書籍紹介
偽装レンアイ!?~御曹司の甘い罠~
偽装レンアイ!?~御曹司の甘い罠~
ISBN:978-4-596-59129-6
ページ:290
発売日:2020年5月1日
定価:本体640円+税
  • あらすじ

    恋の練習相手のハズががっちり捕らえられました

    「俺と恋人のふりをしないか?」美沙希の目の前に現れたのは、小学校の同級生だった瀬名だった。大企業の御曹司である瀬名に苦い思い出のせいで引け目のある美沙希は、彼の願いを断れず仮の恋人になることに!「美沙希がこんなにいやらしかったなんて」本当の恋人じゃないのに、頼もしく成長した瀬名に優しく愛されると惹かれずにいられなくて!?(ヴァニラ文庫ミエル)

  • キャラクター紹介
    • heroine_VBL229

      藤枝美沙希(ふじえだ みさき)
      老舗ホテルのサービススタッフ。瀬名とは小学校が一緒だった。

       

    • hero_VBL229

      藍沢瀬名(あいざわ せな)
      父親が元外交官の帰国子女。王子様っぽい美形。

       

  • 試し読み

    「ふうん……」
    美少女は無遠慮な視線で美沙希をじろじろと見つめた。その視線にトゲがあるのは嫌でも分かる。身長は美沙希とそう変わらないくらいあるが、本音を隠さない表情と頬の丸みを見れば、十中八九年下だろう。
    (あー、瀬名を知ってる子? で、敵認定?)
    そう思いながらも美沙希はにっこり微笑んで見つめ返した。その動じなさに、金髪美少女は美沙希を少し睨み付けるようにして手を伸ばした。
    「綺麗ね、これ。ちょっと見せて?」
    そう言って彼女が美沙希の簪を抜き取ろうとしたとしたのに気付き、反射的に身を引いた瞬間、視界をシルバーグレイの大きな背中が覆った。
    「美沙希に触るな」
    押し殺した低い声。
    「瀬名?」
    美沙希と美少女が同時に声を出す。周囲にいた女性陣からヒューと口笛のような声が聞こえた。
    少し離れた場所にいたはずの瀬名が、なぜか急いで美沙希の元に戻ってきていた。
    (え? 助けに来てくれたの?)
    「大丈夫よ、別に何もされてないから」
    「そうそう。セナったら早とちり」
    美沙希のフォローと美少女のニヤニヤ笑いを交互に見て、瀬名は小さく息を吐く。
    「……紹介しとくよ。美沙希、この子はドミニク。元々は妹の友人なんだけど、俺が大学時代、留学していた時に俺とも親しくなったんだ。ドミニク、彼女はミサキ。僕の恋人」
    ——恋人。嘘だと分かっていても、そう紹介されると背中がくすぐったくなる。美沙希は自分の使命を思い出すと、精一杯余裕の笑みを浮かべて見せた。
    「初めまして、ドミニク」
    「ふうん、あなたがセナの——」
    意味深な笑みを浮かべながら、緑色の瞳が美沙希の頭のてっぺんから爪先までぐるりと一巡する。美沙希は自分の印象を上書きした。
    (この子、天使じゃない。どっちかってーと小悪魔系だわ)
    その美貌故に、多少の我が儘は許してしまいそうな雰囲気がある。
    「セナが……こんなに過保護で独占欲が強いなんて知らなかった。あなたは知っていたの、ミサキ?」
    ピンクに光る唇から、嫌味ともつかない言葉が紡がれる。
    「彼は女性に執着されやすいから、警戒心も強いんだと思うわ。それに……独占欲が強いのは私も一緒だしね」
    美沙希の淀みない応戦に、ドミニクは一瞬唇を噛むと、新たな攻撃を仕掛けてきた。
    「そうそう。そう言えばセナにはフランスで色々教わったの。——色々、楽しいことをね」
    ピンク色の唇が下弦の月のように弓なりになり、意味深さが増す。——色々?
    「こら! 誤解を招くような言い方をするんじゃない!」
    「あら! だってセナ、貴方が——!」
    何かを言おうとするドミニクの口を、セナが乱暴に塞いだ。
    「ちょっと! 女の子に乱暴な真似は——!」
    「美沙希、違うんだ、こいつは……、」
    「ミサキの言う通り! セナ、ひどい!」
    「ドミニク! お前、あのことまだ根に持って——」
    言いかけた瀬名を遮るようにドミニクは一歩下がってくるりと逃げだす。
    「それより今日はリリカは来ないの?」
    「あいつはまだ学生だし、お前と違ってこういうパーティは苦手だからな……」
    リリカって誰? と美沙希が目で問うと、瀬名は唇だけで「妹」と答えた。
    「あーあ。リリカとも会いたかったのになー」
    それだけ言うと、ドミニクは蝶のようにふわふわと去ってしまった。まるで妖精に出会ってしまったように美沙希は一瞬呆けていたが、すぐに意識を取り戻した。
    「すっごい美少女だったね」
    そう言うと、瀬名は苦虫を噛み潰したような顔で沈黙した。彼女に関しては話したくないのだろうか? でもセナと並んでも遜色のない美貌の持ち主だった。
    「妹、いたんだっけ?」
    咄嗟に気を遣って話題を変えた。
    「ああ。六歳離れてるから学校では会わなかっただろうけど」
    とすると、今は十九歳。大学生か。リリカ。可愛い響きの名前だ。
    「瀬名に似てる? やっぱ美少女なの?」
    聞かれて、瀬名はうーんと喉を鳴らす。
    「どうかな。俺は身内だから性格が邪魔してよく分からないけど……」
    分かったような分からなかったような答えだ。
    「で、あのドミニクって子にどんな楽しいことを教えたの?」
    途端に瀬名の顔色が変わり、片頬が引きつるのが見える。
    「た、たいしたことじゃないよ! その……、日本のゲームとか!」
    その狼狽の仕方が怪しい。挙動不審なことこの上ない。でも言いたくなさそうなも分かる。とは言え瀬名は最近まで女性経験がなかったのは美沙希が一番よく知っている。その『色々』は、少なくとも性的なことではないだろう。
    「いいわ。信じてあげる」
    美沙希がそう言うと、瀬名は安堵の大きな息を吐いていた。

    若干モヤモヤした物を抱えつつ、パーティー前の約束があったので、美沙希は瀬名のマンションに一緒に帰る。正直、瀬名のパーティースーツ姿もうっとりするほど格好良かったので、そのまま別れるのが惜しかったのもある。
    「今日は付き合ってくれてありがとう。疲れたろ?」
    既にこの手のパーティは何度目かなのに、瀬名は毎回律儀にお礼を言った。
    「うーん、でも日本人だけのパーティよりは楽しかったかも」
    実際、日本企業だけのパーティでは、美沙希を値踏みされる視線の方が多い。アイザワの御曹司の玉の輿に乗る女かもしれないと思われているのだ。
    外見的に瀬名に興味を抱く女性も多いだろうが、それと同じくらいアイザワとの縁故を狙う企業オーナーたちも多い。その視線は、瀬名が「正直うざい」と言うのも頷ける無遠慮さである。
    それに比べれば、今回は大使館主催というのもあり、客の半分は日本人であったものの、さほど不躾な視線はなかった。むしろ思うがまま興味を示してくれる女性達がいて楽しかった。
    「あのドミニクって子には驚いたけど、瀬名がすぐに助けに来てくれたしね」
    「あいつのことは……本当にごめん」
    「いいよ、気にしなくて。友達……なんでしょう?」
    瀬名が謝るということは、あの子に対して少なからず身内意識がある表れでもある。ならば美沙希としては許容しておきたい。
    「あの時の瀬名、格好良かったからもういい」
    広い背中に毅然と守られるのはなかなか新鮮で、悪くない気分だった。
    「俺も——こんな綺麗な美沙希を連れて歩けて、すごく誇らしかった」
    背中から抱き締められ、耳元で嬉しそうに囁かれてゾクゾクする。
    「それよりも……一刻も早く抱きたくてしょうがなかったけど」
    「あ、瀬名……」
    潜められた声に欲望が混ざっている。気がつけば袷から瀬名の手が差し込まれ、胸の膨らみがゆっくりと揉みしだかれていた。うなじには唇の感触。彼の愛撫がもたらす心地よさに、美沙希はうっとりと目を閉じる。
    「帯、邪魔……」
    瀬名の呟きに苦笑し、美沙希は自ら帯紐と帯締めを解いた。
    帯自体が緩んで前がはだけ、あらわになった首筋に更にちゅ、ちゅ、と唇が落とされた。
    「着物だけ脱がさせて。その……汚すと洗うの大変だから……」
    恥ずかしさと高揚がない交ぜになりながら美沙希は囁く。ウールやポリエステルなら自分でも洗えるが、さすがに正絹を汚したら洗い針に出さねばならない。
    「そっか……」
    幾分残念そうに、瀬名は美沙希を解放してくれた。
    「その代わり……」
    美沙希は瀬名の目を避けて後ろ向きで帯を解きながら、小声で囁いた。
    「こっちは……多少汚しても良いよ?」
    するりと着物を肩から落とすと、瀬名の目の前に現れたのは緋色の襦袢姿である。伊達締めで整えられてはいるが、下着姿には変わりない。身につけた緋色が美沙希の肌の白さを一層際立たせ、少ない露出が却って危うい色気を増幅させている。
    瀬名は息を呑んで声も出ない。
    「本当は、フォーマルで身につけるなら白とか抑えめの色の方がいいらしいんだけど……瀬名が喜ぶかなって」
    脱ぐのを想定しての選択だった。幸い濃い色の着物だから、透けて見える心配もなかった。
    「ヤバい。むしゃぶりつきたい……」
    瀬名の上擦った声に、美沙希は満足を覚えて微笑んだ。
    「きて……?」
    瀬名は性急に着ていたスーツを脱ぎ捨て、首元のタイを外すと、美沙希をベッドの上に押し倒した。そのまま袷を大きく広げ、胸元に強く吸い付く。伊達締めをうまく外せないまま、美沙希の白い胸の膨らみが剥き出しにされた。
    瀬名はさっき宣言したとおり、美沙希の肌にむしゃぶりついてくる。両手で胸を持ち上げられ、一方の先端に強く吸い付かれた。
    「あ、はぁん、あ、—あ、あ、あぁん…………っ」
    乱暴に揉みしだかれるのさえ気持ちよかった。
    瀬名の膝が美沙希の足の間に入り、裾も乱れていく。気がつけば彼の手が直接太股を撫で回していた。瀬名の唇は首筋や鎖骨にも強く吸い付いて、紅い痕をつけている。
    美沙希は後ろになでつけられていた瀬名の前髪をぐしゃぐしゃに乱していた。ずっとこうしたかったのだ。
    二人とも息が荒く、目元が紅い。
    「今日は……後ろから、したい」
    「え——?」
    聞き返す間もなく、美沙希はうつ伏せにされて腰を高く持ち上げられていた。腰巻きごと襦袢の裾を大きくめくられ、下着を着けていなかった美沙希の臀部は丸見えになる。
    「や、こんなの恥ずかしい……」
    これでは美沙希の恥部が丸見えになってしまう。しかし瀬名は臀部を固定して解放してくれなかった。美沙希は枕に顔を押しつけて恥ずかしさを堪えた。
    とろとろと蜜を流しているそこに、瀬名の硬くなった局部が押し当てられる。それだけで美沙希の体は期待に疼いてしまう。
    瀬名は美沙希の腰を持ったまま、何度か硬い雄芯を美沙希の足の間に挟ませて擦りつけた。それも気持ちいい。じゅる、じゅるとしばらく腰を前後に振って擦っていたが、やがて耐えきれなくなったらしい。パッケージを引きちぎる音がして、瀬名が美沙希の中に入ってきた。
    「あぁぁん……っ」
    浮いていた肩がベッドに落ち、彼とひとつになった快感が美沙希を染め上げる。
    「いい……すごくいい……」
    腰を揺すりながら瀬名が呟くのが聞こえる。美沙希もおかしくなりそうだった。
    うつ伏せのまま腰だけ高く持ち上げられるという恥ずかしい格好で、美沙希は顔を枕に押しつけて嬌声を上げ続ける。
    ごり、ごり、と瀬名の硬いモノで内側を擦られる度に、ざわざわと血が沸き踊るのを感じた。
    「あ、ダメ、そこ……」
    「ここ? こう?」
    「あ、ダメぇ……っ!」
    いつもと体位が違うせいか、擦られる場所が敏感になっていた。しかもより奥に当たっている気がして、背骨に絶頂の予感が這い上がってくる。
    「やば、凄い締め付けてくる……」
    「だって、瀬名がぁ……」
    美沙希の泣き声に煽られて、瀬名の腰のグラインドが激しくなった。
    「や、おかしくなっちゃう。もうイっちゃう……!」
    「俺も、もうイく……っ」
    切羽詰まった声を上げて、瀬名は突くスピードを上げると、激しく打ち付けて欲望を吐き出した。その瞬間、美沙希も激しい快楽の海に溺れたのだった。

    しばらく二人とも半裸のまま横たわっていた。瀬名はシャツのボタンがまだひとつだけかかったままだったし、美沙希は伊達締めが半ば解けていたが、肩や胸、足を露わにしながらもまだ緋色の襦袢が巻き付いている。白い足袋も履いたままだ。
    息が落ち着き始めた頃、ようやく瀬名は起き上がって下半身の始末を始めた。
    被せていた避妊具を外し、ティッシュで精液を拭い取る。
    美沙希はベッドに横たわったままそんな瀬名をぼんやりと見ていたが、不意に足を動かした。足袋を穿いたままの爪先を、瀬名の力をなくした分身に押し当てる。そのまま親指を動かして指の間に挟むように弄った。
    「こらっ」
    慌てる瀬名が可笑しくて、もっと爪先で擽るように動かした。
    「美沙希! ヤバいってば! そんなことをしたらまた……!」
    言っている内にむくりと膨らみ始めるのが分かる。瀬名は焦る声を出しながら逃げようとしなかった。
    「可愛い。瀬名のここ」
    妙な高揚感に、クスクス笑いながら美沙希は擦り続けた。瀬名のそこはどんどん勃ち上がり始める。
    「お前は〜〜〜〜〜……っ」
    瀬名は美沙希の足首を掴んで持ち上げた。
    「きゃー、お許しを、お代官様!」
    「許すか〜〜〜〜〜! 手込めにしてくれるわ!」
    ふざけて逃げようとする美沙希を瀬名は思い切り羽交い締めにした。そのままかぷかぷと美沙希の肌に歯を立てる。
    「や! ごめん! 許して! もうしません〜〜〜」
    「許すか! くすぐりの刑じゃ!」
    「やぁん……っ」
    脇に手を入れて向きを変えられる。そうして向かい合う形で彼の膝にまたがってしまう。
    顔が至近距離になると、瀬名は突然照れたようにそっぽを向いた。可愛い。
    「今度は……私が上になる?」
    お腹に当たる彼の膨らみを意識しながら言った。彼が喜んでくれるなら、何でもしてあげたい気分だった。
    瀬名の頬が更に紅くなる。
    「美沙希……」
    「ん?」
    絞り出すような声に、彼の頭を愛おしげに抱き寄せた。瀬名の腕も美沙希の体をぎゅっと抱き締める。
    「俺、美沙希が初めての相手で……よかった」
    「そう……。ならよかった」
    彼の黒髪に鼻を埋める。瀬名の匂い。髪の感触。どれも心地良い。視線が合って、深いキスをした。ゆっくりと蕩けるようなキスだ。
    「ね、欲しい……」

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