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あらすじ
ワンコ(!?)な旦那様から毎晩、甘やかされて愛されて!?
男性が苦手なばかりに冷たい態度をとってしまい、「氷の魔女」と呼ばれ周囲から距離を置かれるフィオナ。ようやくまとまった縁談で辺境伯のクロードに嫁いだところ、なぜか無条件に可愛がられている!? 夜ごと淫らな愛撫と蕩ける快感を教えられクロードに惹かれていくけれど、彼が求めているのは「氷の魔女」であるフィオナだったと知って……!?
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試し読み
「んんッ!?」
驚きに目を瞠るフィオナの前で、彼の紫色の瞳は閉じられていた。くりくりと指の間で転がされてしまえば、すぐに快楽でいっぱいになる。まぶたを閉じ、緊張からか入った力も抜けていった。
「ん、ん、んぅ、んんッ。んー、んんんッ」
くちづけは優しく甘いというのに、彼の指先はいやらしくフィオナの乳首を弄ぶ。
片方の乳首を挟んだ指の間でくりくり転がし、もう片方の手は胸の下で縛られているリボンを外した。少しゆったりした夜着が、締め付けをなくす。すると、肩口でとどまっていた布が、するりと腕を辿って落ちていく。
もともとゆったりと着るつもりで作ってもらったものだったが、この数日、滅多にない長距離移動と環境が変わったことで体重が落ちたのだろう。思っていたよりも、布が余ってしまった。それをリシューがリボンで調整をしてくれたのだ。そのリボンがなくなってしまったら最後、夜着は夜着としてほぼ機能しない。
「──んぅ、あッ、むぅ」
リボンを取り払った彼の手が、そこまで気づいていたのだろうか。彼は反対側の肩からも夜着を下ろし、フィオナの上半身を露わにした。火照った肌に寝室の空気は、ほんの少し冷たく感じる。しかし、クロードの肌も服越しだというのに、負けず劣らず熱かった。
「寒くないか」
それよりも、恥ずかしい。
顔を覗き込んでくるクロードに言いたいことを言えず、フィオナは視線を逸らして首を横に振った。クロードが小さく「そうか」と言い、額にくちづける。優しいやわらかな感触に顔を上げると、再び唇が触れた。
「舌、出して」
くちづけの合間に言われ、フィオナは従う。おずおずと差し出した舌に、クロードの舌が絡みつく。じゅる。触れ合うところから淫靡な音がして、下腹部が熱くなった。さらに、彼の指先がフィオナの尖った乳首を、つまむ。
「んぅッ」
肩を大きく揺らすフィオナをそのままに、クロードは舌をちろちろと舐めながら、彼女の乳首もかわいがった。親指の腹でよしよしと撫で、刺激を与える。舌先から、乳首から、甘い刺激が全身へ伝わる。
「ん、んぅ、んんッ」
いやらしい水音に、フィオナのはしたない声が混ざった。
(ああ、だめッ。気持ちいい……ッ)
クロードに与えられる何もかもが気持ちよくて、すべてが甘くて、どうしようもない。
口の中で溶けていくクリームのような気分になりながら、フィオナはクロードの愛撫に溺れていく。ひくひくと小刻みに揺れる身体を、後ろから包んでくれるクロード。その力強さに男を感じ、心臓が鼓動を速める。それに腰のあたりに熱の塊が押し当てられているような気がした。
「……」
やがて、彼の唇が離れていく。
うっとりとクロードを見上げると、彼はフィオナのこめかみにくちづけをして、耳元に唇を寄せた。
「前に手を」
肌がぞくぞくするような、熱っぽい声だった。
まだこうしていたいと思いながらも、フィオナは素直に従う。けだるい身体で伸ばしていた足を折り曲げ、前に手をつく。
「もう少し、前」
不思議に思うことはせず、フィオナはもう少し前に手をついた。ほんの少し腰が上がり、体重が腕にかかったと思ったときには──ずべしゃ、とベッドに顔から倒れる。あれだけ快楽を教え込まれたあとで、身体を支える力はフィオナには残っていなかった。
「大丈夫?」
後ろから声をかけられ、頷いて応える。
(……顔、少しこすった……。痛い)
でも、気持ちいい。
火照った頬に、冷たいシーツはちょうどよかった。ふぅ、と息を吐いた直後、夜着をめくりあげられ、ぬるりとした感触を秘部に感じて息を呑む。べろりと割れ目を舐め上げられてしまい、肩が揺れた。
「ひぅッ」
快楽に侵された思考では、よくわかっていなかったが、どうやら彼におしりを向けるという、恥ずかしい格好になっていたようだ。どうしたらいい。そんな思考すら、クロードは奪うように、割れ目に舌を差し入れてきた。
「やぁッ」
入り口で舌先がうごめくのがわかる。クロードが、がっしりとフィオナのおしりを掴んでいるせいで、逃げたくても逃げられない。与えられる快感に合わせて、ゆらゆらと腰が揺れた。フィオナはシーツを掴んで、彼からの愛撫に耐える。
「あ、あぁッ! ……んん、だめ、吸っちゃ……ッ」
「甘い蜜が、奥からどんどん溢れてくる」
果実を味わうような舌使いに、フィオナは何度も身体を震わせた。
「……でも、まだ狭いな」
そう言って、彼はフィオナのそこから唇を離す。そこでようやく、息をつくことができた。心臓がどきどきと早鐘を打ち、丁寧に舐められた秘部はひくついている。フィオナも呼吸を整えるのに精一杯で、何度も大きく息を吐いた。
もう、何がなんだかわからない。
腰を上げたまま、それを下ろすといった思考にすらなれないほど、フィオナは快楽に侵されていた。自分の心臓の音と呼吸が聞こえる中で、再び彼の手がフィオナのおしりに手を添える。
これから何が始まるのだろう。
期待とも、見えない恐怖とも言える不安が押し寄せてくる。すると、足の間、それも秘部に触れるようにして、棒状の熱い塊が差し込まれた。
「ッ!?」
熱い。そして──、硬くて大きい。
自分に何が起きているのかを確認しようと、視線を向けようとしたところで、クロードが背中を覆いかぶさってきた。
ぎゅ、と抱きしめるように、フィオナの胸へ手をまわしてくる。
「あッ」
「こうすれば、大きさは気にならなくなる」
彼の大きな手に包み込まれたふくらみ、さらにその指先は尖った先端をすりすりと撫でていた。秘部を見たくても、彼の手に包まれ、指先で弄ばれている己の乳首しか見えなかった。フィオナが熱い吐息をこぼしていると、彼の右手がシーツと頬の間に滑り込まれて左を向かせられる。先程、顔から伏したのを気にしていたのか、フィオナの頬はクロードの大きな手によって包まれた。
「……クロード……さま」
「大丈夫。怖いことはしない。……少し、気持ちよくなるだけだ」
優しい声が、耳に落ちる。 -
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