書籍紹介
俺様御曹司の偽装恋人になったら全力溺愛されました!?~恋愛不信の王子様、ついに陥落する~
俺様御曹司の偽装恋人になったら全力溺愛されました!?~恋愛不信の王子様、ついに陥落する~
ISBN:978-4-596-52948-0
ページ数:290
発売日:2023年11月2日
定価:690円+税

イラストちら見せ!

  • あらすじ

    お姫様抱っこは憧れなんだろ?
    理想的な御曹司(極度の恋愛不信)×王子様を夢見る処女(24歳)

    ウブで“夢見る処女”な小鈴の窮地を助けてくれたのは大企業の御曹司、冬吾。お礼に彼の女避けのための恋人役となるが、まさに“理想の王子様”だと思った彼は、超俺様で恋愛を全く信じていない。それでも甘やかすような声で愛撫されれば、お腹の奥がぎゅうっと引きつってきて――。ただ彼が好きだと自覚したら冬吾の優しすぎる演技が辛くなり……!?

  • キャラクター紹介
    • 高梨小鈴(たかなし こすず)
      老舗和菓子屋の娘でデパ地下の店を切り盛りする。“白馬の王子様”を夢見ている。

    • 神宮寺冬吾(じんぐうじ とうご)
      大手ゼネコン系企業の末っ子御曹司で起業家。ある事情で恋愛不信に陥っている。

  • 試し読み

     優しく啄むだけのキスは、次第に淫らな動きに変わっていった。
     唇が捩れるほど押し付けられて、粘膜が触れて、舐められて、吸われて、軽く齧られて。
     両手が耳に移動していくと、濡れた音が少し遠くなった。
     淫らな音は聞いているだけでドキドキしてしまうから、耳を塞がれるのはありがたいと思ったのに、耳を、髪を、首元を擽るように撫でられて、じわっと唾液がこみ上げてくる。
    「んっ、んんっ……!?」
     ゾクゾクする刺激に気を取られている間に舌が潜り込んできて、口内を辿られた。
     冬吾の舌は、熱かった。
     小鈴より厚くて大きくて、彼が男性で、全く違う身体の作りをしていることを意識してしまう。
    「ん、ん……っは、とう、ご、っんん……!」
     しんとした寝室に、小鈴の熱く湿った吐息と、舌が絡み合う微かな水音だけが続いた。
     初めてのキスだから、比較なんてできない。
     でも冬吾のキスはやたらと熱心で、真面目そのものという感じがした。
     一方的なやり方の方がよほど彼らしいのに、常に小鈴の反応を窺って、けれど臆病な動きは一切見せない。
     的確かつ大胆に、心地良いところを探り当てながら深めてくれる。
    「っん、……ふ、……んぁ、っ、ぁ、耳、っ……んんっ……」
     小鈴もいつの間にか集中しはじめて、唇が、舌が、指先で弄られている耳が、自然と敏感になっていった。
     唾液が混じり合い、擦れるだけで気持ちいい。
     少し酸欠になりかけているのか、頭がぽーっとして、鼻の奥から甘い声が漏れて、与えられる刺激に溺れはじめる。
     ――キスって……こんなに、きもちいいの……?
     ――でもなんで、好きでもないのに、こんな、長いキス……。
     十分か二十分か、一体、どれだけ続いたかわからない。
     時々、息継ぎを促すような一瞬の休憩を挟みながら、冬吾は飽きた素振りも見せず、根気強く小鈴の性感を育ててくれた。
    「っ……ふ、は……ぁ……」
     ゆっくりと唇が離れた時には、口の中が寂しい、とすら感じてしまって。
     これだけ気持ちいいのだから、冬吾も同じ感覚なのかもと思ったのは、やっぱり初心だからなのかもしれない。
     閉じていた瞼を開けると、冬吾の目は冷静そのものだった。
     もしかしたら、キスの間、ずっと反応や変化を観察して、計算していたのかもしれない。
     自分だけ感じていたのが恥ずかしくて離れようとしたけれど、耳を指先で挟んでくにくにと弄られると、途端に快感に支配されてしまった。
    「あ……っ……」
    「目が潤んで、エロい顔になってる……。緊張、解けてきたな?」
     笑みの形を作った唇は、相変わらず優しい演技を続けている。
     でも視線は、依然として小鈴を冷静に分析していた。
    「っ……どうして……こんな時に、恋人の演技なんて、できる……きゃっ、」
     優しく押し倒されて、腰の上に乗られた。
     満足げに見下ろされると、いよいよ食事として差し出されたような気分になってくる。
    「照れて動揺してる反応、面白いし。この方がスムーズにいきそう」
     腰で結んでいたバスローブの紐に手をかけられて、慌てて押し返す。
    「あ……! ま、待ってください。下着着けてないからっ、心の準備……っ」
     あっという間に解かれて、前を開かれた。
     膝を寄せて陰部を隠し、慌てて腕で胸を覆おうとするも、両手を握ってシーツに押さえ込まれ、全身を隅々まで観察されてしまう。膝を左右に開かれなかったことだけが救いだ。
    「っ……やだ……はず、かしい……」
    「こんなに綺麗なのに、なんで?」
    「だからっ、そんなお世辞、いいので……!」
    「お世辞じゃないよ。小鈴、本当に綺麗」
    「っそん……な……もうやだ……」
     自分の身体がどう見えるか、人に評価を受けたのは初めてだった。
     演技の延長だとわかっているのに、胸を見下ろしながら褒められた途端、じん、と乳首に痺れが走って戸惑う。
     顔を横に逸らすと、耳元にちゅっとキスを落とされた。
    「ふぁっ……」
    「今度恋人役やってもらう時は、今日みたいにフォローする余裕ないから。少しは彼女っぽく振る舞えるように、俺に慣れておいて」
    「え……あっ……ぁあ……!」
     冬吾の唇が首筋を這い、右胸へ下って、ぱくりと乳首を含まれた。
     ちゅぱ、ちゅっ、と下品な音を立てながら吸われると、キスで緊張が抜けていたせいなのか、すぐに胸の先が熱く疼きはじめた。
    「ゃ、っ……!」
     息が乱れていくのが怖くて必死に抑えていたのに、舌で摩擦されると情けない声が漏れて、冬吾が嬉しそうに顔を上げる。
    「すぐ硬くして、可愛い声上げて……小鈴の身体は、素直で扱いやすいな。弄りがいがある」
    「なっ、な……あ……!」
     答える間もなく再び乳首を含まれて、小鈴は反射的に、冬吾の手をきつく握り返していた。
     キスと同様、冬吾の愛撫は丁寧だった。
     少しずつ舌の動きを変えて、小鈴がぴくっと身体を震わせて、声を漏らすようなやり方ばかり繰り返してくる。
     何度も微調整を繰り返されると、はじめは擽ったさ混じりだった愛撫が洗練されて、いつの間にか快楽しか感じなくなっていた。
    「っふぁ、っ……、んぁ……ぁあ……ぇうっ……」
     媚びるべき相手ではないのに、鼻にかかった声が止まらない。
     両手で口を覆いたくても、冬吾は指を絡めたまま親指で小鈴の手の甲を撫でて、あやしてくる。
    「ぅく、っ……ぁあ……!」
     吸いながら舌でざらざらと摩擦されると、たまらない痺れが下腹部に駆け抜けた。
     どんなに身を捩ってもしつこくしつこくしゃぶられて、どんどん硬く、敏感になっていく。
    「ぁ……まっ、て……そこ、ばっかり、っ……」
     まだ一度も触られていない左胸まで血が集まり、腰が切なく迫り出した時。
     擦り合わせた膝の奥で、とろりと流れ落ちた感触があって我に返った。
     ――え……、あれ……?
     ――私……脚の、間……? 濡れてる……?
    「と、っ……とうご、さ……もぅ、っ……も、いいっ……」
     握られた手を押し返したけれど、滲んだ汗がぬるついただけだった。
     身悶えたせいで髪が目元にかかって邪魔なのに、それを払うことすらできない。
    「手、はなして……、はな、っ……きゃぁ、っ……! ぁあ……!」
     やっと片手が自由になったと思ったら、今度は左胸を掴まれ、ずっと疼いていた乳首をきゅうっと摘んで捏ねられた。
    「ぁあぁあ……! やら、っ……りょうほう、っふ、ぅ、ぅう……! もぅ、胸、っ……ぁあ……っ」
     両胸に同時に刺激を受けると、倍以上の快楽が押し寄せて、小鈴はビクビクと四肢を、つま先を引きつらせ、シーツを乱した。
     冬吾の頭を押し返そうとした手は、いつの間にか彼の髪を緩く掴んで、切なく震えるだけになっている。
     もたもたしていたら朝になりそうだと言ったのは冬吾だ。
     なのにキス以上に長く弄ばれて、お腹の下にひたすら重たい熱が溜まっていく。
    「ん、っ……ぁ……! ぁあ……!」
     下腹部の疼きが悪化するに従って膝が開き、腰がかく、かくっと浮き上がりはじめて、このまま続けられたら、自分が自分ではなくなってしまいそうで。
    「ふぁ、っ……や、あ……もういいっ……いいから……っ、やだ、っ、やだぁ……!」
     懇願を無視されると、いよいよ虐められているような気分になってきた。
     ――なんで……、なんでこんなに、するの……?
     ――私の反応が、面白いから……?
     ――ただの交換条件なのに。こんなに、愛してるみたいにする必要……。
    「ぁ、ぁあぁ、ぁあ……っ」
     涙が滲み、息が切れて、喘ぎ声が弱々しい泣き声に近くなると、やっと冬吾が離れていった。
    「あ……ぁ……」
     かくついていた腰が、くたりとシーツに沈み込んでいく。
     でも陰部は激しくひくついたまま、愛液が止まらなくなっていた。
     ローブで隠したくても、全身が腫れぼったくて、泥の中を這っているように上手くいかない。
     息を切らしながら冬吾を見上げる。小鈴の手でぐしゃぐしゃに髪を乱されたにもかかわらず、彼の魅力は損なわれていないどころか、更に色香が増していた。
    「真っ赤になってて、可愛い。ここだけ、果物みたいだな」
     悪戯を楽しむのと似た感覚なのだろうか。冬吾は妖艶に笑いながら、指で両胸の乳首を膨らみの奥へ押し込んでくる。
    「ぁっ……! ぁあぁ……っ……」
    「どうなるかと思ったけど、感じてくれてよかった」
     今度は摘んでくにくにと圧迫されて、また腰が浮いて、臀部の方まで滴っていることに気付いてしまう。
    「あんっ……! ぁ……こんな、しなくて、いいです……私が、慣れてないからって……おもしろがらないで……」
    「面白がる? 一緒にすることなんだから、ちゃんと気持ちよくなってもらうのは、男の責任だろ?」
    「せきにん……? て……あ……!」
     やっと胸から離れてくれたと思ったら、今度は両膝を思い切り左右に割られた。
     慌てて閉じようとすると、言うことを聞けとばかりに、更に大きく開かされる。
    「やっ……、やだっ、そんな……っ」
    「よかった、濡れてる。ひくついて……すごいな。ずっと理想の相手が現れなくて、欲求不満だった?」
    「え……、あ……あぁあっ……!?」
     冬吾は小鈴の脚の間に這いつくばったかと思うと――一瞬も躊躇わず、陰部に舌を這わせはじめた。
    「なんっ……なんで、っなん……ぁあ……!」
     蜜を舐め取るように下から上へと繰り返されて、小鈴は今度こそ全力で頭を押し返す。でもそれ以上の力で太腿を押さえ込まれ、がっちりと固定されてしまった。
    「ぁあぁ……! あ……! も、もうい、こういうの、いいっ……んぁあ……!?」
     陰核を吸われた瞬間、全身にびりびりと痺れが走った。
     情けない声が漏れて、状況を把握するよりも先に頭の中が白く霞んでいく。
    「やっ……なに、っ……、舌、それ、っ……んぁ、あー……!」
     胸と同様に、どんなに小鈴が取り乱して喘いで身体を捩っても、冬吾は離れてくれなかった。
     ひたすら汚い場所にしゃぶりつき、じゅるじゅると音を立て、淡々とした舌の動きで翻弄してくる。
    「あ、ぁあ、あっ……?」
     そのうちがくがくと腰が震えて、膣が痙攣をはじめた。全てを心得ているタイミングで、膣口に舌より確かな感触が触れて、濡れた縁をぐるりと辿られる。
    「あ、ぁあ……? あー……! はふ、っ……ぅ……! とうごさ……なんっ、なに……あっ……!」
     潜り込んできたのは、どうやら指のようだ。
     痛みはなかった。
     だから早く、もっともっと先に進めて、さくっと全部終わらせてほしい。
     なのに冬吾は相変わらず舌でねっとりと陰核を捏ね回し、挿入した指でお腹の方を探ってきた。
    「んぁ、……っ、……? ぁ……? ぁあぁ……?」
     内側から引き出される官能は、剥き出しの陰核で感じる過激な快感とは違った。
     幸福としか表現しようのない感覚がじわじわと全身に広がって、本当に愛されている錯覚までしはじめて、怖くなってくる。
    「冬吾、さん……もう、っ……も、はやく……さいごまで、おわらせて……あっ……!」
     耐えきれずにねだると、やっと脚の間から離れて指を抜いてくれた。
    「……感じてるのに、なんでだよ?」

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