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試し読み
ステファンは、何も知らない自分に教えてくれると言った。ベルは羞恥と不安、そして体の中から湧き上がる不思議な感覚を堪えたまま、彼の言葉に素直に従う。
「ひゃ、あっ、あ……っ、待って、あの、私……っ、こんなこと……っ」
今まで誰も触れたことのない秘密の場所は、今はステファンの指先に暴かれ、ベルの体に新たな刺激を刻み込んでいく。
はふ、と呼吸をするだけで、背中から下腹に痺れるような刺激が走る。
「なんなの……? これは……。私の体……どうなってしまったの……?」
ベルは新たな刺激の名前を知らないまま、朝露に濡れたぶどうのように瞳を潤ませ、ステファンを見つめた。
「ああベル。なんて可愛いんだ君は。俺の指で感じていることが分からないとは。これが、『気持ちがいい』ということだよ。『快感』だ」
ステファンが目を細めて嬉しそうに言うが、ベルは自分の体が彼に変えられていくのが怖くて、首を左右に振って「知らない、そんな……私、知らない」と声を震わせる。
「いいよ。いくらでも俺が教えてやろう」
「……っ!」
突然、ステファンの指が動き出して、ベルは息を呑んで彼にしがみついた。
さっきよりも乱暴な動きのはずなのに、恐怖は感じない。それどころか、下着の上からある場所を刺激されると、勝手に腰が浮いてしまうのが恥ずかしかった。
「あ、ぁ……っ、やめて、そこは……だめなの、体が、変になってしまう……っ」
「いいんだよ。変になって。もっと違うベルを見せて」
「だめ、ごめんなさい……私、おかしいの……っ、体の中が熱くて、もう、溶けてしまいそう……ステファン、助けて……っ」
「わかってる。俺が助けてあげるよ」
「あっ、ん、んぅ……っ」
唇を何度も触れ合わせ、時折舌で舐めてくる。少しくすぐったくて思わず笑ったら、ステファンの舌が口の中に入ってきた。
何もかもが初めてのベルには刺激が強すぎる。
「ステファン……っ」
「ん? どうした? ベル」
「あ、あのっ、本当にだめなの……っ、これもう、どうしたらいいの……?」
下腹の奥がじわりと熱くなる意味さえ分からず、もどかしくて涙が出そうになった。
「君は俺にすべてを任せていればいいんだよ、ベル」
ステファンが「可愛いベル」と何度も耳元で囁く。そう言われると、自分が本当に可愛らしくなったような気がした。
ベルは小さく喘ぎながら辛うじて頷き、ステファンに促されて膝を立てて脚を広げ、綺麗なドレスのまま石畳に座り込んでしまう。
せっかくステファンがくれたドレス、汚したくなかったけど。でも……。
ステファンの胸に顔を押しつけ、彼の指がもたらす刺激に驚いて唇を噛みしめる。
「は、ぁ……っ! そんな……っ、そんなの、だめ……っ」
隠されていた敏感な場所を目指して、ステファンの指が下着の中に入ってきた。柔らかな下腹を、下生えと一緒に撫でられた衝撃に体が震える。
「ああ、もうとろとろだなベル。気持ちがいいと、こんなふうにとろとろに濡れるんだよ? 覚えておきなさい」
「んん……っ、は、はい……」
素直に返事をしたのに、ステファンの指が意地の悪い動きをするので、ベルはさらに体を震わせた。彼の指が柔らかな肉裂の間に忍び込み、ベルの中から溢れていたとろとろの雫を指先で受け止め、改めて撫で回す。
「ん、んんっ、や……っ、恥ずかしい……っ」
恋人同士の知識と言ったら、手を繋いだりキスをしたり、ぎゅっと抱き締めることしか知らないベルにとって、ステファンの愛撫はあまりに生々しい刺激で、自分が何をされるのか分からず怖くなる。
「恥ずかしいことは、気持ちのいいことなんだよ。ベルは今、とても気持ちがいいんだ」
「わ、分かんない……っ、分かんないの……っ、体の奥が痺れて……っ、ステファンの指が……、あっ、んんっ、やだ、こんな声、私じゃない……っ」 -
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