書籍紹介
攫われ溺愛婚~みなし子令嬢の旦那様は十年来のお兄様侯爵でした~
攫われ溺愛婚~みなし子令嬢の旦那様は十年来のお兄様侯爵でした~
ISBN:978-4-596-71479-4
ページ数:306
発売日:2024年10月18日
定価:750円+税
  • あらすじ

    君との初夜をずっと待っていた
    不遇な令嬢を待ち受けていたのは、激甘な新婚生活!

    「決して君を一人にはしない」両親亡き後、叔母夫婦に虐げられてきたエメリーヌを攫うように突然求婚してきたアルフォンス。彼は十年前、わけあってエメリーヌの家に身を潜めていた“お兄様”だった。「可愛いな…もっと見せて」夜ごと甘く情熱的に蕩かされ悦びを与えられていく。彼に惹かれるも、この結婚は恩返しのためだと思うと苦しくて――?

  • キャラクター紹介
    • エメリーヌ
      マニフィカ伯爵令嬢。両親が不慮の事故で亡くなった後、叔母夫婦が後見人となり、望まぬ結婚を強いられている。

    • アルフォンス
      バラデュール侯爵家の現当主。エメリーヌが幼い頃、家に匿ってもらい、一緒に過ごした過去がある。

  • 試し読み

    「全部入ったが……痛むか?」
     エメリーヌの額に張りついた髪を優しく払いながら、心配そうに尋ねられた。
    「……す、少しだけ……でも、大丈夫です」
     本当は少しではなく、かなり痛かったけれど、初めては痛むのだから騒がないようにと閨の教育で習った。……それに、あまり我儘を言うと、夫に愛想を尽かされるから我慢が肝心とも念を押された。
    (アルフォンス様に嫌われるなんて……絶対に嫌……っ!)
     自分がアルフォンスの妻だなんて、やはり分不相応だと思う。
     けれど、こんなに優しくしてくれる彼についつい縋りたくなる。今のところ、エメリーヌを結婚相手として特に不服とは思わないでいてくれるだろうか……。  
     涙をポロポロ零してなんとか微笑むと、アルフォンスがゆっくりと腰を動かし始めた。 
     最初こそ貫かれた箇所はズキズキと痛んでいたが、入念にほぐされていた膣壁は、やがてまた蕩け出して雄に絡みつく。
     次第に、痛みの向こう側に見え隠れしていた快楽が強くなっていき、ジンジンと痺れるような熱が繋がっている場所を中心に広がる。 
    「あ……っ! ああっ!」
     ギリギリまで引き抜かれて奥まで一気に貫かれると、意識を失いそうなほどの快感に下半身がガクガクと震える。
    「エメリーヌ……っ、こんなに締めつけてくる」
     次第に激しさを増す交わりに、湿った音と互いの肉を打ちつけ合う音が響く。
    「うっ、あっあ……んあっ! あっ! ああっ!」
     強烈な快感に身体の奥が熱く疼き、頭が真っ白になる。
     エメリーヌは彼に必死にしがみつき、揺さぶられるままに身を任せた。
     抜けてしまいそうなほど引き抜かれ、一息に最奥まで押し込まれると、瞼の裏にチカチカと快楽の火花が散る。
    「あ……あっ、はあ……っ!」
     口端からはひっきりなしに喘ぎ声が漏れ、白い肌が上気して玉のような汗が浮かぶ。
    「エメリーヌ……っ」
     余裕のない声音でアルフォンスが呼び、エメリーヌを抱きしめて唇を合わせる。
     もう気持ちよすぎて、まともな思考ができない。エメリーヌも彼の頭をかき抱き、ちゅくちゅくと水音を立てて互いに激しく舌を絡ませる。
     腰を打ちつける動きも次第に速く激しくなっていき、子宮口を強く突かれた瞬間、今までで一番の衝撃が全身に走った。
    「あっ! あああ――っ‼」
     エメリーヌは一際甲高い嬌声をあげて、身体を弓なりに反らせて達した。
     それと同時に体内のモノもビクッビクッと痙攣し、膣奥で熱い飛沫が弾けるのがわかった。
    「はあ……はぁ……」
     荒い呼吸を整えながら、エメリーヌはぐったりと敷布に背を落とした。
     アルフォンスも息を荒らげ、額に滴った汗を手の甲で拭っていた。やはり彼は、どんな仕草も絵になるほど素敵だ。
     疲れ切った身体でぼうっとそれを眺めていると、不意にまだ力の入らない身体を転がされた。
    「えっ⁉」
     背後からがっしりと抱きしめられたまま、太腿の隙間に再びそそり立った彼の欲望がグリグリと押し込まれる。
    「すまない……まだ終われそうもない」
     溢れ出した蜜と精でぬるぬるになった秘所を、熱く硬い塊で擦り上げられる。 
    「ひっ! あっ! ああ!」
     もう無理だと思うのに、肩口をじゃれるように甘噛みされて力が抜けた瞬間、蜜穴にグチュリと猛った雄が押し当てられる。
    「あっ! あ……ああぁ――っ!」
     そのまま貫かれ、エメリーヌは悲鳴じみた嬌声をあげる。
    「は……っ! あ、あ、ああんっ」
     奥深くまで突き入れられた剛直が、先ほどとは違う角度で中を擦りあげ、かき回す。
    「あっ! あ……ん、くぅっ!」
     白濁と蜜にまみれた先端が入り口まで引き出される。
     ギリギリまで引き出してからずぷりと根元まで押し込まれ、奥の深い部分を突かれると刺激が一気に全身を駆け巡ってビクビク震える。
    「あ……あんっ」
     お腹の中が熱くて息が苦しい。
     それなのに、アルフォンスに求められていると思うと幸せでたまらない。
    「エメリーヌ……愛している」
     低く掠れた声が、頭の中に大きく反響した。
    ――愛している? アルフォンス様が、私を……?
     思わず肩ごしに振り返る。
    トロトロに蕩けた頭の中で、その甘美な言葉に喜んで飛びつきそうになったが、寸前でふと気付いた。
     愛にも家族愛や親愛など、色々な形があるではないか。
     ということは、彼の言う『愛』は、なんなのだろう?
     エメリーヌは彼に何もしていない。少なくとも、一人の女性として魅力的だと思ってもらえるようなことは何も。
     ということはつまり、彼から向けられる『愛している』は、いわば妹のような庇護対象としての意味だろうけれど……。
    「アルフォンス様……愛しています……あっ! ああ、あ!」
     自分はアルフォンスを一人の男性として、こんなにも好きになり、愛している。
     たとえ求婚のきっかけはエメリーヌの両親への恩返しだったとしても、今こうして傍にいられることが、たとえようもなく嬉しい。
     だからといってこの気持ちを押しつけ、彼を困惑させたくはない。
     でも、彼がどんな形であれ『愛している』と言ってくれたのなら、自分も口にしても不自然ではないだろう。
     たとえ、その意味が違ったとしても……。
     理性が崩れかけ「もっと強くして」とでも言わんばかりに、強請るように腰を押しつけてしまう。
    「あああぁっ!」
     ばちゅんと水音を立てて腰を突き入れられる。子宮口を小刻みに突かれるたび、エメリーヌの小さな胎内に快楽の波が繰り返し押し寄せる。
    「ひっ……あ、あ、ああっ! も、もうっ」
    「まだだ」
    「ひっ! は……っ!」
     これ以上されたらおかしくなる。そう思うのに、アルフォンスは有無を言わさず挿入を繰り返す。
    「んぁっ! あ……ああっ!」
     すぐに体位を変えられて、今度は正面から貫かれた。
    「ひぁっ! あぅっ! はぁあんっ‼」
     そのまま奥を強く突かれると、身体の奥に強い快感が走ってしまう。その衝撃と同時に、再び中がきゅっと縮んだ。
    「く……っ」
     エメリーヌの膣内が彼の雄をきつく締め、アルフォンスは眉根を寄せて苦しげに息を吐く。
    「ん、あ、ああ……っ」
     敏感なところを何度も突かれて、子宮がひどく疼く。
    「あ、あっ、あ、ああ……っ」
     気持ちよくて苦しい。
    「んっ! んぅっ! あぅっ!」
     必死にしがみつくと、涙に濡れた目尻にキスをされた。
    「はぁ、あ、ああ……んん」
     下からはしたない水音が響き、肌がぶつかる音とともにエメリーヌの嬌声があがる。
    「んンぅっ! あ、あっ! やあっ!」
     激しい抽挿に息ができなくなりそうだ。初めてなのにこんなに感じてしまう自分はおかしいのかと思いながらも、快楽に抗えずに身悶える。
    「ああっ‼ や……あぁっ!」
     これ以上されたら気持ちがいいのが止まらなくなってしまうと思うのに、いっそう激しく腰を打ちつけられた。
    「やああっ! あぅっ、いぁっ! 嫌ああっ!」
     身体を突き抜ける快楽の勢いが強い。
    「ひ、ああぁぁ――っ!」
     熱い液体が身体の奥に注ぎ込まれた瞬間、目の前にチカチカと火花のようなものが見えて、意識を手放しそうになる。

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