書籍紹介
若奥様は逃亡中~侯爵夫妻のすれ違い婚~
若奥様は逃亡中~侯爵夫妻のすれ違い婚~
ISBN:978-4-596-58055-9
ページ:290
発売日:2017年6月17日
定価:本体590円+税
  • あらすじ

    溺愛侯爵×箱入りの幼妻 両片思いの逃避行LOVE

    「ほら、後から後から蜜が溢れてくる……」幼くして嫁いだ夫・アルノルトから一度も身体を求められることなく、結婚から5年経った今も「処女」のコルネリア。妻として大事にされているのはわかるけれど、なぜ夫は自分を抱いてくれないのか。不安を抱えるコルネリアだが、ある日アルノルトに好きな人がいることを知ってしまい、家を飛び出して……!? 

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL105

      コルネリア

      侯爵夫人。幼い頃から身体が弱く、大切に育てられてきた。穏やかな性格。

    • hero_VBL105

      アルノルト

      コルネリアの夫。年が離れたコルネリアの成長を見守っている。

  • 試し読み

    アルノルトは、コルネリアの頬にこぼれた涙を唇でぬぐってくれる。
    その優しさに安堵していると彼の手が、下着をずり下げ、秘めやかな場所にふれる。
    「まだあまり濡れていないな……」
    「やっ……! そんなところ、触らないで、ください! 恥ずかしいです……」
     コルネリアは、羞恥をこらえて訴えた。しかし、返ってきた言葉は、予想以上に真摯なものだった。
    「君の身体なら、どこだって知っておきたい。……君を傷つけないために、いまから、すこし慣らす」
    アルノルトは、敏感な場所を指で、ゆっくり撫でさすりはじめる。
    コルネリアは、はじめのうちは緊張して、身をかたくしていた。ところが、アルノルトの指が、ある突起をかすめると、びくんと身体が痙攣する。
    「……ああ。大丈夫そうだな」
    アルノルトは、うっすら笑むと、その場所への愛撫を続ける。すると、コルネリアの中から、とろりとなにかが溢れだした。
    ――え……?
    ――身体の中から、なにかが……。
    コルネリアは、粗相をしたと勘違いして、足を閉じようとした。ところが、アルノルトが身体を割りこませているので、思うようにいかない。たまらず、コルネリアはアルノルトに問いかけた。
    「ア、アルノルトさま……。わ、わたし……」
     蒼白になっているコルネリアを見て、アルノルトはなんのことか察したようだ。優しく声をかけてくる。
    「大丈夫。慌てないでくれ、コルネリア。……心配しなくてもこれは、君が私を受けいれる準備ができてきた証拠だ。……お願いだから、恐がらないでくれないか?」
    アルノルトは、そう言うと、そっと、なにかが出てきたところに指をあてがい、ゆっくり抜きさしし始める。
    「少しきついな……。コルネリア、もっとゆるめられるか……?」
    「ゆるめる……。どう、すればいいのですか……?」
     コルネリアが首をひねっていると、アルノルトが、「しかたないな」とでも言いたげな微笑みを浮かべた。
    「わかった。……では口でしよう」
    「……え?」
    アルノルトは、まだなんのことか理解できないでいる様子のコルネリアを見て、苦笑した。そして、ゆっくり彼女の下腹に顔をうずめると、その舌で、突起のあたりをたどると同時に、指の抽送を続ける。
    コルネリアは、羞恥のあまり真っ赤になった。あまりの恥ずかしさに逃げようとすると、すかさず突起に歯を立てられ、思わず身体を震わせた。そのまま、そこをたんねんに舐められると、身体の奥の疼きがより大きくなる。
    「やっ、……なっ、なめちゃだめ……」
     未知の感覚に、コルネリアはただ戸惑うことしかできない。
    ――わたしの身体、どうしてしまったの……!?
    アルノルトは、気まぐれに中心を刺激するので、その度に身体が疼いて、奥からなにかが一層、溢れる。そうこうしているうちに、指を二本に増やされ、音をたててかき回された。コルネリアは、色ごとに慣れない胎内に圧迫感を感じたが、アルノルトのたくみな愛撫で、さらに寝具が濡れた。
    「コルネリア。……二本入った。本当に、……よくがんばってくれている」
     優しくはげましてもらっても、思いのほかどん欲な身体の反応に、コルネリアは涙目になっていた。すると、片手をとられ、その甲に、アルノルトのキスが落とされる。
    「ア、アルノルトさま……。わ、わたし、おかしくはないですか……?」
    「頼むから、泣かないでほしい。……なにがあっても、君に幻滅などしないから。……君は、素直に感じていればいい」
     コルネリアは、その言葉に、少なからず救われた。
     ――アルノルトさま……。
     アルノルトは、片手でコルネリアの髪先を撫でながら、言葉を続ける。
    「……また、途中で恐くなったら、そう言ってほしい」
    言い終えると、アルノルトは、指でコルネリアの中を押し広げていく。その間、敏感な粒は再び、彼の舌に嬲られることになった。
    「んっ……。あっ! ……だめ」
    「……なぜ? ほら、君の身体はこんなに素直だ。後から後から、蜜が溢れてくる……」
    コルネリアが、甘やかな責め苦に翻弄されていると、身体の中に、アルノルトに触れられて強く感じる場所があった。
    「んっ…!」
    思わず身体が反応してしまう。アルノルトは、すぐにそこがコルネリアの弱い場所だと気づいたようだ。心得たとばかりに、そこを執拗に責めてくる。ぐちゅぐちゅと胎内をかき回す淫らな音と、ぴちゃぴちゃと秘めやかな場所をねぶる、卑猥な水音があたりに響く。やがてコルネリアの中で、なにかが熱い奔流となって駆けめぐり、頭の中が真っ白になった。
    「あっ……。やっ……! なにか、きます……!! あぁっ……!!」
    はじめての快感に身をまかせ、身体を痙攣させていると、アルノルトは少し安心したような顔をしていた。
    「アルノルトさま……?」
     達したばかりの、霞がかかったような状態で問うと、アルノルトは、ふわりとコルネリアを抱きしめた。不思議に思ったコルネリアは、もう一度、彼に問いかける。
    「アルノルトさま……?」
     アルノルトからは、かすかに日なたのにおいがして、淫らなことをしているというのに、まるですべて許されているようなやすらぎを感じる。
    「……コルネリア、もう少し、無理をさせるが、耐えてほしい」

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