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試し読み
「駄目だ。今さら、怖気づいたと言われても聞けない」
冷たく言い放ったれ、あっさりとドロワーズもむしり取られた。
「っ!」
羞恥で顔を真っ赤にして、フランカは両脚をとじて顔を背ける。
固く目を瞑っていても、ウェンデルがじっと見下ろしているのを感じた。
すらりとした脚の付け根の、淡い銀色の茂みが彩る部分までも全て、一糸まとわぬ姿を彼の目に晒されている。
恥ずかしいのは勿論だが、怖くもあった。
ウェンデルが今まで、こんなに手荒い真似をフランカにしたことは一度もない。いつだって、真綿に包むように丁寧に優しく接されてきた。
しかし、その彼を怒らせたのはフランカの浅慮で、媚薬に苛まれて辛いから責任をとれと言われても当然だ。涙の滲む目を薄く開けて、恐る恐る身体の力を抜くと、縛められていた腕をウェンデルが放した。
柔らかな膨らみが大きな手に掴まれるのを、フランカはもう抵抗はせず、息を詰めてみつめた。
左右の胸が掬い上げられ、捏ねられて、柔軟に形をかえる。
白い肌に指の痕が薄っすらつくほど強く炙られていると、痛いだけだったのに奥からむずむずずるような妙な感覚が沸き上がってきた。
「ん、あっ、ああ」
じんじんと熱を持ち始めた胸の先端を指でつまんで擦られると、鮮烈な刺激に喉から変な声が勝手に零れていく。
「ずいぶんと感じやすいな」
ウェンデルが言いながら、片方の乳房に顔を寄せた。赤く色づいた頂きをぬるりと舐められ、途端にゾクゾクと駆け抜けた妖しい感覚に、フランカは背をのけぞらせる。
「ああっ」
自然と自分から胸を突き出す結果となり、胸の先が生暖かい感触に包まれた。
見れば、ウェンデルが片方の胸の先端へ吸い付いていた。
「ウェ、ウェンデルさま……? っあ、く、ぅ……っ」
「思っていた通り、甘い肌だな。柔らかくて手に吸い付く……」
胸の先端を口に含んだまま喋られると、微妙な振動がたまらない刺激となってフランカを襲う。
「あ、や、やぁっ……んっ」
ゾワゾワと肌を粟立たせる疼きを逃そうと頭を左右に振っても、ウェンデルは容赦しなかった。フランカにのしかかって身動きを封じ、固く尖って痛いくらいにじんじんと疼く先端を吸い、軽く歯を立てて、舌で転がす。
もう片方の胸を弄る手も休めない。執拗に捏ねて揉みしだき、敏感な胸の頂も、指の腹でぐりぐりと押しつぶされる。
そうされると、弄られているのは胸なのにお腹の奥がぎゅっと収縮した。もどかしい熱と妖しい疼きがそこに渦巻はじめ、それが次第に気持ちよく思えてくる。
「は、んっ……はぁ、ぁ……」
フランカの吐く息が次第に熱を持ち、零れる声も艶を増していく。甘ったるい声が恥ずかしくてたまらないのに、抑えようとしてもひっきりなしに漏れる。
顔をあげたウェンデルが、今度は首筋に唇を押し当てた。強く吸い上げられ、チリッとした痛みが走る。
「んんっ」
肩をすくませると、低い笑い声と共に今度は二の腕の内側を吸い上げられた。そっと目をやれば、フランカの白い肌に赤い痣が刻まれている。
「フランカが俺のものだと、しっかり印をつけておこう」
いつもより低く掠れた声が、フランカの耳の奥に入り込み、ゾクゾクと背筋を震わせる。
ウェンデルの舌が顎から喉へと這い、首筋から鎖骨の周辺、胸元まで何か所も強く吸いあげられていく。そのたびにフランカの身体がビクビクと跳ねた。
片手で胸を揉まれながら、もう片手でわき腹や太ももを優しく撫でられると、下腹部に溜まる熱も増していく。
「あっ、ん……っ!」
男女の睦言に関して、自分が調べておいた事など、ほんの僅かな一部にすぎなかったと思い知る。
これほど執拗に身を弄られる事も、それで得る快楽も、想像すらしなかった。
腹の奥のざわめきが強くなるにつれて、うずうずと腰が自然と揺らめいてしまう。全身の熱があがり、しっとりと汗が滲んでいく。
不意に、ウェンデルがフランカの膝を掴んで大きく押し開いた。
「あっ!」
秘められた部分を外気に晒され、全身の熱が急上昇した。必死で閉じようとするも、彼は脚の間に自分の身体を割り込ませてしまう。
「良い子だ。しっかりと濡れている」
ランプの灯りに照らされた、淫靡に濡れ光るそこに視線をおとし、ウェンデルが口角を吊り上げる。 -
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