Vanilla文庫 ドルチェな快感♥とろける乙女ノベル

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書籍詳細

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盟約の契り~令嬢は黒紳士に惑う~

著者:白ヶ音 雪
イラスト:めろ見沢

ISBN:978-4-596-74514-9
ページ:290
発売日:2016年6月17日
定価:本体590円+税

あらすじ

婚約者に裏切られ、両親までも喪ったエミリアの許に現れた黒づくめの紳士・レオン。彼は復讐を肩代わりする代償として、エミリアに自分との婚約を求めてきた。抗えず、奪うように抱かれ、快楽を刻み付けられてしまう。熱く激しい愛撫に溺れるエミリア。残酷なことばかり告げてくるレオンだが、時折見せる優しさがエミリアの心に甘く響いて……。

キャラクター紹介

heroine_vbl64エミリア

元伯爵令嬢。婚約していた相手の陰謀に陥れられ、両親と爵位を失ってしまう。

hero_vbl64レオン

黒い服装が印象的な貴族らしき男性。エミリアに復讐の対価として婚約を要求してくる。

試し読み

 ぬるついた感触に胸の先が固く張り詰めていくのが、自分でも分かった。すべての神経がそこに集中したかのようだ。指の動きに意識が傾き、もうそのことしか感じられない。
「んんぅッ」
 乳首を抓るように引っ張られ、腹の奥が疼く。ぎゅっとつま先に力がこもり、敷布を巻き込むように、ベッドに爪を突き立てていた。
 レオンが笑い、空気が小さく揺れる気配がする。
「感じやすい身体だな。教え込む甲斐がある」
 鎖骨に歯を突き立てられ、甘嚙みをされ、恐怖とくすぐったさが綯い交ぜになったような感覚に、脳が混乱をきたす。
 その耐えがたい波を、なんと表現していいのかエミリアには分からない。ただ、これはいけないことだと思った。
 この行為自体も、そして今自分が覚えている感覚も。
「あ、あ、いや、やめてっ……!」
 背徳感に耐え切れず、レオンの胸を押し返そうとする。しかし、か弱い女の力ではびくともしなかった。
「気持ちいいのだと口にしろ。認めてしまえば早い」
「気持ち良くなんて……」
 エミリアは必死で首を横に振った。こんなの、気持ちいいはずがない。好きでもない相手に身体を触られるのなんて、ただ不快なだけだ。
 それなのにそんな考えとは裏腹に、口をついて出るのは残酷なほど甘い喘ぎ声だった。
 戸惑うエミリアの胸に唇で直接触れながら、レオンが足の間に手を伸ばす。くちゅり、と小さな水音がたったことで初めて、エミリアは自分のそこが濡れていることを知った。
「やっ、どうして……」
 そんな場所が濡れるなんて普通ではない。思わず泣きそうになったが、彼のほうは平然としたものだ。
「心配するな。女の身体は、男に触れられると濡れるようにできている」
「そんな……っ。あ、あぁ……いや」
 そういうものなのかと安心したのもつかの間、濡れ具合を確かめるように、レオンの指が前後する。
 泥濘を搔きまわすような音が露骨に耳に届き、恥ずかしさで頭が爆ぜてしまいそうだった。
 だというのに、彼の舌が胸の飾りを弾くように突くたび、執拗に嬲るたび、濡れた場所が疼く。そんな感触と共に、そこを濡らす液体が更に増えたことを、まざまざと感じさせられる。
「ん、んん……っ、あ……、いや……っ! そこ、触らないで……」
「濡らしておかなければ後がきつい。お前が痛い思いをしたいというのなら別だが」 
 痛い、という言葉に体の芯が凍る。
 先ほどもレオンはそのようなことを言っていたが、この行為はそれほどまでの痛みを伴うものなのだろうか。強張った肩を、彼の手が撫でる。驚くほどやさしい手つきだった。
「痛い思いをさせたくないから、こうして少しずつお前の身体を慣らしている」
「あ……でも……」
「酷くはしない。受け入れろ」 
 目隠し越しに聞こえたレオンの声が、なぜかエミリアの耳には柔らかく響いた。
 いや、声だけではない。先ほどから言葉自体は辛辣なのに手つきは優しく、まるでエミリアを最大限労りながら抱こうとしてくれているかのように感じてしまう。
 でもそんなはずはない。きっと気のせいだ。少しでも優しくしてほしいという願望から、そのように感じただけだろう。
 やがてレオンの指の動きはさらに大胆になり、エミリアでさえよく触れたことのない部分に侵入してくる。
 痛みと違和感の中間のような感覚に自然と眉根が寄った。我慢できなくもないが、あまりに異物感が強すぎる。
「なにを……」
「俺を受け入れてもらうために解している」
 受け入れるという意味が分からない。今でさえ精一杯だというのに、これ以上に何か恥ずかしい行為を受け入れなければならないのだろうか。
 レオンが胸の先に齧り付き、丹念に舐りながら、指をさらに深みへと侵入させていく。
 狭い場所を拓かれる圧迫感と、乳首を愛撫される悦楽。その両方を覚えさせられ、エミリアは混乱の極みにあった。自分が今、どちらの感覚をより強く感じているのかも分からない。
 分からないのに、声だけが勝手に零れてしまう。

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