-
試し読み
アルノルトは、コルネリアの頬にこぼれた涙を唇でぬぐってくれる。
その優しさに安堵していると彼の手が、下着をずり下げ、秘めやかな場所にふれる。
「まだあまり濡れていないな……」
「やっ……! そんなところ、触らないで、ください! 恥ずかしいです……」
コルネリアは、羞恥をこらえて訴えた。しかし、返ってきた言葉は、予想以上に真摯なものだった。
「君の身体なら、どこだって知っておきたい。……君を傷つけないために、いまから、すこし慣らす」
アルノルトは、敏感な場所を指で、ゆっくり撫でさすりはじめる。
コルネリアは、はじめのうちは緊張して、身をかたくしていた。ところが、アルノルトの指が、ある突起をかすめると、びくんと身体が痙攣する。
「……ああ。大丈夫そうだな」
アルノルトは、うっすら笑むと、その場所への愛撫を続ける。すると、コルネリアの中から、とろりとなにかが溢れだした。
――え……?
――身体の中から、なにかが……。
コルネリアは、粗相をしたと勘違いして、足を閉じようとした。ところが、アルノルトが身体を割りこませているので、思うようにいかない。たまらず、コルネリアはアルノルトに問いかけた。
「ア、アルノルトさま……。わ、わたし……」
蒼白になっているコルネリアを見て、アルノルトはなんのことか察したようだ。優しく声をかけてくる。
「大丈夫。慌てないでくれ、コルネリア。……心配しなくてもこれは、君が私を受けいれる準備ができてきた証拠だ。……お願いだから、恐がらないでくれないか?」
アルノルトは、そう言うと、そっと、なにかが出てきたところに指をあてがい、ゆっくり抜きさしし始める。
「少しきついな……。コルネリア、もっとゆるめられるか……?」
「ゆるめる……。どう、すればいいのですか……?」
コルネリアが首をひねっていると、アルノルトが、「しかたないな」とでも言いたげな微笑みを浮かべた。
「わかった。……では口でしよう」
「……え?」
アルノルトは、まだなんのことか理解できないでいる様子のコルネリアを見て、苦笑した。そして、ゆっくり彼女の下腹に顔をうずめると、その舌で、突起のあたりをたどると同時に、指の抽送を続ける。
コルネリアは、羞恥のあまり真っ赤になった。あまりの恥ずかしさに逃げようとすると、すかさず突起に歯を立てられ、思わず身体を震わせた。そのまま、そこをたんねんに舐められると、身体の奥の疼きがより大きくなる。
「やっ、……なっ、なめちゃだめ……」
未知の感覚に、コルネリアはただ戸惑うことしかできない。
――わたしの身体、どうしてしまったの……!?
アルノルトは、気まぐれに中心を刺激するので、その度に身体が疼いて、奥からなにかが一層、溢れる。そうこうしているうちに、指を二本に増やされ、音をたててかき回された。コルネリアは、色ごとに慣れない胎内に圧迫感を感じたが、アルノルトのたくみな愛撫で、さらに寝具が濡れた。
「コルネリア。……二本入った。本当に、……よくがんばってくれている」
優しくはげましてもらっても、思いのほかどん欲な身体の反応に、コルネリアは涙目になっていた。すると、片手をとられ、その甲に、アルノルトのキスが落とされる。
「ア、アルノルトさま……。わ、わたし、おかしくはないですか……?」
「頼むから、泣かないでほしい。……なにがあっても、君に幻滅などしないから。……君は、素直に感じていればいい」
コルネリアは、その言葉に、少なからず救われた。
――アルノルトさま……。
アルノルトは、片手でコルネリアの髪先を撫でながら、言葉を続ける。
「……また、途中で恐くなったら、そう言ってほしい」
言い終えると、アルノルトは、指でコルネリアの中を押し広げていく。その間、敏感な粒は再び、彼の舌に嬲られることになった。
「んっ……。あっ! ……だめ」
「……なぜ? ほら、君の身体はこんなに素直だ。後から後から、蜜が溢れてくる……」
コルネリアが、甘やかな責め苦に翻弄されていると、身体の中に、アルノルトに触れられて強く感じる場所があった。
「んっ…!」
思わず身体が反応してしまう。アルノルトは、すぐにそこがコルネリアの弱い場所だと気づいたようだ。心得たとばかりに、そこを執拗に責めてくる。ぐちゅぐちゅと胎内をかき回す淫らな音と、ぴちゃぴちゃと秘めやかな場所をねぶる、卑猥な水音があたりに響く。やがてコルネリアの中で、なにかが熱い奔流となって駆けめぐり、頭の中が真っ白になった。
「あっ……。やっ……! なにか、きます……!! あぁっ……!!」
はじめての快感に身をまかせ、身体を痙攣させていると、アルノルトは少し安心したような顔をしていた。
「アルノルトさま……?」
達したばかりの、霞がかかったような状態で問うと、アルノルトは、ふわりとコルネリアを抱きしめた。不思議に思ったコルネリアは、もう一度、彼に問いかける。
「アルノルトさま……?」
アルノルトからは、かすかに日なたのにおいがして、淫らなことをしているというのに、まるですべて許されているようなやすらぎを感じる。
「……コルネリア、もう少し、無理をさせるが、耐えてほしい」 -
関連作品