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あらすじ
素直になれない新妻がこじらせた旦那さまの手でトロトロに!
婚約者が行方不明になったため、グレンと結婚することになったセイファ。彼のことは幼い頃から想ってきたけど、結婚してもらったという状況ではどうしても素直になれない。愛されていないはずなのにグレンの優しく巧みな指使いに翻弄され、熱杭で官能と甘い愉悦を与えられていく。そんな時、二人は旅先で他国の争いに巻き込まれてしまって……!?
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試し読み
「これを飲むんだ。酔いが、迷いと苦痛をとってくれる」
「お、お酒の力を借りなくても、頑張れます……」
「初めての行為は、想い合った相手同士でも痛みが伴う物だ。だから飲みなさい、それが君のためだ」
グラスに注がれたワインを、セイファは渋々受け取る。
彼女は酒に弱く、場合によっては記憶がなくなってしまう場合もある。
今夜のことを覚えておきたい彼女としては回避したいが、グレンは彼女がグラスを空にするまで許すつもりはないらしい。
(でも、痛がって迷惑をかけるよりはマシなのかも……)
自分に言い聞かせながらあおったワインは、想像以上にアルコールの強い物だった。
すぐに身体が熱くなり、心までもがふわふわと落ち着かなくなっていく。
「あっという間に肌が色づいたな」
バラ色に染まったセイファの頬をグレンの指先に撫でられ、もう一度唇を奪われる。
(どうしよう……、さっきよりもすごく……グレン様を感じる……)
角度を変えながら優しく唇を啄まれ、グレンの大きな手のひらで頬をそっと撫でられると身体と顔からゆっくりと力が抜けてしまう。
口づけがより深い物に変わると、自分の本当の気持ちに抵抗するのは更に難しくなった。
やはりワインは飲むべきではなかったと思うが、今更後悔しても遅い。
「ア…、んっ……」
舌を搦ませるキスは生まれて初めてで、セイファは呼吸の仕方さえわからない。その上なんだか恥ずかしい声までこぼれてしまい、彼女は思わずグレンを遠ざけようと腕を突っ張る。
「……逃がさない」
だが、そんな言葉と共に僅かに唇が離れただけで、彼との口づけは止められなかった。
それどころか気がつけばベッドの上に押し倒され、二人の身体はより密着する。
グレンの逞しい身体を感じながらのキスは、びっくりするほど気持ちよくて、次第に彼女の抵抗も弱まる。
肉厚な舌に口内を犯されるうちに、セイファの表情と意識は甘く蕩けていく。
「ほら、もっと舌を搦めるんだ」
キスの合間に出される指示に従うことへの抵抗もなくなり、セイファは言われるがままグレンと舌と唾液を搦めていく。
「そうだ、上手だ」
「ふぁ……んぅ……」
「それに可愛い顔になってきた」
一際乱暴に唇を吸われながら、グレンの手によって乱れた夜着を引き下ろされ、セイファの豊かな胸が露わになる。普段は父から『男を無駄に誘惑してはならない』を言われてきつく締めつけているが、彼女の乳房は女性の中でもかなり大きい。
「あぁ……やぁ……」
肌の上から胸に触れられ、恥ずかしさにセイファの身体が跳ねた。
「心配するな、痛みをもたらすようなことはしない」
言葉通り、乳房をなぞるグレンの手つきはどこまでも優しい。
だが優しいからこそ、セイファの身体は官能の火にあぶられ、焦がされていくのだ。
「ふぁ……そこ、は……」
果実を摘み取るように胸の頂を指先で捏ねられると、甘いしびれが全身を駆け抜け身体が勝手にむずむずと動いてしまう。
そのまま親指と人差し指の腹でつまむように刺激されると、彼女の乳首はグレンを誘うように淫らに熟れ始めていった。
「ぁっ……胸、やぁ……」
「嫌なだけか……?」
言うと同時に、グレンの唇が左の乳首をチュッと吸い上げる。
その途端、セイファの身体をあぶっていた官能の炎が勢いを増し、全身に甘い熱が駆け巡る。
「あ、あつい……の……、すごく……」
「どこが熱い?」
「肌が……あと、あぁっ、身体の……奥……」
舌と指で左右の胸を刺激されながら、セイファは一際大きな声で甘く喘いだ。
ワインのアルコールが全身に回り始めたせいで、淫らな嬌声に艶が増し、物言いもどこか舌っ足らずで甘えた物になってしまう。
「熱くて……苦しいの……」
「苦しいではなく心地よいの間違いではないのか?」
「よすぎて……くるしいの……だから……ッ…」
やめて欲しいと懇願はしたものの、何故だかグレンの指使いは巧みになり、熟れた頂を吸い上げる唇からは優しさが消える。
痛みはないが、乱暴にされればされるほどセイファの身体は興奮し、理性も削り取られてく。
(どうしよう……触られると……凄く気持ちいい……)
唾液でねっとりと濡れた乳房を揺らしながら、セイファは身悶え咽び泣く。
それは、普段の清楚なセイファからは想像が付かない淫猥さだった。
シーツの上で悶える身体からは男を誘う色香を放ち、乳房と腰を揺らしながら、彼女は快楽という繭の中でその身を淫らな蝶へと変化させていく。
そしてその成長を促すように、グレンが彼女の乳房を吸い上げながら、右手で彼女の身体をゆっくりと撫でる。
美しい身体の線をなぞるように、指先が肌の上を滑るだけで、セイファの身体は嫌らしく悶え、時に腰をビクビクと跳ねさせた。
彼女の身体が一際大きく震える場所を見つけるとグレンは執拗にそこを攻め、セイファが甘い嬌声を上げるまで丹念に刺激をしていく。
「ああっ、そこ……やぁア……」
胸を吸われるだけでおかしくなりそうなのに、脇腹や臀部を彼の太い指で撫でられると気持ちよさが止まらない。
甘い刺激があまりに長く続く物だから、セイファは自分の身体が壊れてしまったのではないかと心配にさえなる。
(始めては怖くて痛いって……聞いていたのに……)
自分がおかしくなるのではという恐怖はあるが、グレンに触れられる恐怖はなかった。
それは下着をずり下ろされ、露出した秘裂に指を這わされたときも同じだ。
少し前まで肌をなぞっていた指が、はしたなく蜜をこぼす花弁を擦り始めると、セイファの身体の震えと甘い声が一際大きくなる。
「触れられるのを嫌がられたらと心配していたが、むしろ喜んでくれたようで幸いだ」
胸からゆっくりと口を離しながら、グレンがふっと笑みをこぼす。
胸への刺激が止まり、愉悦は減ったはずなのに、艶を帯びたその表情を見ていると不思議と身体の熱は冷めない。むしろ熱情に濡れた彼の瞳を見つめていると、触れられてもいないのに身体が疼いてしまう。
「これからもっと心地よくなる」
「もっ…と……?」
「そうだ。きっと気に入る」
今でも頭がおかしくなりそうなほど気持ちがいいのに、これ以上などあるのだろうかとセイファは驚く。同時に僅かな恐怖さえ抱いたが、やめて欲しいという暇はなかった。
「……ふぁ、ああッ……」
グレンの太い指が濡れた襞を押し開き、セイファの中へと侵入を開始する。
何も受け入れたことのないセイファの膣は狭く閉ざされていて、グレンの指は入り口で阻まれる。
「怖がらずに俺に全てを見せてくれ」
だが優しい言葉と共にもう一度口づけをされると、彼女の身体からは力が抜け、指を阻もうと閉じていた洞の入り口が少しずつ緩み始める。
「ん……ぁぅ……あぁっ……」
先ほど探り当てられた身体の弱いところを撫でながら、キスを施されているうちに、セイファの中は解れ、グレンの指を奥へ奥へと招き入れるほどになる。
セイファが痛みを感じぬようにと、グレンは長い時間をかけて肉壁を押し広げ、そこにも感じる場所があるのだと言うことを彼女に教える。
「あぁ……そこ……は……」
「ここが、好きなのだな?」
恥ずかしくて肯定は出来なかったが、跳ねる身体が全てを物語っている。
グレンはセイファの最も感じる場所を探り当てたのだ。
「ああ……すごい……」
そしてそれは、羽化の兆しだった。
(……身体が……熱い……苦しい……)
「……あっ……そこぉ…やぁ…」
「好きなところを触ってやるから、好きなだけ達しろ」
内側だけでなく、密に濡れた紅玉をキュッと指でつままれて、セイファの脳裏に甘い火花が散る。
迫り来る法悦の波に震え喘ぐことしか出来ぬまま、彼女はグレンの巧みな指使いにただただ翻弄されていく。
「ああ…だめ……おかしく、……おかしく、なる……」
「おかしくなればいい。俺の手で、甘く果ててしまえ」
指使いを強めながら、グレンはセイファを見つめる瞳にさらなる熱情を迸らせる。
飢えた獣を思わせる視線に射貫かれると、何故だかセイファの身体は淫らに震えた。この男の手で全てを暴かれたい。はしたない自分を全てさらけ出したいという気持ちになっていくのだ。
「ああ……グレン…様ぁ……ッ———!」
グレンの指に隘路を抉られ、淫らに輝く陰核を荒く擦られた直後、セイファは快楽の果てに堕ちた。
身体を弛緩させながら甘い嬌声をこぼし、彼女は絶頂の凄まじさに意識を飛ばしかける。
実際、彼女はしばしの間気を失っていたのだろう。それは少しの間だけだったが、強い快楽は目覚めたあともしっかりと身体に刻まれ、彼女は言葉ひとつこぼすことも出来ない。
甘く苦しげな呼吸を繰り返しながらベッドの上に横たわっていると、いつの間にか衣服を脱いだグレンがゆっくりと彼女と重なってきた。
それからグレンは、セイファを抱き寄せ唇を奪う。
重なった唇と、肌から混ざり合っていく熱に、セイファの身体は再び高まり始めた。
それはグレンも同じだったようで、重なり合う腰の間で彼の剛直がその硬さと熱を増していく。
「そう固くなるな。なるべく、痛まないように努める」
改めて見た彼の物はセイファが思っていたよりもずっと大きく太かった。
ちゃんと受け入れられるのかと彼女は少し戸惑ったけれど、グレンに優しく囁かれると、不安は直ぐさま薄らいでいく。それどころか、彼の物を受け入れたいというはしたない欲求さえ芽生え始める。
セイファの身体から力が抜けたのを確認したグレンの手によって、蜜で濡れた太ももをゆっくりと広げられた。
開かれた足の合間にグレンの逞しい腰が押し重ねられ、力強く反り返った肉棒が濡れた花園にこすりつけられる。
「ぁあ……また……」
愛液を溢れさせる淫らな花を、彼の先端が力強く擦りあげると、得も言われぬ心地よさが再び広がっていく。
「感じているのか?」
「……ああっ、ぁんっ……こすっちゃ…いや…」
「嫌ではないだろう? こんなに蜜を溢れさせて、喜んでいるじゃないか」
ぬちゃぬちゃと音を立てながら、セイファの花弁の間を割るようにグレンの肉棒が前後に大きくスライドする。
そのたびに喘ぐセイファの花園からは愛液がこぼれ、グレンの物を淫らに濡らしていく。
「ようやく……願いが叶う……」
喜びに溢れた声でつぶやくと、グレンがセイファの唇を再び奪う。
そのまま深く舌を差し入れられ、貪られるように施された口づけに夢中になったセイファは、自らに重なる逞しい身体を思わずぎゅっと抱き締める。
その直後、彼の熱杭がセイファの入り口をぐっと押し開く。
「……ぁあああッ……!」
グレンの逞しい物で中を開かれ、セイファは痛みと圧迫感に呻く。
(グレン様が……中に……。中に、入ってくる……)
彼の物が奥へ奥へと進むたび、痛みは増していくのに不思議と苦しいとは思わなかった。それよりも愛おしい相手とひとつになれたことが嬉しくて、セイファの目からは涙がこぼれる。
(今だけは……私の……)
身体の中でグレンの熱を感じながら、セイファは恍惚とした表情で甘い息をこぼす。
「動くぞ……」
「……は、い……」
まだ狭い隘路を肉棒によって抉られると疼痛は増したが、それは長くは続かなかった。
腰を打ち付けられるたび、セイファの中に芽生えたのは甘い愉悦だった。それはいつしか痛みを消し去り、彼女に得も言われぬ心地よさを与えてくれる。 -
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