恥ずかしい。愛撫されたくらいで声が出るほど感じないだろう。
そう思ったフレイヤは、ぎゅっと枕の端を握りしめる。
両の乳房から手を離さないアレクシスは、頭を下げた。
乳暈ごと口中に含み、巧みに舌を使って突起を舐る。
きつく吸い上げながら乳首に舌を絡められると、凄絶な快感が込み上げる。
まるで体の芯を甘く引き抜かれるかのような感覚に、フレイヤは息を呑む。
「あっ……あっ……ん、ぁ……」
唇からこらえきれない喘ぎが零れ落ちる。
胸への愛撫は甘く優しく、激しさの片鱗を滲ませていた。
ぬるぬると口中で乳首を舐め溶かされる。しかも、もう片方の突起も指先で抓まれて、こりこりと捏ねられる。
胸から広がる快楽が下腹に伝播し、むず痒いような感覚に襲われた。
ようやく乳首から唇が離れたと思ったら、今度は左の突起を口に含まれる。散々舐められて、濡れ光っている右の突起は、きゅっと指先で抓まれた。
「んっ、んくぅ……」
どうにか声を出すのを我慢できているが、その分だけ感じたものが体内に凝っている気がする。
下腹が疼いてたまらない。彼の舌が巧みに乳首を舐るたびに、びくびくと小刻みに体が跳ねた。
ジュッ……と、きつく吸い上げられ、意識が遠のくほどの強烈な快感が走る。
彼が唇を離すと、じゅわりと濡れたものを下肢に感じた。
「はっ……はぁ……」
解放されたフレイヤは大きく息をつく。
だけど彼の手と唇は胸から離れただけで、愛撫は終わらない。両手は胴を撫で下ろし、太腿に辿り着いた。
チュッ、チュと内股にくちづけられ、はっとしたフレイヤは身を起こそうとする。
「待って、今……濡れたみたいなの」
濡れた感触がしたので、もしかして粗相をしてしまったのだろうか。
そう思ったが、アレクシスは嬉しそうな笑みを零す。
「ほう。見てやろう」
膝裏に手をかけられ、大きく割り広げられる。
秘所をさらすなんて恥ずかしくてたまらないのに、じっくりと炙るように眺められて、羞恥で体が燃えそうなほど熱くなる。
アレクシスは秘所に眼差しを注いだまま言った。
「これは愛液だ。体が快感を得ると濡れてくるんだ」
「えっ……そ、そんなに感じたわけじゃないんだけど……」
なんだか認めるのが悔しくて、うそぶく。
すると頭を下げたアレクシスが、低い声でつぶやいた。
「それなら、我を失うくらい感じさせてやる」
ぬるりと秘所に濡れたものが押し当てられる。
生温かくて、意思を持って花びらを舐め上げているそれは、アレクシスの舌だった。
あまりの淫猥な行為に、驚いたフレイヤは腰を引こうとする。
だが、脚を抱えられているのでうまくいかない。
「や、やめて、そんなの、汚いわ!」
「汚くはない。余計なことを考えないで感じていろ」
ぬるぬると淫靡になぞられた花びらが、花開く。
とろりと垂れた愛蜜を、じゅるりと舐め取られた。
掲げられたフレイヤの脚がふるりと揺れる。
こんなに淫らな格好をして、脚の狭間にいる王子に秘所を舐めさせるなんて、いけないと思うのに、背徳感が微熱のごとく絡みつく。
たっぷり花びらを味わわれると、次は花芽にくちづけられる。
初心な花芽は尖らせた舌先で舐られる。そうされると、たまらない甘い刺激を生み出す。
「あっ、ん……だ、だめ」
びくんと体を跳ねさせたフレイヤは身を捩らせる。
すると膝裏から離れた大きなてのひらが、右の膨らみを揉みしだいた。
ねっとりと愛芽を舌で蕩かされながら、胸を揉まれ、体中に快感を巡らされる。
双方に愛撫を施されると、いっそう感じすぎてしまう。
フレイヤの体は標本にされた蝶のごとくシーツに縫い止められ、びくびくと快楽に喘がされた。
「あっ、あっ……あ、ん……あぁ……」
気持ちがよくてたまらない。濡れた舌の粘膜と大きなてのひらの熱に灼かれて、じんわりとした悦楽が体中に浸透していく。
まるで覚めない夢のように、延々と口淫は続けられた。
熱に浮かされたみたいに、フレイヤの唇からは甘い喘ぎだけが紡がれる。
蜜洞から滲んだ愛液が、とろりと滴り落ちる。
それを掬い上げた指先が、蜜口をなぞった。
だけど挿し入れることはしない。
濡れた蜜口は指を咥えようとして、物欲しげにひくついている。
「あぁ……ん……」
アレクシスの両手はすでに膝裏から離されているのに、フレイヤの両脚は大きく広げたままだ。
掲げている爪先が、ぴんと伸びているのが目に映る。
それはフレイヤが愛撫で感じている証だった。
優しい愛撫がこんなにも心地よいものだったなんて、知らなかった。
まるで生温い沼のごとく、一度沈んでしまったら這い上がれない。
甘い快楽に浸かっていた、そのとき。
ジュッ……と、きつく花芽を吸い上げられる。同時に、きゅっと乳首を抓まれた。
すると体内に溜め込まれていた快感が一気に込み上げてくる。
身のうちが弾け飛びそうな感覚に、背をしならせた。
「あっ……あ……なにか、きちゃう……」
「いっていいぞ」
どこへ、と問いかける暇もなく、ふわりと体が浮き上がる。
甘い芯に脳天まで貫かれ、瞼の裏が真っ白に染まった。
「あっ、あぁっ、んぁ――……」
自分の嬌声がどこか遠くから聞こえた気がする。
フレイヤの意識は純白に染まり、快感は頂点を極めた。
がくがくと腰を震わせ、やがて弛緩した手足がシーツに投げ出される。
急激に重くなった体は、爪先まで甘く痺れていた。
はぁはぁと荒い息をついているフレイヤの肉芽から、ようやく唇を離したアレクシスは顔を上げた。
艶めいた雄の顔を、ぼんやりとして見つめる。
黄金色の瞳には欲情がちりばめられている。自らの唇を舐める仕草には、妖艶さが滲んでいた。
私は……悪魔に魅入られたのかしら?
彼の破格の色香に、くらりと目眩がした。
「俺の愛撫で達したな。おまえはもう、俺の女だ」
独占欲を露わにしたその言葉に、曖昧に頷く。
オーガズムに達したのだということを、今さら気づかされた。
だけど蜜壺は未だに切なく疼いている。
この疼きは雄芯を挿入しないと収まらないのだと、体が教えていた。
愛芽を吸われただけでもこんなに感じてしまったのに、いざ彼の極太の男根を体内に挿れられたら、どうなってしまうのだろう。
恐れはあるけれど、期待も胸のうちに湧いている。
すると身を起こしたアレクシスが、フレイヤの腰を抱え直す。
彼の怒張はきつく反り返り、興奮していることを表していた。
「挿れるぞ」
獰猛な切っ先が、濡れた蜜口に押し当てられる。 -
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