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試し読み
少しの間、お互いになにも言わずに視線を交わした。
イゾリィの青い瞳には、深い愛情と切望とが宿っている……
「――今宵、私のものになってくれるな?」
びっくりしているし、とまどってもいる。
――けれど、断る理由はない。
「……はい」
唇を彼の唇で覆われた。
熱く、やわらかな粘膜を、唇の表皮で感じる――
陶酔するような甘い感覚より先に、上下の唇を押し開き、イゾリィの舌が口の中に入り込んでくる。
「――っ……!」
驚いて唾液を呑み込むと、自分のものに混じって彼の味がした。シャンパンとチョコレートの甘い味だ……
(これが本当の、大人のキス……)
彼の舌が自分のそれに絡み、とろけそうにやわらかな彼の熱を感じる。人間の身体の一部が、こんなにもやわらかくて、熱い。
なぜだかそれが、とんでもなく淫らなことのように思えてしまう。
気持ちがよすぎて、頭の芯がぼうっとする。思考する力が低下してゆく……
唇が離れると、細い唾液が糸を引いた。
ぼんやりとする視界の中で、イゾリィがバスローブを脱ぎ、玲奈と同じく全裸になっている。
たくましく引き締まった美しい男の肉体に、玲奈は思わず息を呑んだ。
見とれるほどに均整の取れたイゾリィの身体が密着してきて、しなやかな筋肉の感触と体温とを素肌で感じた。
もう一度濃密なキスを受けながら、胸のふくらみを彼の指で弄ばれる。先ほどのやわらかな愛撫よりも遠慮のない、ふくらみを鷲掴みにするような力強いものだ。
ぎゅっと乳房を掴まれ、彼の指がふくらみに沈む。そのたびにかすかな痛みと、乳房の中心から切ないほどの快感が迸り、玲奈は無意識のうちにいやらしく腰をくねらせた。
初めて味わうこの感覚を、どう受け止めればいいのかわからない。
じりじりと胸が焦げるようなあせりを感じる……
キスを終え、深く呼吸をしていると、イゾリィが玲奈の乳房を掴んだまま、そちらへ顔を持ってゆく。
(! やっ……やだっ……!)
乳房をまじまじと見られるような格好になり、羞恥でとっさに彼から逃れようとした。
が、イゾリィの力は強く、びくともしない。
玲奈が身をよじらせたせいで、ふくらみがふるりと揺れただけだ。その様子が、悪戯に男の本能を刺激したことに、玲奈は気付かない。
突如、イゾリィが玲奈の乳頭に食いつくようにしてむしゃぶりついてきた。熱い口内のぬめりで、敏感な乳首を覆われ、舌の腹で舐めあげられ、玲奈はたまらず声を上げる。
「――あっ! きゃっ……ああっ――!!」
きゅう、ときつく先端を吸い上げられると、身体の奥にあった淫熱が、そこから引きずり出されるようだった。
はぁ、とイゾリィの獣のような息づかいが聞こえて、腰の奥が震えた。
いつもの彼とはちがう……こんなこと、絶対にしそうにないひとなのに……
それに――こんな卑猥なことをされているのに、身体は嫌がっていない――むしろ、こうされて悦んでしまっている……
「……待って……待ってください、イゾリィ…様……」
ふっと彼の口が乳頭から離れ、唾液で濡れたそこが空気に濡れてひやりとした。
イゾリィが、玲奈の乳頭を軽くつつく。
「見ろ――そなたのここは、赤くふくらんで私を誘惑した。私はそなたの望み通りに食べただけだ」
「! 望んでなんか……あぁんっ!」
抗議しかけると、ふたたび乳首を口に入れられ、付け根を甘く噛まれた。強烈な快感に襲われ、玲奈は甘ったるい悲鳴を上げる。
イゾリィはそれを同意と受け取ったのか、さらに乳首を苛めてくる。
もう片方の乳頭も指を使って巧みに刺激し、口内の乳首を絶妙な力加減で甘噛みし、舌の腹で舐めあげてくる……
「――あぁ……いやぁ……」
ぴちゃ、くちゅ、と乳首をいたぶるいやらしい音が耳に付く。最悪なのは、それを聞いていると下腹がじっとりと湿ってくることだ。
……これではイゾリィにもっと嬲って欲しいと言っているようなものだ。
存分に乳頭を苛め尽くしたのか、イゾリィは乳房から顔を離した。
すると、今度はこちらの身をかき抱き、また唇を貪ってくる。
行為のせいで互いの熱が昂ぶったのか、さっきよりもキスを熱く感じる――
そうしながら彼は、玲奈の脚の間に身を割り込ませている。
「――っ!!」
このまま、最後までしてしまうつもりだ……
口内を味わわれながら、脚を大きく開かされ、その割れ目の中心に、なにか丸みのある熱い物体を当てられた。
硬くて、そのくせわずかに弾力のあるそれはいったいなんなのか。
(! ……いやっ……なにが……?)
それが、玲奈の割れ目の内部を探り、陰唇に触れ、蜜口のまわりに押しつけられる。
恥ずかしい場所を弄られているというのに、嫌な感じはしない。羞恥は募るし、気がどうにかなりそうなのに、不快ではなかった。
恥骨の奥で渦巻いていた昂ぶりが、熱い液体となって蜜口から溢れ出す――
秘部にあてがわれた物体に淫蜜が絡み、くちゅ……とどうしようもなく卑猥な水音を立てた。
唇が離れ、キスを終えると、イゾリィは妖しいほどに艶めいた笑みを浮かべている。
「身体が私を受け入れる準備をしているようだ」
「――えっ……きゃっ!」
脚の間の、秘裂に添って、温度を持った棒状のなにかがあてがわれている。
よく見ればそれは、イゾリィの脚の間から生えている――きっとあれが、男性器というものだ……
(これが、男のひとの……) -
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