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あらすじ
いろんな「初めて」を彼から教えられちゃう…!?
エリート上司の愁也と恋人になった陽奈は、彼にひたすら甘やかされ、溺愛される日々を送っていた。「左手の薬指に指輪をはめてもいーい?」陽奈の指を舐りながら、巧みな指先で蕩けるような愛撫をほどこす愁也。愛される悦びを教えられる陽奈だけど、「結婚」をためらう理由があった。嬉しいはずのプロポーズ。陽奈が出す答えは……!?(ヴァニラ文庫ミエル)
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試し読み
「……陽奈、もうとろっとろ」
嬉しそうな愁夜の声に、羞恥から顔を逸らすが、彼の指が陽奈のナカに入ってくる感覚にシーツを握りしめる手に力をこめた。
「や、あ、あ、入ってく……んッ」
肉壁を撫でるように入ってくる感覚は、いまだ慣れない。
それでも、この瞬間を待ちわびている自分がいるのだから不思議だ。埋められていくと言うには質量は足りないが、彼の指がそこにいるだけで安心できる。彼だからこそ、許せる場所なのかもしれない。
「んんッ」
ぐっと奥まで差し込まれた彼の指に、身体が揺れた。これで少しは呼吸ができる。そう思い、深呼吸をしようとしたのだが。
「──ッ!?」
彼の指は容赦なく陽奈のぐずついたそこを掻き回し始めた。
「あ、あぁッ、あ、っやぁ、んんッ」
ぐちゅぐちゅという音が辺りに響き、乳首を吸う彼の舌も絡みついてくる。陽奈の快感を高めていく絶妙な舌と指の動きに、膨れ上がった快楽が出口を求めて彷徨い始める。
「あ、あぁ……ッ、んんッ、愁夜……さ、も、……私……ッ」
助けを求めるように乳首を吸う愁夜を見下ろすと、彼と視線があった。
いいよ、陽奈。
そう言われた気がした。
「ふ」
くしゃ、と顔を歪ませた陽奈が真っ白い世界を受け入れたのと、愁夜の指が最奥を目指したのはほぼ一緒だった。
「──ッ! ッ、ッぁあ」
言葉にならない声があがり、腰が浮く。
それを愁夜がなだめるように陽奈を抱きしめ、そっと指を引き抜いた。彼の指がいなくなったことによる切なさに、胸がきゅと締め付けられる。何度身体を揺らしても、彼に与えられた快楽はすべて出ていくことはなかった。
「……っは、はぁ、はぁ」
胸を上下に、呼吸を整える陽奈の前でゆったりと身体を起こした愁夜は、蜜にまみれた指を舐めとっていた。その舌先が動くさまを見ているだけで、いやらしい気持ちになる。
彼の視線がふと、陽奈に向けられた。
「えっちな味がする」
ふふ、と嬉しそうに言う愁夜を見ながら、陽奈の頬が熱くなる。
「……やらしい」
「どっちが」
それを言うなら、愁夜のほうだ。
そう言いたいのに、彼の色気にあてられて何も言えなくなる。すると、妖艶に微笑んだ愁夜が陽奈に手を伸ばしてきた。
「はい、ころんしてー」
彼に手伝われながらも、言われるままにベッドの上で転がる。うつ伏せになった先に彼の枕があり、また愁夜の香りに包まれた。きゅう、と心臓を掴まれたような気持ちになる。
「陽奈、手をついて」
こうかな。
けだるい身体に力を入れ、陽奈は両手をついて身体を起こす。腰を痛めないよう、図らずも四つん這いになった。それが愁夜の目的とは知らずに。
「……ん?」
あれ。
彼の手が陽奈の丸みを帯びたそれに添えられ、熱い塊が押し付けられる。それは棒状のようなもので、すっかり硬くなっていた。もしかして──と、思ったときには、先端が濡れた秘所に埋められる。
「んんッ」
ゆっくり入ってきたそれは、陽奈の蜜をまとわせながらナカへ──進まない。
やってくるだろう圧迫感を与えず、その熱は出ていった。思わず呆ける陽奈に、再びナカを埋めようと熱が入ってくる。が、それもまた奥へ進もうとはせず、ある一定のところまでいくと、出ていってしまった。
ゆるゆるとした緩慢な動きで、彼の先端が浅く抜き差しを始める。
くちゅ、くちゅ。弄ばれているのか、先端が肉壁をなぞるとすぐに出てしまうのが、もどかしかった。水音を響かせ、彼の熱が奥までこないじれったさに、ナカがひくひくと彼を求めた。
そこで止めないで。
出て行かないで。
もっと奥まできて。
もう彼を受け入れる準備はできるというのに、彼は最後まで入れてくれなかった。もどかしい。じれったい。思いきり突いて、蜜を掻き出してほしい。くすぶった欲望を煽るような腰の動きに、陽奈の理性は勝てなかった。
「……ん、愁夜……さん」
「んー?」
「や、あ、だめ」
「何がだめか、ちゃんと言わないと」 -
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