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あらすじ
どんなことをしてでも私の傍らに君を置く
王子様との出会いが運命の分かれ道でした♥異世界で侯爵令嬢として新たな生を始めたユリアーナ。父と継母に虐げられ、婚約者も異母妹に奪われたが、王太子フェルナンに気に入られ、王城で働くことに。「ずっと私の側にいてくれるだろう?」食事のとき膝に乗せられたり頬にキスされたりしてドキドキが止まらない。子供扱いされていると思うのにフェルナンはユリアーナを妻にと言いだして!?
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キャラクター紹介
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ユリアーナ
病弱だったが現在は健康な侯爵令嬢。転生者。 -
フェルナン
優しく美しい天使のような第一王子。実は計算高い。
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試し読み
「好きな人に、どんなふうに扱われても平気なの。それが嬉しい」
フェルナン様が好きと言ってくれても、愛してると言ってくれても、自分の中に男性に対する気持ちが生まれても、この恋はきっと叶わずに終わると思っていた。
あなたにはもっと素敵な人が現れるだろう。
あなたは必要ならば、もっと有益な女性を選ぶだろう。
だから信じなかった。信じないようにしていた。
でも、今は信じられる。あなたが私を女の人として愛してくれてることを。
「乱暴にするつもりはないが、そんな言葉を聞くと益々抑えがきかなくなるな」
完璧な王子様が、我慢できないと言って私に触れてくれるから。
それくらい好きなんだって伝わったから。
キスをする。
舌がからまるようなキスを。
感染症がとか、呼吸がとか、不安に思うことなどない。
むしろ熱い舌に蕩けてしまいそう。
背中の戒めが解かれると、ドレスが襟元から引き下ろされる。
でもその手はエリオットの乱暴なものとは違い、ゆっくりと優しく脱がせてゆく。
ビスチェが向きだしになると、その上から手がそっと胸の膨らみに触れた。
それだけのことなのに、身体に痺れが走る。胸なんて、何度も検診の時に触れられていたはずなのに。
健康な今の身体には膨らみがあった。入院していた時にはガリガリで洗濯板みたいだったのに。
大きな手のひらに膨らみが包まれ、柔らかな感触を味わうように動く。
恥ずかしさもあったけれど、彼に女性を感じさせられる身体になったことに安堵した。
「本当に怖くないか?」
「……フェルナン様なら」
手は形を確かめながら先端を探し当てた。
布の上から軽く摘ままれて、ビクリと身体が撥ねる。
それを無視して指は摘まんだ箇所をぐりぐりと弄ぶ。
「ふ……ぁ……っ」
私が声を上げると、手は胸から離れた。
嫌だから声を上げたのじゃないの、気持ちよくて声が出てしまったの。恥ずかしくてその気持ちを口に出すのが遅れると、手は別の動作に移った。
ドレスを脱がす、という作業に。
「あ……」
絹のドレスはするするっと腰を抜け、ベッドに半分座ったままでいた足元に落ちる。
ビスチェとペチコートだけの姿。いくらレースやフリルで飾られていても、それが下着だと思うと恥ずかしさが増す。
診察の時にはお医者さんの前で平気でパジャマを脱いでいたのに。
「脚には触られた?」
誰に、なのかは言わなかったけれどエリオットのことを言ってるのだとわかった。
「少し……」
「ふぅん」
不満げな声。
「あ!」
フェルナン様は私の足首を取ると、軽く持ち上げてベッドの上に乗せた。
ペチコートの中が見えたかしら? でもドロワーズを着けてるから大丈夫よね?
そう思ったら、手がペチコートの中に滑り込んでその紐を解く。
「フェルナン様……!」
「これは不埓者に対してはよい砦となっていたようだが、私には必要ないな」
紐を解かれたドロワーズは簡単に引き抜かれ、それもまたベッドの下へ落とされた。
ちょっと待って。これってノーパン状態? いくら病院慣れしてると言ってもノーパンにはなったことがないわ!
狼狽える私の前で、彼は上着を脱いだ。
薄いシャツ姿になり、窮屈だといわんばかりに胸元のボタンを外す。
いつもキチッと身なりを整えている彼のラフな姿に胸が高鳴る。
男の人なんだ。
人形のような、物語のような王子様じゃない。フェルナン様は、男の人なんだ。
彼は私の足首を掴んで持ち上げ、ストッキングを取るとそこにキスした。
「あ……」
思ってもいなかった場所に感じる柔らかい感触。
キスは向こう脛に移動する。
「ここには触られた?」
答えないと、キスが移動する。
「ここ?」
ふくら脛にもキス。
「違います……」
「もっと上?」
「だめっ!」
下着を脱がされているのにそれより上に行かれたら……。
私は真っ赤になってペチコートを押さえた。
でも彼は止まらなくて、膝に、更に太ももにキスされる。
「そこです! それより上には触られてませんっ!」
必死になって言うと、彼は脚を離してくれた。でもキスは止まらない。
「見られたわけではないんだね?」
「見られていません……。立ったままスカートを捲られただけです。というか、捲ろうとしたけど布が多すぎて捲れなかったんです。その時ちょっと手が触れただけです」
「そうか」
「だからキスはもう……っ」
「手で触れるよりキスされる方が扇情的だろう? こんなことをするのは私だけだ」
「誰にもさせませんっ!」
押さえたペチコートがキスに負けてずりあがってゆく。露になる太股に彼の顔が埋まるのが見える。
押し付けるのではなく軽く触れるだけのキスが何度も繰り返され、くすぐったい。というかゾクゾクする。
キスの度に力が抜け、ペチコートを押さえる手が緩む。
終にキスは脚の付け根にまでたどり着いてしまった。
人に触れられることのない場所にされるキス。
「あ……」
そこまで来たらもう大事な場所は見られているかもしれない。
「や……っ!」
見られるどころではなかった。手がするりと入り込み、ソコに触れたのだ。
「待って……、そんな……」
柔らかい肉を指が探る。
閉じた場所を開いてゆく。
スッと撫でられ、応えるように自分がヒクつくのがわかった。何度も撫でられているうちにソコが濡れてることに気づく。
いつの間にか、開かれた脚の間に彼の身体があった。
感覚に翻弄され、力を奪われ、彼にされるがままになる。
濡れた場所を指で撫でられている間にペチコートを押さえている手も外れてしまった。
キスは指と同じ場所まで来ると、指が撫でる場所の上の突起に触れた。
「あ……っ!」
触れた唇から伸びる舌が穿るように突起を舐める。
頭の中が真っ白けになるほどの快感がパアッと全身に広がる。
「だめ……っ、そんなとこ……。あぁ……」
力が抜ける。
麻酔にかかったみたいに身体のコントロールができない。
全身に張り巡らされた神経の全てが疼いてゆく。
その中で、舐められてる場所だけが敏感になってゆく。
舌の、ぬめるような動き。硬くした先が小さな粒を転がす。
深く息を吸いたいのに、呼吸の途中で快感に呑まれて息が止まるから浅くしか息が吸えない。
指は、少しだけ濡れた場所の中に入った。
「……ック」
鯉の口みたいに、ソコが指先を咥える。でも締め付けるほどの力もないし、それほど奥にいるわけではないから、まるでしゃぶってるみたい。
「ふ……っ、ん……っ」
酩酊して意識がそれに集中していると、突然愛撫が止まった。
指も舌も、ソコから離れて彼が身体を起こす。
視界に入ったフェルナン様の顔。
「とても色っぽいよ、ユーリ」
パーティのために結い上げていた髪はもう解けてベッドに広がっていた。その一房をとって、彼が口づける。
私を見下ろしながら、今度は胸に手が伸びる。
前開きのビスチェは縦に襞を寄せ、襟元にレース、腰回りにフリルの付いた可愛らしいものだった。
平たいくるみボタンが上から一つずつ弾くように外されると、胸が楽になる。
私があまり体力がないことと、細っこいのでコルセットは着けていなかった。なのでボタンが外されると肌が露出する。
「……胸はあまりないの。ごめんなさい」
私が言うと、彼は一瞬驚いた顔をしてから破顔した。
「ユーリの胸だというだけで魅力的だよ」
手がするりと中に入る。
直に触れる掌は熱を持った私の身体よりもほんの少し熱かった。
男の人の方が体温が高いせいか、彼もまた熱を帯びているのか。
「柔らかいね」
触診でお医者さんにも直に胸を触れたことはある。でもさっきと同じように、『違う』と感じる。
仰向けだから横に流れた乳房を元に戻すように掴まれる。
彼の顔が近づいて額にキスされた。
手が動くと、前がはだける。
彼が倒れてきて身体が重なる。
はだけたビスチェから零れた、手に掴まれていない方の乳房にキスされる。
「本当は痕を残したいのだけれどね」
痕? キスマーク?
「見えないところなら大丈夫なのかな?」
胸を掴んでいる手が、胸の先を捕らえる。
「……侍女に湯浴みを手伝ってもらえばバレてしまうか」
お風呂は一人で入ってるけど、それは口にしなかった。
身体に痕を残されては困ってしまうから。私はいいけど、彼が結婚前に触れたと知られたら立場が悪くなるのではないかと心配になったので。
「あ……」
下を舐められた時ほど刺激的ではないけれど、乳首を弄られると身体の内側からじくじくとした快感が身を焼く。
焦れったい。
そんな気持ちが生まれてしまう。
親指と人差し指で、芯を捕らえて捩る。
キスを落とした方にも舌が伸びる。
口に含むのではなく、まるで子猫がミルクを舐めるように舌先だけで転がす。
「あ……、や……っ」
堪らなくなって、彼に手を伸ばす。
「抱き着いていいよ」
胸元から声がする。
「私の方こそ、壊れたりしないからね。爪を立ててもいい。それで痕が残っても、名誉の勲章だ」
伸ばした腕を、彼の背に回す。
力はまだ戻らないから、背のシャツを掴んだ。
「フェル……」
「いいね。その呼び方」
フェルナン様と呼びたいのに、途中で言葉を紡げなくなって途切れた名前に、彼は喜びの声で言った。
「これからは私のことをそう呼ぶといい。ユーリだけの呼び方だ」
私だけの?
「フェル……?」
「そうだ」
「フェル」
硬くなった先を舌が弾く。
「あ……っ!」
下肢にはもう何も触れていないのに、胸を弄られていると舐められたところが疼く。
指先を入れられたところからは何かが溢れてくる。
「あ……ン……ッ」
甘い声が吐息に混じる。
掴まれて、揉まれて、先を摘ままれて、舐められて、吸い付かれて……。胸に受けるさまざまな愛撫が私を蕩けさせてゆく。
溶けて、人の形を保てなくなってしまうのではないかと思うほどに。
彼の愛撫で快感を覚える度に、足先が、脚の奥が、胸が、ピクピクと痙攣する。
目眩がする。
溺れてゆく。
シーツの海に揺蕩って、彼という魚に啄まれている。
「愛してる」
フェルの指が下に伸びる。
捲られたままだったペチコートの中、内股を滑り濡れた場所へ。
入口で少し彷徨った後、今度はその中に差し込まれた。
「あ……」
一本の指が抵抗なく奥へ。
「あぁ……っ、や……」 -
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