書籍紹介
公爵様の読書係~手探りの愛撫~
公爵様の読書係~手探りの愛撫~
ISBN:978-4-596-74307-7
ページ:290
発売日:2014年3月3日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    君の姿さえ、この瞳に映せない……ロマンチックラブ!

    「僕のものになってくれ。君が欲しい」一時的に視力を失った公爵、ギルバートの読書係を務めることになったフィアナ。毅然としていながら優しい彼に惹かれていく彼女だが、彼の叔父に母親の命を盾にある指輪を探せと脅され思い悩む。ある夜、薬で意識の混濁したギルバートに求められ、抱かれてしまうが翌日、彼はそのことを覚えておらず……!?

  • キャラクター紹介
    • VBL007_heroine

      フィアナ

      エルド伯爵令嬢。母の病を治すため身分を隠して働くことに。

    • VBL007_hero

      ギルバート

      ボーンフォード公爵。事故で一時的に視力を失っている。

  • 試し読み

    「ギル……っ、あ、あ、そんな……ぁ……」
    フィアナが思わずギルバートの頭をどけようとすれば、彼のさらさらと流れる黒髪の中に包帯の存在を感じ、びくりと手を引いた。
    ――だめ……っ。
    何をされようとも、ギルバートの眼だけは守らなければ。
    大体、何をされるというのだろう。恥ずかしさで逃げ出したいばかりで、躰も心も気持ちが好い。快感とは恐ろしいものだと思う。好きな人が相手だから、心まで快楽の海へと掠われていってしまうのだろう。
    性交は人を堕落させると言われているが、その通りかもしれない。
    ――でも、想いがいっぱい溢れてきたら、こうするのが一番いいのね……。
    実感する。抱きしめられて、抱きしめたい。たとえこれが泡沫と消えようとも、今だけは想いを解放できる。
    フィアナは両手を口元へもってゆき、せめて恥ずかしい声が外に出ないようにと、そこを押さえるようにした。ところが、身を起こしたギルバートは彼女の手を退けてしまう。
    「声を聞かせて。そうでないと、分からない。……君が、気持ちよくなっているかどうかを、僕に教えて」
    「……ギルバート、さま……でも、恥ずかしい……」
    喘ぎの合間での、消え入りそうな声だ。
    「ギルだ。ちゃんと呼ばないと、ひどくするかも」
    「ひどく? ……どんな、ふうに……?」
    喉の奥で笑われたようだ。途端に、足がもっと大きく広げられ、その間に体を入れたギルバートが、彼女の両足をひざ裏から抱え上げるようにした。すると、臀部が浮き、下肢の前面が彼の方へ向かって曝け出される。
    包帯があって見えていないというのは、フィアナが大きく声を出して制止しなかった、ただ一つの理由だ。
    そうして、信じられないことに、内股から足の付け根、さらにはもっと深くになる肉裂までも舌が這う。拡げられた脚、拡げられた陰部、その奥に埋まるギルバートの舌で舐められる。
    「あっ、あぁっ……止め、やめて……ギル――……」
    恥ずかしい。でも、襲ってくるのは大きな快楽の波だ。
    このときばかりは、彼の視界が塞がれているのにほっとするフィアナだが、ギルバートの情熱は包帯などでは少しも遮られないようだった。
    フィアナの片足を肩にかけたギルバートは、右手の指で女陰をかなり広げたようだ。ストーブは赤く燃えているが、気温は下がっていると思う。そうした空気が、普段は完全に隠されている部分をそっと包んでゆく。
    彼女はふるんっと胴震いをした。寒いからではない。拡げられたそこを、目を塞いだ彼が眺めているからだ。
    見られているわけではないのに、羞恥が彼女を追い詰める。しかも、彼の指は広げた陰唇の端から、ふくりと膨らんで顔を出した陰核を指で、そして舌で、捏ね始めた。
    「あ、あ、……ギル、っ……あ、あぁ……っ、おやめ、下さい、おねが……ぁい」
    「フィアナ……。もっと啼いてくれ。もっと……好くなってくれ……すべて、忘れてしまうくらいに――」
    ――忘れる……? なにを……?
    疑問を口にするようなゆとりはなく、口を開ければ出てゆくのは嬌声だ。
    「あ、あ、……あぁ――…っ……」
    ぐりぐりと淫なる豆を舌で嬲られ、指は奥に潜る。腰が跳ねながら快感を享受してゆくが、声もひっきりなしに出た。フィアナは口を押さえたかった。けれどギルバートは、それでは彼女の状態が分からないと言うのだ。
    これほど乱れてしまうような部分が、自分にあるとは思ってもみなかった。暴かれるとはまさにこのことだ。
    「あぁ――……っ、あん…………っく、ぅ」
    「見、たい……っ」
    陰核を舌で捏ね、唇で挟んで、吸われる。その狭間でギルバートは言う。
    「君の、ここを、……見たい」
    たまらないようにして施される愛撫は、本当に激しいものだった。フィアナの肉体に明確な愉悦を引き寄せながら、ギルバートは小さな粒のようなそれをひたすら愛する。
    「ひぁ……っ、あ、ギルぅ……っ」
    ぴちゃりぴちゃりと水音がするのは、彼の唾液のせいというよりは、滴り落ちている彼女の愛液のせいではないだろうか。溢れ出ているということを自分でも感じる。
    「こんなに濡れて……――どんな色をしているんだ……膨れて、こんなに……」
    「いやぁ、言わないでぇ……っ」
    頭をいやいやと振る。ストロベリーブロンドがベッドの上で広がり、裸のフィアナを豪奢に飾っている。彼女の肌は上気してほのかな桜色に染まり、乳房の先端や、ギルバートが舐めている陰唇、そして陰核は赤く色づいていた。フィアナにも、ギルバートにも見えないそれは、恥じらいの華を満開に咲かせている。
    指で奥を拓かれ突かれ、唇で陰毛と恥丘、そして陰核を責められる。フィアナは、快感をとても我慢できなかった。
    抑えようとした声は激しい息遣いとともに外に出て、肉体は悦んで彼の愛撫を受け止める。やがて伸び上がるようにして、フィアナは快感に果てていった。
    「ア――……っ、アァ……っ……」

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