書籍紹介
かりそめの花嫁~王子のひそかな執愛~
かりそめの花嫁~王子のひそかな執愛~
ISBN:978-4-596-74486-9
ページ:290
発売日:2015年7月1日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    閉ざされた離宮の中で、夜毎与えられる情熱と快楽

    王太子ヴェイセルから『オーロラ宮の花嫁』にと望まれたフェリシア。それは王太子が正式な花嫁を迎えるまでのかりそめの花嫁の名だった。「ふたりで一緒に達こう。いいよね?」幼い頃から慕っていたヴェイセルに激しく愛され、毎日のように蕩けるような快楽を与えられる日々。この婚姻は束の間のもののはずなのに僕の妻は君だけだという彼の真意は!?

  • キャラクター紹介
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      フェリシア

      シルヴマルク侯爵家の令嬢。ヴェイセルから求婚され「オーロラ宮の花嫁」に。

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      ヴェイセル

      オリアン王国の第一王子。容姿端麗で穏やかだか!?

  • 試し読み

    初めて目にする男性の半裸――フェリシアは胸元を押さえたまま、目が離せなくなってしまう。
    同じ屋敷に父や兄がいても、着替えや入浴などをフェリシアが手伝うことは一切ない。噴水に飛び込み、びしょ濡れになったときですら、エリオスは彼女の前でシャツを脱ぐことはなかった。
    かろうじて、花嫁となる勉強の一環として、家庭教師から男性の裸体が描かれた書物を見せられた。身体の作りがあちこち女性と違っていて、フェリシアはびっくりしつつも、しっかり見てしまった。
    だが、その書物で見た身体とヴェイセルの裸体は全然違う。
    暗さに慣れた瞳に、ブロンズ色の肌が輝いて見える。広い肩幅に逞しい胸、彼は線が細いイメージだったので、こんな立派な体躯を想像したこともなかった。
    (でも、考えてみれば……あの、お兄様と剣の腕が互角なんだもの。ひ弱なはずがないんだわ)
    ジッとみつめていると、今度はブリーチズに手をかけた。
    ブレイシーズを外してしまったことで、ブリーチズはずり落ち、腰骨が露わになってしまっている。だが、彼はさらに押し下げるつもりのようだ。
    「ヴェイセル様、そ、それ以上は……」
    それより下は、もっとこっそり脱ぐべきではないだろうか。
    ヴェイセルにも裸になってほしい、とねだったのは彼女だが、そこまで考えていなかった。
    「脱がなくていい? まあ、穿いたままでも夫婦の睦み合いはできるけど……。でも、もう少し下ろさないと、君と結ばれることができない」
    もう少し、と言いながら、太ももの途中までブリーチズを下ろす。
    ヴェイセルの下半身が露わになり、彼女は目を逸らせようとした。
    しかし、前を向くと目が合ってしまい、恥ずかしくてうつむくと、ふたたびヴェイセル自身が目に入ってしまう。
    (ど、どうしましょう。わたしは、どこを向いたらいいの!?)
    悩みながらも、ついつい気になって視線がそちらに向いてしまう。しかし、目に入るたび?が火照ってきて、やがて耳まで真っ赤になった。
    そのときだ。目に映るヴェイセルの男性器がその形を変え始めた。
    フェリシアのほうを指していた先端が、雄々しくなりながら上を向いていく。まるで蛇が鎌首をもたげるように。それは、これまで見たことのない妖しさを漂わせていた。
    「フェリシア、そんなにみつめられたら、僕もちょっと恥ずかしいかな」
    食い入るようにみつめていた自分に気づき、フェリシアはハッと我に返る。
    「す、すみません」
    慌てて謝ったが、彼の要求は別のところにあった。
    「いや、謝らなくていいんだ。夫婦の間で隠すことじゃないからね。もちろん、君もすべてを見せてくれるだろう?」
    「すべて……あの、わたしも……ドロワーズを、脱ぐと言うことですか?」
    ヴェイセルは軽くうなずく。
    「初夜を過ごすために、必要なことだよ」
    たしかに彼の言うとおりだ。脱がなければ夫婦になれない。
    だが……。
    (旦那様になられる方がすべて教えてくださいますよ、って言われたのは、こういうことも含まれてるの?)
    家庭教師だけでなく、乳母や既婚のメイドたちまで、詳しいことは夫に聞け、と言っていた。
    フェリシアは思いきってドロワーズの紐をほどく。しかし、布地を掴んで引き下げる勇気が出てこない。
    (本当に脱いでしまっていいの? あとから、自分から脱ぐなんてはしたない、とか思われない?)
    そんな疑問が頭の中をグルグルと駆け巡り――次の瞬間、ヴェイセルが彼女に飛びかかってきた。
    「きゃっ……あ、あっ、んんっ」
    キスされて、そのまま後ろに押し倒される。
    大きなベッドのほぼ中央に、フェリシアは仰向けで転がされた。あまりに突然のことで、目を開けたままヴェイセルのキスを受け入れる。
    そんな彼女の瞳には、天井から射し込む光に照らされて美しく煌めく天蓋の金のレリーフが映っていた。
    「ああ、もう、悪い子だね、フェリシアは。そんな可愛らしい顔をして、僕の欲情を煽るんだから。ゆっくり、時間をかけてと思っていたのに、我慢できなくなったじゃないか」
    彼の〝欲情を煽った〟覚えはまったくない。
    そのことを伝えようとするが、ヴェイセルが綿のドロワーズに手をかけ、一気に引き下ろした。
    「きゃあっ!」
    スルリと爪先から脱がされる。彼女の身体に残されているのは、白い絹の長靴下だけになった。
    「なんて艶めかしい姿だ。全部脱がそうと思ったけど、脚を隠す絹だけは残しておこう。それでもいいよね、フェリシア」
    裸を、それも下半身まで見られてしまって、フェリシアはそれどころではない。
    少しでも身体を隠そうと身を捩ったとき、ヴェイセルの指が太ももを伝い、彼女の秘所に触れた。柔らかな金色の薄い茂みを指先で梳くようにして、さわさわと撫で擦る。
    「あ、ヴェイ、セルさ……ま、やぁ」
    慌てて閉じようとした脚の間に、ヴェイセルの片脚が差し込まれた。片脚分の隙間ができてしまい、太ももは閉じようにも閉じられなくなる。
    「ダメだよ、脚を閉じようなんて考えては」
    その隙間から指を押し込み、ヴァイセルは茂みの奥をまさぐり始めた。
    「ま、待って、くだ……あ、そんなとこ……そこを……あなたに、触られるなんて」
    「そこ? ここのことかな?」
    「ああっ! やっ、やだ、そこはぁ」
    彼は茂みの奥にある花びらを指で掻き分け、花芯を見つけ出す。敏感なその部分を指先で抓まれ、くにゅくにゅと揉みほぐすように動かされた。
    胸に触られたときとは比べものにならないくらい、甘い痺れが全身に走る。
    ピクピクと身体を震わせながら、フェリシアは手で口元を覆い、唇を?みしめた。
    「声を出しなさいと言ったはずだよ。仕方ないな。僕の言うことを素直に聞けないなら、我慢できないようにしてあげよう」
    もう、充分に我慢の限界まできている。
    これ以上、何をすると言うのだろう?
    そう思った直後、ヴェイセルの指が割れ目をなぞり、蜜壺の入り口を見つけ出した。縁をそろりと撫でたあと、中指の第一関節までツプッと押し込んだ。
    「あ、やっ……ヴェ……ヴェイセルさ、ま……どこを……あ、指が」
    胎内に彼の指を感じ、フェリシアの瞳に涙が浮かぶ。
    (やだ、泣くつもりなんてないのに……)
    ヴェイセルと結ばれることに躊躇いはない。彼に何をされても抵抗するつもりなどなかった。ただ、夫婦の行為はフェリシアの想像以上に、羞恥を伴う行為だった、というだけのこと。
    そのとき、ヴェイセルが彼女の髪を優しく撫でた。
    しかし、口から零れたのは意外な言葉――。
    「残念だがフェリシア、泣いてもやめないよ。僕は君を妻にすると決めたのだから。痛い思いをしたくなければ、言うとおりにしなさい」
    蜜窟の浅い部分を激しくこすられながら、ヴェイセルの親指で花芯を愛撫された。彼は荒々しい指使いで、フェリシアの躰に快感を教え込んでいく。
    胎内に押し込まれた指はしだいに奥へと進み、蜜を掻き混ぜる音がベッドの上に広がる。
    「あっ……あぁっ、や、やっん、そんな、そんなふうに、触ったら……あ、あ、あーっ!」
    身体のどこを触られたときより、フェリシアにとって強烈な快感だった。とても我慢できず、泣くような声が口をついて出る。さらには、ベッドのリネンを思いきり握りしめていた。
    ハアハアと荒い息を繰り返していたとき、ヴェイセルの指が蜜穴から抜かれた。
    少し残念に思いながら、フェリシアは息を吐く。その直後、彼女の脚は大きく開かれた。その脚の間に、ヴェイセルは腰を下ろす。
    「ごめんね、フェリシア。もっと可愛がってあげようと思ったのに、もう、僕のほうが耐えられそうにない」

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